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合唱ができるまで
Les metamorphoses du choeur

2006年12月23日(土)、ユーロスペースにて公開

■ドキュメンタリー
パリ13区。週に1度、女性指揮者クレール・マルシャンのもとにアマチュア合唱団のメンバーたちが集まる。 大人、子供、ティーンエイジャー、余暇を楽しむ老人ら、さまざまな背景を持っているであろう人々が、教会で行われるミサ・コンサートに向けてただひたすら練習している。
彼らはモーリス・ラヴェル音楽院に所属するアマチュア合唱団のメンバーたち。 繰り返される練習の中で、ひとりひとりの歌声が旋律を奏で、やがてひとつのハーモニーとなり、 “音楽”へと昇華されていく。

身振りを交えたユニークな発声法、グループに分かれてのパート練習、 そしてオーケストラを迎えたリハーサルが映し出され、緊張のステージを迎えるまでの過程を通し、 アマチュア合唱団ならではの努力や苦労しながらも成長していく姿が丹念に綴られる。




■キャスト
クレール・マルシャンとパリ13区立モーリス・ラヴェル音楽院合唱団
 





       


■インタビュー:クレール・マルシャン
私は、子供の合唱団の指導を始めて以来ずっと、子供たちとの仕事の中に多くの熱意と喜びを持ち続けています。 子供はあらゆるタイプの曲や練習に対して自発的でオープンな姿勢を持っています。 ですから、どんな音楽家にとっても重要となる多くの要素、つまり、聴く力、注意力、リズム感、即興などを育てるのにとても恵まれた時期なのです。

・・・私が子供たちとの仕事を始めて30年になりますが、多くの親御さんや、かつて合唱団で歌っていた人たちも、合唱団での活動が、彼らの学習や社会生活にもたらすよい効果を強調しています。音楽によって育まれるあらゆる要素は、子供の教育全般にとっても、非常に重要なものだといえるのです。

 




■インタビュー:マリー=クロード・トレユ
合唱団の実態について私たちはどのくらいのことを知っているのでしょう?
それは、社会集団を貫く形で、世代を越えた多種多様の人々が一堂に会し、最も民主的で誰でも使用可能な楽器、「歌声」を共用するものです。
団員たちは、コンサートを目指して、純粋に歌う喜び、声をそろえて歌う喜び、聴衆の前で歌う喜びを分かち合います。
どんな楽器の習得にも言えることですが、合唱団もまた、謙虚さを学び、集中力を身につけ、感性を研ぎ澄ませ、絶え間ない向上をめざす、ある種の学校、芸術的経験そのものなのです。
(プレス資料より)



 
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この作品を観て、音楽がなにをもたらすのか考えてみた。 癒し、歓喜、感動、興奮・・・?
この作品でとりあげている音楽はどうもそういうことではなさそう。 合唱の練習というプロセスがいいのだ。それが何かをもたらす。
そこには人と人とを結び付けていくものがある。 子供でも大人でも、どんな境遇の人でもつなげていく。
だから、小さいときからここで合唱をやっていくと、いつか、 かけがえのない経験となって人生に生かされてくるというのもよくわかる。
それと高度でユニークな練習方法。音楽を作りあげていくことの意味を体で覚えていく。 そんなことを感じる。
合唱ファンだけではなく、音楽をきっかけになにかを見つけたいと思ったら、 合唱に参加するようなつもりで映画館に出かけるのもよいのでは? (JS)










■監督:マリー=クロード・トレユ

1948年生まれ。学生時代は哲学を専攻し、学士号を取得している。その後はメッセンジャー、レジ係、映画出演などの数多くのアルバイトを経て、1980年、その経験を題材にした『Simone Barbes ou la Vertu』を監督。
翌年の次回作『Lourdes, l’hiver』(短編)でジャン・ヴィゴ賞を受賞。
彼女の描く世界は、日常生活に愛情と独創性があふれることに注目し、本作に示されるように、作品の主人公はごく普通の人というのが特徴的である。
本国では多くの作品を発表しているが、日本においては本作が初めての公開作。次回作は、パリのオーケストラのドキュメンタリーが控えている。



■スタッフ
監督:マリー=クロード・トレユ
撮影:ピエール・ストウベール
録音:イヴ・ズロトニッカ


         


■オフィシャルサイト
http://www.longride.jp/gassho

製作:レ・フィルム・ディシ/2004/フランス/35mm/カラー/ビスタ/
日本語字幕:丸山垂穂/字幕監修:三ヶ尻正 /98分/
原題:Les metamorphoses du choeur
配給:バップ+ロングライド

(C)Les Films d‘Ici-Yumi Production-CNDP-2003 France