Cinema Top > Archive |
||||||||||||||
約束の旅路
|
■キャスト 養母ヤエル/ヤエル・アベカシス 養父ヨラム/ロシュディ・ゼム シュロモ(幼年時代)/モシェ・アガザイ シュロモ(少年時代)/モシェ・アベベ シュロモ(青年時代)/シラク・M・サバハ ケス・アムーラ/イツァーク・エドガー サラ/ロニ・ハダー おじいちゃん/ラミ・ダノン ハナ、エチオピア系ユダヤ人の母/ミミ・アボネッシュ・カバダァ シュロモの実母/マスキィ・シュリブゥ・シーバン |
|||||||||||||
やがて、シュロモは決意する。医者になりたい、パリへ行って医学の勉強をすると。養父ヨラムは祖国の困難を前にして、シュロモがパリへ行くことに反対したが、ヤエルは息子をパリへ送りだすことを心に強く決めていた。シュロモがパリへ旅立つ空港で、ヤエルは言った「あなたを養子にすると言い張ったのはヨラム。あなたが家族なのは彼のお陰よ」。そしてこの母もまた息子を送りだした。 世界は動いていた。1993年のオスロ合意でイスラエル・パレスチナ和平の道は開かれた。しかし調印を果たしたラビン首相は暗殺される。必死で勉強したシュロモは晴れて卒業証書をもらい、イスラエルへ帰ろうとするが・・・。 ※ ※ ※ |
||||||||||||||
■ラデュ・ミヘイレアニュ監督 インタビューより映画にしようと思ったきっかけは?私は、ロサンゼルス映画祭で一人のエチオピア系ユダヤ人の男性と出会い、ファラシャと呼ばれるエチオピア系ユダヤ人が、この イスラエルへの帰還作戦で”エキストラ(端役)”として扱われていたことを理解しました。この男性は自身の波瀾万丈の人生を 語ってくれました。スーダンまでの徒歩による道のり、誰もが死に直面していた難民キャンプでの生活、イスラエルでの受け入れ の現実。その話を聞き、心の底から衝撃を受けました。私は、ありとあらゆる資料をかき集め、彼らにささげる映画を作り始めた いと思い始めたのです。 シュロモの養家が左派であることは重要な設定でしたか? そうです。養父母は左派で無宗教なのですが、シュロモを思いやり、妥協するだけの懐の深さがある。それでいて無神論者である ことを隠そうとしません。そういうタイプの左派系家族なのです。 彼らを左派に設定することで、過激主義者だけではないイスラエルの別の顔を見せることが可能になります。平和を願うイスラエ ル人は板ばさみの状況にあります。彼らはもはや戦争の有効性を信じてはいない。イスラエルにとどまれば子供たちに次なる戦争 を体験させてしまう。そうさせないために国を出たほうが良いか、戦争を望む右派の好き放題にさせないためにも選挙権を放棄せ ずにとどまったほうが良いのかというジレンマに直面しているのです。 ■エチオピア系ユダヤ人についてエチオピア人のユダヤ教起源については、いまだ謎であり、口伝により諸説がある。モーゼの時代、出エジプトの際にエチオピア に向かったヘブライ人という説。ソロモン王(BC972-932)とシバの女王の間に生まれた子の末裔という説。 イスラエルの失われた部族、ダン族の子孫という説などがある。1996年、エチオピア系ユダヤ人はエイズ感染の危険性が高いとして、 イスラエル血液銀行が彼らの献血した血液を秘密裏に全面破棄していたことが発覚した。 これまでも不当な差別を受けていた彼らの怒りはデモ活動に発展し国内は騒然となった。 |
||||||||||||||
>>>
|
|
|||||||||||||
字幕:松岡葉子 字幕監修:臼杵陽
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||