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ボビー
BOBBY

2007年2月TOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国他にて公開


■ストーリー
 
1968年6月5日、ロバート・F・ケネディが最後の演説を行うアンバサダー・ホテル。このホテルの中で複数のエピソードが進行する。

LOBBY
元ドアマンのジョン・ケイシー(アンソニー・ホプキンス)とかつての同僚だったネルソン(ハリー・ベラフォンテ)は、1階ロビーでチェスを楽しんでいる。アンバサダーホテルに長く勤めた2人はホテルを訪れた往年のスターたちの名前を挙げ、想い出を語る。ボビーの来訪で周囲が騒がしくなった夜、現れたその男にジョンは声をかける。「ようこそ、ケネディ上院議員!」。

KITCHEN
メキシコ系従業員のホセ(フレディ・ロドリゲス)やミゲル(ジェイコブ・ヴァルガス)は、ドジャースのドライスデール投手が登板するゲームを楽しみにしていたが、マネージャーのティモンズ(クリスチャン・スレーター)にダブルシフトを命じられた。副料理長エドワード・ロビンソン(ローレンス・フィッシュバーン)は賄いの夕食を食べながら、人種差別社会での処し方をキング牧師の言葉を引用して諭す。深夜、演説を終えたボビーがそこを通る・・・

CHAPEL
ボビーが遊説に訪れるこのホテルのチャペルで、10代のダイアン(リンジー・ローハン)とウィリアム・エイバリー(イライジャ・ウッド)は結婚する。ダイアンがウィリアムの徴兵免除のために結婚という既成事実をつくって助けようというのだ。ベトナム戦争に彼を行かせたくない、ダイアンの妙案だった。深夜、ボビーの姿を目の当たりにした2人は笑顔を浮かべる。

BEAUTY SALON
ミリアム(シャロン・ストーン)はホテル付けの美容師。夫のポール・エバース(ウィリアム・H・メイシー)は、ホテルの支配人。その日美容室にやって来た花嫁になるダイアンや、ボビーの前座として歌を歌う歌手のヴァージニア(デミ・ムーア)の悩みを聞かされる。ミリアムは親身になってアドバイスを送る。

 

 

 


■キャスト
アンソニー・ホプキンス
デミ・ムーア 
シャロン・ストーン
イライジャ・ウッド
リンジー・ローハン
ヘレン・ハント
クリスチャン・スレーター』
ウィリアム・H・メイシー
ヘザー・グラハム
ローレンス・フィッシュバーン
アシュトン・カッチャー
マーティン・シーン
ジョシュア・ジャクソン
バリー・ベラフォンテ
ニック・キャノン
メアリー・エリザベス・ウィンステッド
エミリオ・エステヴェス
 






       

 

BACKSTAGE
ヴァージニアはかつては大歌手だった。ホテルには夫のティム・ファロン(エミリオ・エステヴェス)と投宿しているが、何かと彼とはギクシャクしている。ボビーが"勝利のスピーチ"をするそのパーティで前座として往年のヒット曲を歌うが、精神状態はどん底だった。

SUITE ROOM
ニューヨーク社交界の名士ジャック・スティーブンス(マーティン・シーン)は、サマンサ(ヘレン・ハント)を伴い、このホテルにチェックインする。レセプションで一旦は満室だと断られるが、支配人の機転で、スイートルームで荷をほどく。その夜のパーティに招待されていた2人は2度目のハネムーン。2人は夜、正装してパーティに臨む。

COFFEE SHOP
10代のクーパー(シア・ラブーフ)とジミー(ブライアン・ジェラーティ)は新米の選挙ボランティア。ボビーを8ミリフィルムに収めようとカメラ片手にホテル内を散策する。コーヒーショップでは、スターになるのを夢見てオハイオからやって来たウェイトレスのスーザン(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)にカメラを回す。ヤクの売人のフィッシャー(アシュトン・カッチャー)の部屋を訪れると、LSDで幻覚を見る。そして夜、ボビーの演説を聞いた2人はボビーを追いかける。

BALLROOM
そして、ボビーによる"勝利のスピーチ"が始まる・・・。

※   ※   ※


       
 




       


■プロダクション・ノートより


─ロバート・F・ケネディ最後のスピーチ、1968年6月5日

"私が考えていることは非常に明快なことです。最終的な分析をすると、我々は共に取り組んでいけるということなのです。ここ3年以上も、アメリカ合衆国では不和、暴力、幻滅が社会にはびこってきました......。黒人と白人の間であろうと、貧しい者ともっと富をもつ者の間であろうと、あるいは同世代人の間であろうと、ベトナム戦争を経験した者であろうと......。我々は再び共に取り組むことができるはずです。我々の国は偉大な国であり、寛大な国であり、憐れみ深い国です。そして私はそれを自分の行動基盤にしていくつもりです......。"

─ロバート・F・ケネディが好んで引用したラルフ・W・エマソンの言葉

"ひとりの人間がその信念の上にしっかりと立ち、留まるならば、無限の世界がその人の周りに集まってくるだろう"

─1968年4月、オハイオにおけるロバート・F・ケネディのスピーチ

"暴力が暴力を生み、弾圧は報復をもたらし、そしてこの病を我々の魂から取り除くことができるのはただ一つ、我々の社会全体を浄化するしかない"

※   ※   ※

監督のエミリオ・エステヴェスは、6歳だったが、ロバート・F・ケネディが亡くなったあの夜のことを鮮烈に覚えている。
ボビーが撃たれたというニュースをテレビで見た彼は、寝ていた父親のマーティン・シーンを起こしたという。 長い間ケネディ家の支援者だった父は、RFKが最後のスピーチをした現場、アンバサダーホテルに息子を連れて行った。 「父は私の手を握り締めながらあの大ホールを歩き回って、我々の失ったものについて話してくれた」 とエステヴェス監督は回想する。
数10年経ち、有望な脚本家兼監督となったエステヴェスは、新しい企画を模索中に、 取り壊し作業中だったアンバサダーホテルに足を運んで妙案を思いつき、RFKが暗殺された夜のことを書き始めようと決心した。 「最初に決めたのは、ボビーの精神を称える物語を語りたいというものだった」

エミリオ・エステヴェスの脚本がハリウッドに広まり始めると、そのテーマに対する彼の熱意が、 22人のキャストを結集させた。全員が最低の出演料での出演に同意した。
 最初に決まったのが、ジョン・ケイシー役のアンソニー・ホプキンス。彼はボビーの死の瞬間を鮮烈に覚えている。
「私はロンドンのスタジオの椅子に座っていて、あのニュースをテレビで見た。 "世界は狂っている"と思わず叫んだよ。JFKも、マルコムXも、キング牧師も、 そしてRFKもこの世からいなくなったんだからね」
 ホプキンスが最初に配役されたことは、他の俳優たちを惹きつける要因となった。
実際に、ボビーが暗殺された直後にも会う予定だったハリー・ベラフォンテはネルソン役を勇んで引き受けた。 「彼のすごい魔力に魅せられていたからね。あの悪夢の瞬間、すべての人間の歴史をも変えてしまった」とベラフォンテ。

 
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ホテルの1室でLSDで幻覚をみるシーンにクリームの「スプーンフル」が流れる・・・、 1968年は音楽的にも充実した年でした。 この年の6月5日、全米国民から「ボビー」の愛称で親しまれ、希望の星だったアメリカ大統領候補、 ロバート・フランシス・ケネディ上院議員が遊説先のロサンゼルスのアンバサダーホテルで凶弾に倒れました。
キング牧師が暗殺された2か月後、彼が民主党カリフォルニア予備選で圧勝し「勝利のスピーチ」をした夜のことでした。この物語はその日、ホテルにいた人々の生活を切り取りながら、一人のカリスマがどういう存在であったかを思い起こさせるアンサンブルドラマです。
  ベトナム戦争の段階的拡大の停止を提唱、貧困の撲滅、人種問題、黒人の公民権問題や環境問題・・・。 1968年はローマクラブが立ち上げの準備にはいった年でもあり、そのスピーチには、 現在にも通じる普遍性を強烈に感じます。 (JS)










■監督/脚本/ティム・ファロン役:エミリオ・エステヴェス

1962年、ニューヨーク生まれ。父はマーティン・シーン、弟はチャーリー・シーンとラモン・エステヴェス。監督作品は『ウィズダム/夢のかけら』(86) 、『メン・アット・ワーク』(90)など。



■スタッフ
監督・脚本:エミリオ・エステヴェス
音楽:マーク・アイシャム
撮影:マイケル・バレット
編集:リチャード・チュウ
美術:パティ・ポデスタ
衣装:ジェリー・ウェイス
共同製作:ジョン・リドリー、リサ・ニーデンタール
製作総指揮:ゲイリー・マイケル・ウォルターズ、アンソニー・ホプキンス、ダン・グロドニック
製作:エドワード・バス、ホリー・ワイースマ、ミシェル・リトヴァック

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.bobby-movie.net

(c) 2006 BOBBY, LLC ALL RIGHTS RESERVED.

2006年/アメリカ/カラー/スコープサイズ/ドルビーデジタル・SDDS・dts/120分/原題:BOBBY/字幕翻訳:松浦美奈
提供・配給:ムービーアイ