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リトル・チルドレン
LITTLE CHILDREN

2007年7月28日よりBunkamuraル・シネマ、シャンテ シネほか全国にて公開


■ストーリー
 アメリカ、ボストン郊外の住宅街ウッドワードコートに住む主婦サラ・ピアース。企業ブランディングの会社を営む夫のリチャードの成功で、この地に家を買った。サラは近所の公園で、3歳の娘を連れて公演デビューをするが、主婦たちと溶け込むことができずにいた。

 主婦たちの興味の関心は、しばらく公園に姿を見せていない謎の若い父親。ある日、その彼が子供を連れて現れる。主婦たちは電話番号を聞くようサラにけしかける。主婦たちのおしゃべりに飽き飽きしていたサラは彼に話しかける。彼はブラッド・アダムソンという名で司法試験の勉強中であった。
 サラは、電話番号を聞くだけでは飽き足らず、主婦たちを驚かそうとしてブラッドにハグしてくれるように頼むと、ブラッドは快く承諾してしまう。驚いた主婦たちは公園から急いで立ち去ってしまう。

 


■キャスト
ケイト・ウィンスレット
パトリック・ウィルソン
ジェニファー・コネリー
ノア・エメリッヒ
ジャッキー・アール・ヘイリー
グレッグ・エデルマン
フィリス・サマーヴィル
 




       

 

 ブラッドの妻、キャシーはモデル経験もある才色兼備の女性で、ドキュメンタリー映像作家として成功していた。ブラッドは昼間は子守をしながら、夜は近所の図書館で勉強をする日々だった。だが、勉強に集中できず、子供たちが広場でスケートボードをして遊んでいる様子を見ては時間をつぶしているような毎日。
 そんな中、この街に元犯罪者のロニーが出所して戻ってきた。ブラッドの友達で元警官のラリーは、ロニーを糾弾するビラを街中に貼り、母親と共に住むロニーの家にも嫌がらせをするほどであった。

 ある日、サラは夫のリチャードがアダルトサイトを見て興奮している様子を見てしまう。夫に幻滅したサラは、公営プールで再会したブラッドと話すことで気を休めるようになっていく。お互いに結婚していて子供を持つ身だが、互いが好きな気持ちを抑えられなくなっていた・・・。

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■プロダクションノートより / トッド・フィールド (監督)

 2001年、『イン・ザ・ベッドルーム』を完成させたあと、私はリチャード・イェーツの小説『Revolutionary Road』の映画化権獲得に乗り出した。しかし、財産権が複雑すぎ、それは不可能となった。だが、私がイェーツの小説のどこに惹きつけられたかというと、中心テーマとなるフランクとエイプリル・ウィーラーという二人の主人公だった。彼らは夢をあきらめる準備ができていない。青春時代の約束も果たせず、自分たちの子供に集中することもできない。彼らのアイデンティティは他人との関係が自分たちにとってどういう位置にランク付けされるのかということに密接に結びついていた。
2003年、トム・ペロッタの新作小説『Little Children』の校正刷り読んだ。私は『Revolutionary Road』との類似性に興奮を覚えた。しかしながら、イェーツの物語では、作家の怒りと神への手厳しさに読者の感情が疲れ果ててしまうのに比べ、『Little Children』は風刺的なメロドラマであり、ペロッタは自分のキャラクターに対する審判を即座に下してはいなかった。共感とユーモアをもって彼らを描いている。この本の中核は母である。

 最初から登場人物たちは、アイデンティティを求めて葛藤している。それが、十分満足できない飢えにつながり、暴力と恐れが幅を利かす。責任を追求された始めた時に、彼らは自分たちをどれほどの屈辱感を持って見たのか。この着想を心にペロッタと私は共に仕事をスタートさせた。



 
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 印象に残ったのは、ブラッドの妻キャシーが家に戻ると、息子がそれまでかぶっていた帽子をとるシーン。父親との居心地の悪さを帽子で象徴しているかのようでした。その居心地の悪さは、ブラッドから発せられる心にあるのに本人は気づいていないというユーモア。
 また、3人の母親の演じる、子に対する愛情表現。それぞれが今日的なテーマを多く含んでいます。
 物質的な豊かさを享受しながらも、どこか満足できない日常を「大人になれない大人たち(リトルチルドレン)」として描き、現代人のもつ心のありようを表現した作品。成功や豊かさとは違う次元に、なにがあるのだろうということを感じさせます。 (JS)








■監督:トッド・フィールド
1964年カリフォルニア州ポモナ生まれ。俳優としてスタートし、アークシアター・カンパニーの舞台に立つ。出演作は『ラジオ・デイズ』(87)、『ツイスター』(96)、アイズ ワイド シャウト』(99)、『ホーンティング』など。監督作品は、短編『Too Romantic』(92)、『When I was a boy』(93)、『Nonnie & Alex』(95)。長編デビュー作『イン・ザ・ベッドルーム』(01)でサ ンダンス映画祭で作品賞にノミネートされ、批評家たちから国際的な絶賛を浴びた。

■スタッフ
監督:トッド・フィールド
脚本・原作:トッド・フィールド 、トム・ペロッタ
製作:アルバート・バーガー 、 ロン・イェルザ 、トッド・フィールド
製作総指揮:パトリック・パーマー、トビー・エメリッヒ 、ケント・オルターマン
撮影:アントニオ・カルヴァッシュ
美術:デイヴィッド・グロップマン
衣装:メリッサ・エコノミー
音楽:トーマス・ニューマン

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.little-children.net/


2006年/ アメリカ /原題:LITTLE CHILDREN /2時間10分
字幕翻訳:松浦美奈
配給: ムービーアイ