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待つ女
7 ANS

10月6日（土）、渋谷シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー


■ストーリー
メイテの夫ヴァンサンは、7年の刑を言い渡され服役中。メイテは週2回の面会を欠かさない。夫の衣類を届け、汚れた衣類を受け取り洗濯し、高価なゲランをふりかけ、アイロンをかけてまた持っていく。自分の香りを感じるように。
わずかな面会の時間の中で、ふたりは手をとり短い会話を交わすが、満たされることはなかった。

メイテは向かいに住むシングルマザーのジャミラの息子ジュリアンの面倒を見ることで生計を立てている。ジュリアンはメイテになつき、時に母親以上にメイテを慕う。メイテは新しい就職口を捜そうとするがうまくゆかない。

 

ある日、いつものように面会を終えると刑務所の出口で見知らぬ男が声をかけてきた。男の名はジャン。はじめは躊躇していたメイテだったが、やがて、しつこく言い寄るジャンに車で送ってもらうことに。

ジャンとメイテはデートを重ねるが、メイテの気持ちはジャンには向かわない。ある日、メイテはジャンが刑務所の看守であることを知る・・・

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■プロダクション・ノートより

監督のコメント
私はたくさんの囚人の妻たちと会い、彼女たちが語る苦悩を聴き、また多くの証言も読みました。そのうちの一人は、少しでも刑務所に近づこうと、毎日のように双眼鏡を手に人の家の敷地に入り込んで、格子窓の向こうに夫と思われるシルエットを認め、眺めていました。また、看守に見られずに恋人と抱き合うため、面会室にテーブルといすで小屋を築いた人もいました。また、ある女性は、夫の汚れた服を洗濯機に入れる前に、あたかも性的儀式のようにその匂いを嗅いだといいます。求める肉体の不在に対して、彼女たちに何が残されているというのでしょうか・・・

『待つ女』は、彼女の愛する男と、彼女を求め愛を交わす男の前で、揺れ動く女性の話です。こうした瞬間瞬間をとらえるために、私はごく短くシンプルで、言葉よりも沈黙が語りうるようなシーンで描きたかったのです。だから、身振りやたたずまい、視線や笑み、落ち込まぬように嘘をつく表情といったものを撮っていきました。そうした映像で、会話では不可能な官能的で情動的な肉体の痕跡を感じ取れるようにしたかったのです。キャラクターたちは、心理学や注釈で説明するものではありません。彼らは試練に立ち向かい、彼らなりになんとか切り抜けるのです。

監督：ジャン＝パスカル・アトゥ
ジャーナリストとして数年働いた後、アンドレ・テシネ監督の『野性の葦』（'94）と『夜の子供たち』（'96）でアシスタント・ディレクターとして活動。その後3本の短編映画と10本のドキュメンタリー作品を監督。『待つ女』は初の長編監督作品。

ヴァレリー・ドンゼッリ
フランス北部エピナルでイタリア系家族に生まれる。少女時代はダンサーを志望し、姉と一緒に演劇クラブにも所属していた。。一時は建築学を志すが、23歳で演劇の道へ進み、28歳のときにコンセルヴァトワールで学ぶ。2001年『マルタ・・・、マルタ』でミシェル・シモン賞最優秀女優賞を受賞。ほかに『誰がバンビを殺したの？』('03)、『イン・ヒズ・ハンド』（'05）など。

ブリュノ・トデスキーニ
1962年スイス生まれ。ジュネーブの高等舞台芸術院で学んだ後、フランスでナンテーヌ・アマンディエで演技を学ぶ。80以上の作品に登場した実力派でフランス映画界の売れっ子俳優の一人。近作は『情痴アヴァンチュール』('05)、諏訪敦彦監督の『不完全な二人』（'06）など。

■スタッフ
監督：ジャン＝パスカル・アトゥ
脚本：ジャン＝パスカル・アトゥ　ジル・トラン　ギヨーム・ダポルタ
音楽：フランク・ドゥラブル
撮影：パスカル・プセ
編集：アンヌ・クロッツ
美術：ソフィ・シャンドゥティ
録音：ヨランド・ドゥカルサン　グザビエ・ピロエル
プロデューサー：ジュスタン・トラン