この道は母へとつづく
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■キャスト ワーニャ/コーリャ・スピリドノフ マダム/マリヤ・クズネツォーワ ムーヒンの母/ダーリヤ・レスニコーワ 孤児院長/ユーリイ・イツコーフ グリーシャ/ニコライ・レウトフ |
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その母親が自殺したという報せが孤児院に入り、ワーニャのママへの想いは日増しに強くなっていく。ワーニャは、資料室に出生記録が保存してあることを知るが、文字が読めない。年上の少女イルカに「金と交換で字を教えてあげる」と言われたことを真に受け、院を陰で牛耳る不良グループの金をごまかして盗もうとする。理由を知ったグループのリーダー、カリャーンは、自分が母親に虐待され捨てられた過去を明かし、黙ってイタリアへ行く方が幸せだと薦める。 字の勉強を始めるワーニャ。独学ながらも毎日一生懸命に取り組み、見る見るうちに文章が読めるようになる。そして遂に院長から鍵を盗み、資料室へ入り込むことに成功する。しかし資料に載っていたのは「両親なし」の情報だけ。だが、前にいた別の街の孤児院の住所が分かり、そこへ行けば何か分かるかもしれないと考える・・・
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本作に寄せて ──アンドレイ・クラフチュク
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>>> 観る前は、母親をたずねる旅がテーマかなと思ったのですが、そうではありませんでした。これは、ロシアで社会問題化している孤児の増加と外国からの養子斡旋という、国を越えた共通の問題。 誰からも忘れ去られたような極寒の地にある孤児院。そこに集まった子供たち。彼ら は何を見ているのでしょうか。変わることのない日常、夢のような普通の暮らし・・・。主人公ワーニャが選んだのは、暮らし方ではなく本当のママに会うことでした。 ワーニャが友人から「ママができていいな」と言われたことに対し、「本当のママのほうがいい」というシーンがあります。暮らしよりも前に求めるべきことがある。それは「ほんとうの」ことなのだと彼は言っているかのようです。プロダクションノートに、放蕩息子のたとえを監督は持ち出していますが、この作品には現代が失っている大事な部分が底流にあるのだと思います。 (JS)
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