マリア
THE NATIVITY STORY

2007年12月1日より、シャンテシネ、テアトルタイムズスクエアほか全国ロードショー


■ストーリー
ザカリヤは神から「汝の妻は汝の息子を身ごもり、神のために道を整える預言者となるであろう」という啓示を受ける。ザカリヤの妻は妊娠できる年齢を過ぎていたため、彼はこの預言を信じることができなかった。当惑するザかリアに対し、声の主は彼の発声を奪う。

その頃ナザレでは、10代のマリアが両親からヨセフとの婚約が整ったことを告げられる。見ず知らずの男性との結婚話に取り乱したマリアは、オリーブの林へと逃げ込む。そこで彼女は天使ガブリエルから「あなたは神から選ばれ、神の子を身ごもる。子供はイエスと名づけられ、いと高き方と呼ばれる」と告げられる。マリアはこの告知に困惑した。

一方エルサレムではヘロデ大王が新たな王が現れるという噂の広まりに怯え始めていた。そして兵士たちに“権力者、つまり救い主”となる可能性のある者は全て殺せと命ずる。

その頃ペルシアでは、学者のメルキオール、懐疑的な通詞ガスパール、エチオピア人の天文学者バルタザールらは古文書を研究し、まもなく惑星の整列、すなわち“救い主”誕生の兆候が起こることを予感する。メルキオールは仲間たちにその“星”を追ってユダへの旅の決行を説得する。

 


■キャスト
マリア/ケイシャ・キャッスル=ヒューズ
ヨセフ/オスカー・アイザック
アンナ・マリアの母/ヒアム・アッバス
ヨアキム・マリアの父/ショーン・トーブ
天使ガブリエル/アレクサンダー・シディグ
メルキオール/ナディム・サワラ
バルタザール/エリック・エブアニー
ガスパール/ステファン・カリファ
ザカリヤ/スタンリー・タウンゼント
ヘロデ王/キアラン・ハインズ
エリザベト/ショーレ・アグダシュルー
 




       


ナザレではマリアが親類のエリサベトを訪ね、天使ガブリエルが彼女に伝えたことが真実であったことにほっとする。エリサベトはマリアを励まし、喜びを分かち合った。ヨハネの誕生の後、マリアはナザレが恋しくなり、帰りたいという気持ちが蘇ってきた

彼女が帰郷したときに妊娠中であることが露になった。彼女は地元民の冷笑を浴び、ヨセフと彼女の両親とは気まずい再会となった。次の夜、ヨセフは天使ガブリエルの夢を見て、マリアの話は本当だと告げられる。

それからまもなく、ローマからの布告の後、ヘロデ大王は街の人口調査を命ずる。これがヨセフとマリアに生家からベツレヘムまでの長い旅を強いることになる。険しい山道、流れの激しい川、そして不毛の砂漠を越え、あらゆる手を尽くしてこの道を歩き通した。

東方の三博士たちは、兵士たちの目に留まり、王との“正餐”に列席する羽目になる。王は一行をごちそうで誘惑し、差し迫った子供の誕生について話し、子供の居場所を突き止めて知らせるようにと言うのだった・・・。

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■プロダクション・ノートより

脚本家のマイク・リッチは、「キリスト誕生、母マリヤとヨセフ、東方の三博士、羊飼いについての雑誌の記事があることに気づき、この登場人物たちを私が子供の頃に毎年飾っていたキリスト誕生の物語のセットに配置してみたんです。すると、彼らの旅がベツレヘムでどのように終わったかは映像までイメージできるのに、そこまでの旅路がどうであったのか、彼らがどういう人間だったのか、彼らがどんなことに挑んでいたのかということなど、殆ど知識がないことに気づいたのです。信仰心の厚い人間として、また物語の語り手として、それらは私の心を捉えて話さない疑問となったのです」と語る。
そして彼は、聖書からマリヤとヨセフの旅路に関するさらなる情報を求めて「マタイの福音書」と「ルカの福音書」を何度も読み返し、長い時間を費やして物語のあらゆる側面のリサーチを行ったが、ヨセフに比べてマリヤの資料が少なかった。
リッチは脚本の正確さを期するために歴史家、神学者、ユダヤ教とキリスト教共通の専門化、カトリックの専門家、(キリスト教の)教会一致運動の専門家などあらゆる分野における数多くの専門家の意見を求め、それは映像的側面だけでなく、文化的、伝統的な側面にまで渡った。


 
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聖書「マタイの福音書」と「ルカの福音書」に記述されている、キリスト生誕までの映像化を試みた作品。
撮影は、都市化の進んでしまったイスラエルではなく、南イタリアの小さな町マテラ周辺にベツレヘムを再現して行われています。
ハードウィック監督のプロダクション・デザイナーとしての実績と、衣装デザイナーのミェノッティらの力が、そのリアルさ作りに重要な役割を担っているようです。
処女懐胎ということが当時の若いマリアにとっていかに困難を極めたものか、周囲はどう反応したのか、ベツレヘムまでの旅路がどのようであったのかを見るとき、誰もが感じるものがあるような気がします。

処女懐胎には、アトランティスにその起源を求める説などもありますが、この作品は聖書を忠実に再現しようとしています。
イエスの生涯を描いたものには、昨年、『ハイジ』のアルムおんじ役で久々に姿を見たマックス・フォン・シドー主演の『偉大な生涯の物語』(1965年)がよく知られていますが、この場面をモチーフに扱うものとしては初めての試み。このシーンとしては実に42年ぶりでしょうか。メル・ギブソン監督の『パッション』(2004年)が、イエス・キリストの受難までの最後の12時間を描き、この『マリア』が、誕生までの最初の物語を描いたことになります。(JS)








■監督/製作総指揮:キャサリン・ハードウィック

南テキサス、マックアレン生まれ。メキシコで美術を学び、テキサス大学で建築を学ぶ。UCLAのフィルム・スクールの大学院過程で初監督作品となるアニメ/実写の短編製作。
デビュー作『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』(03)は2003年のサンダンス映画祭で監督賞を受賞。プロダクション・デザイナーとしてハードウィクが関わった作品には『スリー・キングス』(99)、『バニラ・スカイ』(01)、『トゥームストーン』(93)、『しあわせの法則』(02)などがある。
“subUrbia”(96)で、セカンドユニットの監督。監督最新作は『ロード・オブ・ドッグタウン』(05)。

■脚本/製作総指揮:マイク・リッチ
オレゴン州立大学出身。『小説家を見つけたら』(00)、『オールド・ルーキー』(02)と『僕はラジオ』(03)の脚本を手がけた。

■プロデューサー:ウィック・ゴッドフレイ
『アイ、ロボット』(04)『チャーリーと14人のキッズ』(03)、『フライト・オブ・フェニックス』(04)、『ホワイト・プリンセス』(04)などを製作。製作総指揮作品には『エネミー・ライン』(01)、『エイリアンVS.プレデター』(04)、『エラゴン 遺志を継ぐ者』(06)『ストレンジャー・コール』(06)などあがる。

■衣装デザイナー:マウリッツィオ・ミェノッティ
『オテロ』(86)、メル・ギブソン主演の『ハムレット』(90)でオスカーにノミネート。 フェリーニ監督『そして船は行く』(84)、バーナード・ローズ監督『不滅の恋 ベートーヴェン』、 ピーター・グリーナウェイ監督『芸術家の腹』(87)、フェリーニ監督『ボイス・オブ・ムーン』(90)、 オルミ監督“The Secret of Old Woods”(93)、トルナトーレ監督『海の上のピアニスト』(98)、 『マレーナ』(00)、ケヴィン・レイノルズ監督『トリスタンとイゾルデ』(06)(リドリー・スコット製作)などがある


■スタッフ
監督/製作総指揮:キャサリン・ハードウィック
脚本/製作総指揮マイク・リッチ
プロデューサー:ウィック・ゴッドフレイ
プロデューサー:マーティ・ボーウェン
撮影監督:エリオット・デイヴィス
編集:ロバート・K・ランバート、A.C.E.
編集:スチュアート・レヴィ、A.C.E.
衣装デザイナー:マウリッツィオ・ミェノッティ
音楽:マイケル・ダナ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://maryandjoseph.jp/

2006/アメリカ/100分/35mm/カラー/
シネマスコープ/ドルビーSRD/
原題:THE NATIVITY STORY/
字幕翻訳:戸田奈津子
配給:エイベックス・エンタテインメント