毛皮のエロス
ダイアン・アーバス幻想のポートレイト

FUR-AN IMAGIONARY PORTEAIT OF DIANE ARBUS

5月26日(土) シネマGAGA!ほか全国順次ロードショー


■ストーリー
 1958年、ニューヨーク。裕福な毛皮商人の顧客たちが、アーバスのスタジオに集まってくる。 このスタジオで、5番街の高級毛皮店兼デパート・ラセックスの最新毛皮ショーが開催されるためである。
ダイアン・アーバスは顧客たちに気を使い、ファッション・フォトグラファーである夫のアラン・アーバスに助手として付き、舞台裏ではモデルたちのスタイリストを務める。 ラセックスの経営者である彼女の両親の、娘夫婦に仕事を与えてやっているという態度が、ダイアンは気に食わない。 生まれた時から、ダイアンはブルジョワ一家の中で心の中には常に自分のいる世界に居心地の悪さと不安を感じていた。

 ショーの当日、写真スタジオが入る同じアパートの前に運送業者のトラックが止まり、 引越しの荷下ろし作業が行われていた。 家具がアパートの上階に運び込まれるのを窓から眺めていたダイアンの目がとらえたのは、奇妙なマスクで頭を覆った、 ライオネルの姿だった。ライオネルはコートを羽織り、帽子を被り、顔はマフラーとマスクですっぽりと隠し、見えるのは目だけ。 その目が、ダイアンの不思議そうな視線を見返していた・・・。

 


■キャスト
ニコール・キッドマン/ダイアン・アーバス
ロバート・ダウニー Jr./ライオネル
タイ・バーレル/アラン・アーバス
ハリス・ユーリン/デビッド・ネメロフ
ジェーン・アレクサンダー/ガートルード・ネメロフ
 





       

 

  それから2週間、この男の異形に激しく心を奪われたダイアンは、階段を下りる足音や屋根裏から聞こえる音楽など、隣人の動向にますます興味を募らせていく。やがて、ダイアンは上階に繋がる水道管を手掛かりにライオネルと交信し、ある夜、その手にアランから貰った手つかずのカメラ、ローライフレックスを携え、ゆっくりと階段を上がって行く・・・。

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■プロダクション・ノートより

 物語のベースになっているのは1984年に発刊され、ベストセラーになったパトリシア・ボズワースの伝記「炎のごとく 写真家ダイアン・アーバス」。
ダイアン・アーバスの足跡を辿るその伝記には、ニューヨークのユダヤ系ファミリーに生まれ育ったダイアンが、その後、ファッション・フォトグラファーの夫、 アラン・アーバスと出会って自身も写真家として活動を開始するが、やがてアランと袂を分かち、芸術写真家へと変貌を遂げていく過程が綴られている。
本作が切り取るのは、ダイアンの変貌の瞬間と、その後に訪れる甘美な世界。ボズワースの原作と出会って以来、映画化を夢見て来たシャインバーグは、遂に廻ってきた監督のチャンスを迷わず掴んだ。
『セクレタリー』(02)でもコンビを組んだ脚本家のエリン・クレシダ・ウィルソンに協力を仰いで、ダイアンが“なぜフリークスにのめり込んでいったのか”という究極の謎に、独自のイマジネーションを用いて肉薄している。

■ダイアン・アーバス 1923〜1971
 1923年ニューヨーク生まれ。写真家アラン・アーバスと結婚し、ファッション写真家として出発する。その後リゼット・モデルに学び、作家活動を開始、倒錯者へと被写体を移す。
 フリークスたちが具有した精神的外傷を彼女は共有し、彼らを「貴族だ」と結論。
  1967年、ニューヨークの近代美術館の「新しいドキュメント」に出品し評価を高める。1969年に夫と袂を分かち離婚、その2年後の1971年7月に大量のバルビツル酸塩を飲み、自ら手首を切って死去。

 

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 ダイアン・アーバスは、アメリカのフリークスの写真を撮ったことで知られています。
小さいころから絵が得意で、画家になっていても成功していたのではないかと言われるほど絵の才能もあったそうです。
 一方、その死の原因も含め、謎の多い人物でもあります。なかでも一番の謎が、どうしてフリークスを被写体に選んだかということ。
 今では、多くの写真家が影響されていますが、60年代という時間の中、革命的なポップカルチャーの渦の中でも、それは異彩を放っています。 大量生産という画一的なシステムが人間のものの見方にも影響を与えていた時代、 ダイアンは時代が忘れかけているものたちに、ストーレートに目が向いていたのでしょうか。
 この作品は、ダイアンの生涯を追った物語ではなく、その謎のところを捉えようとした作品です。
(JS)








■監督:スティーヴン・シャインバーグ
  『ダブル・ロック 裏切りの代償』(96)で、監督デビュー。『セクレタリー』(02)で、03年サンダンス映画祭の特別審査員賞を受賞。本作が、3本目の劇場映画となる。シャネルやミラー・ビール等のCMも手掛ける。

■ニコール・キッドマン/ダイアン・アーバス
  1967年、ハワイ出身。14歳でオーストラリア映画界にデビュー。『デッド・カーム/戦慄の航海』(88)。トム・クルーズ主演の『デイズ・オブ・サンダー』(90)でハリウッド・デビュー。同年12月、クルーズと結婚。『誘う女』(95)、『アイズ ワイド シャット』(99)、『ムーラン・ルージュ』(01)、02年『めぐりあう時間たち』のヴァージニア・ウルフ役でアカデミー主演女優賞を受賞。01年にクルーズと離婚が成立し、06年、カントリー歌手のキース・アーバンと再婚。今後の作品は、ダニエル・クレイグ共演のSFスリラー『The Invasion(原題)』(07)、『ライラの冒険:黄金の羅針盤』(07)、『Australia(原題)』(07)ほか。

■スタッフ
監督:スティーヴン・シャインバーグ
脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
原作・共同製作:パトリシア・ボズワース
製作:ボニー・ティマーマン
撮影:ビル・ポープ,ASC
音楽:カーター・バーウェル
衣装デザイン:マーク・ブリッジス

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://kegawa.gyao.jp

提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ powered byヒューマックスシネマ
原題:FUR-AN IMAGIONARY PORTEAIT OF DIANE ARBUS/2006年/アメリカ/カラー/ビスタ/ドルビーSR・ドルビーデジタル/122分 R-18

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