ボルベール<帰郷>
VOLVER

6月30日(土)TOHOシネマズ六本木ヒルズ他 全国ロードショー


■ストーリー
 のどかな日差しの中で、墓地を隅々まできれいに掃除をする婦人たち。この地方では故人を敬い、墓を大切に守ってく習慣があるという。
 10代のころ、ある事をきっかけに母を拒むようになったライムンダ。わかり合えないまま、突然の火事で母を亡くしていた彼女は、「死んだはずの母の姿を見た」という噂を耳にする。
15歳の一人娘パウラの母親役を務めながら、失業中の夫の分まで働くたくましく生きる日々。 そんなライムンダに、ある日、2つの死が降りかかる・・・。
  一大事にもかかわらず、家族を守るために動転などしていられない。 たまたま近くで映画撮影をしていたスタッフたちの食事の世話をすることになった彼女は、 打ち上げの晩に、クルーに感謝を込めて歌声を披露。母に教えられたタンゴの名曲「VOLVER(帰郷)」の歌詞に、 ライムンダの母への思慕を揺り起こされる・・・。

 


■キャスト
ペネロペ・クルス
カルメン・マウラ/ロラ・ドゥエニャス
ブランカ・ポルティージョ/ヨアンナ・コバ
チュス・ランプレアヴェ
 






       



 一方、伯母の葬儀のために故郷ラ・マンチャへ戻ったライムンダの姉ソーレは、近所の人たちの噂を耳にする。火事で死んだはずの母の姿を見かけたというのだ。隣人のアグスティナは「ラ・マンチャでは、幽霊が現れるのはよくあることだ」と語る。だが、葬儀を終えて家に帰り着いたとき、ソーレは車のトランクにたいへんなお土産が入っていることに気づく・・・。

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■プロダクションノート
「VOLVER(帰郷の意)」というタイトルには、ペドロ・アルモドバル監督自身の「帰郷」が含まれているという。故郷であるスペイン、ラ・マンチャへの帰郷。コメディへの回帰。女性社会を正面から描くことへの回帰。女優カルメン・マウラとの19年ぶりの仕事。ペネロペ・クルス、ロラ・ドゥエニャスとの再開である。

アルモドバルは「ラ・マンチャへ帰ることは、母の胸に戻ることだ」という。「脚本を執筆中も撮影期間中も、ずっと亡き母がとても近くに存在していた。この作品が良いかどうかは私が言うことではないが、この作品を製作することで、私にはたくさんの恵みがあった。」と。

また、「VOLVER(帰郷)」を完成した直後、アルモドバルは「この映画を通して、私の人生のパズルに”死”というピースをはめることに成功した」と語っている。
「今まで、その一片をあるべきところに置けなかったことで、私の人生にはずっと大きな痛みと不安がつきまとっていた。 この映画を通して、私は必要な弔い時期を過ごしたように感じている。心の中の空洞は埋められ、自分の青春期などの、とうに別れを告げるべきだった何かに別れを告げることができたのだ」

(プレス資料より)

 
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 ペネロペ・クルスのたくましく生き生きとした生きざまが魅力的。そして周りの女性たちもそれに負けない強さで人生を闊歩している。罪の隠蔽というアナーキーなにおいを漂わせながらも、それを超越してしまう人の持つパワーと故郷というモチーフをVOLVERというタンゴに託して描ききっているようです。 (JS)










■監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
1951年、スペイン、ラ・マンチャ出身。 17歳で独立。12年間、スペイン国立電話会社で秘書として働きながら、独立系劇団で演じ、8ミリカメラで映画を作った。 1980年に『Pepi, Luci, Bom y otras chicas del monton』公開。 『バチ当たり修道院の最期』(83)、『欲望の法則』(87)、『神経衰弱ぎりぎりの女たち』(87)などで国際的評価を確立。 98年の『オール・アバウト・マイ・マザー』で、アカデミー賞外国語映画賞をはじめ、60以上もの賞を受賞。 02年『トーク・トゥ・ハー』(02)。

■ペネロペ・クルス
1974年スペイン、マドリッド出身。商人の父と美容師の母の間に生まれ、14歳でモデルデビュー。スペインのナショナル・コンサヴァトリー(国立芸術院)にてクラシック・バレエやスペイン舞踏を学ぶ。92年『ハモンハモン』で映画デビュー。『ベルエポック』(92)。『オープン・ユア・アイズ』(97)、『ハイロー・カントリー』(98)。『美しき虜』(98)ゴヤ賞主演女優賞を受賞。00年、『ウーマン・オン・トップ』。04年にはニューヨークタイムズ紙の女優ベスト10に選ばれる。『ブロウ』(01)、『コレリ大尉のマンドリン』(01)、『バニラ・スカイ』(01)など。

■スタッフ
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
製作総指揮:アグスティン・アルモドバル
プロデューサー:エステル・ガルシア
作曲:アルベルト・イグレシアス
編集:ホセ・サルセド
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ

     

 

   


■オフィシャルサイト
http://volver.gyao.jp

 

提供:ギャガ・コミュニケーションズ× 朝日新聞社× 博報堂DYメディアパートナーズ× テレビ東京
配給:ギャガ・コミュニケーションズ powered by ヒューマックスシネマ
2006年/スペイン/カラー/シネマスコープ/ドルビーSR、ドルビーデジタル/120分