ホーム

tokyo-art.info theater >Archive



 

寺山修司没後25年メモリアル テラヤマ・プロジェクト第1弾

流山児★事務所
『血は立ったまま眠っている』

2008年2月1日(金)-11日(月)
新宿 SPACE雑遊

脚本:寺山修司
演出:流山児祥

■チケット
全席自由(入場整理番号つき) 前売り・予約:3,000円
当日:3,500円 学生割引:2,500円 

■キャスト
冨澤力(育成対象者)
柏倉太郎(育成対象者)
木暮拓矢(育成対象者)
阪本篤(育成対象者)
小林七緒
阿川竜一
平野直美
坂井香奈美
藤村一成
武田智弘
諏訪創
熊谷清正
阿萬由美
三坂知絵子(月蝕歌劇団)

■スタッフ
振付:北村真実
美術:水谷雄司
照明:金英秀
音響:松本昭
舞台監督:井村昂
協力:九條今日子 太田篤哉(SPACE雑遊/池林房 オーナー)エビス大黒舎
宣伝写真:アライテツヤ
宣伝美術:Flyer-ya
制作:米山恭子
主催:社団法人日本劇団協議会 次世代を担う演劇人育成公演
平成19年度文化庁芸術団体人材育成支援事業 
製作:流山児★事務所


■会場
新宿 SPACE雑遊
東京都新宿区新宿3-8-8 新宿O・Tビル B1F
地下鉄都営新宿線・新宿三丁目駅C5出口前
http://www.chirinbou.com/





■詳細・お問い合わせ
流山児★事務所
http://www.ryuzanji.com/

 





なぜ、国家には旗がありながらぼく自身には旗がないのだろう? 戦後の焼け跡の若者たちの反抗を描く青春ドラマ。様々な異議申し立てが噴出した60年代後半の小劇場運動の《原点》がここにある。演劇における社会性、実験性、集団性、変革への希求を浮かび上がらせる。この作品はいわゆる「新劇」の変形であり、 演劇への疑いを指し示す世界の鬼才=テラヤマの「演劇と革命」のバイブルである。
寺山修司没後25年に流山児★事務所が放つテラヤマ・プロジェクト第1弾。



『血は立ったまま眠っている』について(角川文庫解説より) 寺山修司

『血は立ったまま眠っている』は、私の処女戯曲であり、1960年に「文学界」に発表され、浅利慶太の演出で、 劇団四季によって初演された。「一本の樹の中にも流れている血があるそこでは血は立ったまま眠っている」 というみじかい私自身の詩から発想されたこの戯曲は、60年安保闘争との関係を省いて語ることは難しい。 私のなかにはその頃から、「政治的な解放は、所詮部分的な解放に過ぎないのだ」という苛立ちがあり、 そこがこの戯曲をつらぬく一つの政治不信となって現れている。
もちろん、処女戯曲だけに、言葉ばかりがあふれ出し、 劇であることよりは集団朗読的な様相を呈している。要するにこの戯曲ははじめから「文学」をめざしており、 そのことが決定的な弱点となっている。それでも、23歳という若年で書かれたこの戯曲に、私が愛着をもっているのは、 この戯曲の中にその後の私の演劇のあらゆる要素が萌芽しているからである。 とくに、第三幕におけるストーリーの崩壊、 人物仮面の剥離、素明かりによる虚構の異化、そして挿入される歌、雑誌記事、天気予報などのコラージュ的手法は、 天井桟敷の演劇へそのまま引き継がれていったのである。