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カルティエ現代美術財団コレクション展
Collection of the Fondation Cartier pour l'art contemporain

2006年4/22日(土)-7月2日(日) 東京都現代美術館 

カルティエ現代美術財団の大規模なコレクション展が、東京都現代美術館で開催された。 注文制作を中心とした展示・収集をとおして、同財団は1984年の創設以来、様々な国で活躍する作家を紹介してきた。 今回は、32名の作家による、絵画、彫刻、写真、映像、デザイン、大型インスタレーションなど約60点の作品が展示された。

 

         
ロン・ミュエク《イン・ベッド》2005年
In Bed, 2005
Mixed media, 162×650×395cm
(c)Ron Mueck Photo Patrick Gries
 
 


ロサンゼルス在住のライザ・ルー。カラフルなビーズを使い、ありふれた日常を再構築する。どこかアメリカンドリームを冷ややかに見ているようだが、出来上がった作品は美しい。
完成までに3年の歳月をかけ、2001年のカルティエ現代美術財団による「ポピュラーアート展」で発表された。芝生、花、テーブル芝刈り機などすべてがビーズでつくらている。制作のためにワークショップを立ち上げ、ボランティアが制作に関わっている。

 

 
'ライザ・ルー《裏庭》1995-99年
Back Yard, 1995-1999
wood, thread, papier-mache glass beads, 365.8×548.6×853.4cm
(c)Liza Lou  Photo Patrick Gries
 
ジャン=ミシェル・オトニエル《ユニコーン》2003年
L'Unicorne, 2003
Blown glass and metal, 194×70×50cm
(c)Jean-Michel Othoniel / Adagp, Paris, 2006
Photo Patrick Gries
リチャード・アーシュワーガー
《クエスチョン・マーク/3つのピリオド》1994年
Question Mark and Three Periods, 1994
(c)Richard Artschwager / Adagp, Paris, 2006
Photo Andre Morin

 

 
             
             
マーク・ニューソン
《ケルヴィン40》2003年
Kelvin 40, 2003
Aluminum and composite materials, 226.5×814×800cm
(c)Mark Newson Ltd. Photo Daniel Adric
   
パナマレンコ
《パナマ、スピッツベルゲン、ノヴァ・ゼンブラヤ》1996年
Panama, Spitzbergen, Nova Zemblaya, 1996
Steel, mixed media, 600×210×370cm
(c)Panamarenko
Photo Andre Morin
 
               


 


このほかに次の4つの作品が興味深かった。

デニス・オッペンハイム《テーブル・ピース》1975年
広い展示空間の対角線上に訳18mのテーブルが置かれ、その両端に白と黒の人物モデルが座り、それぞれから意味不明の言葉が発せられている。モデルは作者の分身。音と作品サイズに圧倒されながらも、どこか、ささやかな普遍的テーマを扱っているようで興味深い。

ウィリアム・ケントリッジ《ステレオスコープ》1999年
哲学と政治学を学んだ後、アートに転向。ステレオスコープは、木炭紙にドローイングを重ねてアニメーション化され、夢のようなイメージが展開される。コミュニケーションの困難さをモチーフにした作品。社会的なインフラに対するむなしさを、手作業による温かみで、対峙させているかのような作品。


ボーラン・ドメルク《無題》1999年
糸、リボン、貝、パン、マッチを使ってカラフルなオブジェを作る。


アレッサンドロ・メンディーニ《プルーストの安楽椅子》2002年 ほか
1980年代、ポストモダン(インテリア、建築)の代表的な作家として多くの作品を発表した。当時から、インテリアデザインというよりはよりアートといったほうがしっくりくる作風であった。久々に観る作品は、デザインを廃したアート性を感じる。

 

 
 
主催:東京都現代美術館、カルティエ現代美術財団、日本経済新聞社
特別協力:カルティエ
特別協賛:ビー・エム・ダブリュー株式会社
後援:フランス大使館