Free as a Bird
Nest Kasten
artists statement
「どのように身の回りの環境と安定をはかって生きているのか、そしてその関係の成り立つきっかけは何なのか、また身体との境界線はどこにあるのだろう。」
という疑問をもって制作をしています。
なんでもない身の回りの家具や道具などが身体の延長線上にあり、その人を型作る一部になりうるように、わたしたちの日常は無意識のうちにも環境に支配されているところが多い。それなら何かを一から作り出すよりは今すでにあるものを見直し、ものの持つ意味を引き出すことや、それに付随して磁場のように成り立っている記憶や執着などに興味がある。
そういったことと見えないうちにバランスをとって、自己と他者、あるいは自己の中の他者というデリケートな境界線までを含む各々の距離を確認することによって、心の平衡器官を築いているのかもしれない。
日常風景を再配置し、その人それぞれが生きている物語を見直すきっかけになればと
考えている。