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福居伸宏 |
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宮内克彦 |
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見ている、見えているという思い込みほどあてにならないものはない。 写真は、ぼくらが見ている、見えていると軽んじている認識に冷水を浴びせる。 たとえば、夜の街角。 福居が撮影する夜の街角は、カメラが凝視したひとつの断片である。光を集めることによって見えているイメージを見ていると、世界を見るぼくらの目の頼りなさを痛感させられる。 写真はいつでも「静止」している。 静止した場所で撮影した写真と動いている状態で撮影した写真の決定的な違いを、ぼくらは無意識に感じている。そして、動いているはずのものが止まっていることに戸惑いを覚える。ぼくらの目は、写真によって静止した瞬間を教えられる。 ぼくらは都市に住んでいる。しかし、本当に、この目で都市を見ているのだろうか? 二人のまったく違う個性を持った写真家は、都市を「見る」ことへのこだわりにおいて共通している。彼らの作品がギャラリーの空間で対峙したとき、そこに何が立ち現れるのか。「この目」で確認したい。
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