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SICE
(Sarajevo International Culture Exchange)
サラエボ国際文化交流

文・戸田祥子

 


2003年より、ボスニア・ヘルツェゴビナ国サラエボにて毎夏、アートプロジェクトを実施しています。SICEは2002年11月日本の美術大学の学生たちによって立案され、のちに日本、ボスニア、ヨーロッパ各国の若手アーティストが参加し、企画運営を自らの手によって行っています。

民族間戦争の傷跡が未だ癒えず、経済的、政治的問題を抱えたままのサラエボに、文化活動が再び活発化していくことで、人々の精神的な沈滞に活力が生まれることを目指し、世界中から、芸術家が現地滞在しながら、サラエボ市民との恊働を通し、地域を巻き込む形で進められるアートプログラムです。

 

 

 
   

 Life Style
 
 
<民族、人種、分野が混在する共同生活、共同運営>

 
       
SICEでは、毎夏プロジェクト期間の約一ヶ月間、サラエボ市内に家を一軒かりうけ、様々な国から来た参加者は共同生活を行います。そこでは、サラエボの近隣住民の方々や文化圏の異なる参加者たちは、衣食住に関するルールから、展覧会のアウトラインまでを共に話合い作り上げます。そこで築かれたライフスタイルがこのアートプロジェクトの出発点となります。
この3年間で、参加者の出身国は、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアモンテネグロ、スロベニア、ハンガリー、ドイツ、オランダ、イギリス、フランス、アメリカ、日本と10カ国にのぼります。


       

 Works


<場の特性や住民との関連の中で形作られる作品たち>

       

SICE2005の3つの展覧会場




   
SICE2005では旧武器製造工場、建設途中の空き家、サラエボ冬季五輪でも使用されたスポーツセンターの一角という、3つの会場が拠点となり、同時に、サラエボの山や、墓地、空き地、路上など、サラエボの歴史と現状、文化、生活に深く関わりを持つ現実の空間においてプロジェクトが展開されました。サラエボの持つ歴史的思想的問題と生活の中での身体レベルにおける各参加アーティストが直面した体験とが作品には、意識的にも無意識的にも影響を与えます。その土地、その状況下でしか生まれ得ない独自性をもった作品を生み出します。
 
  「オープニングイベント
: Kick Off」
企画:Heiner S. Behrends
 
       
  「GOLDEN CHAIR」
: Emir Kapetanovic
パフォーマンス
 
       
  「デリシャス リバー」
共同制作作品
 
       
  「デリシャス リバー」
共同制作作品
 
       
 
「Fitter」
: Kanako Hayashi
  パフォーマンス・写真
 
       
「LIAISON BOSNA」
: Sanna Miericke 
写真

 
   
 
「PINK FLOYD」
: Sead Kadribasic
  パフォーマンス
 
   
 
 
「Tackle the wall」
: Kenji Ooi
  パフォーマンス
 
       
  「The Fire Drawing-The road to the TV tower-」
: Sohei Iwata
 
       
  「Personal Archives:My grave project」
: Shoko Toda
 
       
 
「Curtain」
: Nina Karic
 古着によるカーテン制作
 
       
「Drawing」
: Batski 絵画

 
       

  Activity

<地域に根付く活動>

   
  2004年度からSICEの展覧会場として使用している旧武器製造工場を拠点として、2005年春より、SICEに参加しているサラエボの若手アーティストが中心となりNGO Vizionarsko Drustvo が設立され、独自の活動が展開されはじめました。一つの活動がまた新たな活動を生み出していくことで、文化の活性化、文化の再耕に繋がっていきます。

 
   
Vizionarsko Drustvo 展覧会風景
 
Muhamed Begic
絵画
   
       
 
Samir Fejzovic
 インスタレーション
 
       
Jasmina Izetbegovci
平面作品
   
       
 
旧工場にてSICEミーティング風景
 
       
  サラエボ国際文化交流SICEの活動
2002 年11月 サラエボ国際文化交流(略称 SICE)実行委員会発足
2003 年 8 月 1st SICE Project "Field-Project"
2004 年 8 月 2nd SICE Project "The Sarajevo Living Room"
2005年8月 3rd SICE Project "Re_Cultivation"
2006年2月 "Transition Compound 1 in Tokyo" @ アサヒアートスクエア
2006年5月 "Transition Compound 2 in Berlin" @ Gallery Nord
2006 年 8 月"Transition Compound 3 in Sarajevo" @ Barake
 
     
     
    2006年東京アサヒアートスクエアでのドキュメント展風景  

information
「ソーシャルアート入門?アートという戦場」フィルムアート社出版に
SICEの活動が紹介されています。

表紙に作品が掲載される。
表紙上段「Peep in Sarajevo」林加奈子 
表紙下段「パーソナルアーカイブス:My Grave Project」戸田祥子

   
       
 
2006年7月22日よりSICE2006がサラエボにて行われています。
詳しい活動情報やお問い合わせはこちらからどうぞ。
サラエボ国際文化交流HP http://www.pit-arts.net/