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コネクティング・ワールド

―創造的コミュニケーションに向けて―

2006年9月15日(金)―11月26日(日)
NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]ギャラリーAほか

コミュニケーションのさまざまなあり方に対して、アートやプログラミングという視点からニューオルタナティブの可能性を提示する企画展。
音やゲーム、グーグル、ウィキペディアなどのインターネットメディアを素材として、経済、身体、ネットワークなどへの介入を試みる作品を中心に紹介。来場者は、異なるメディアやコードが「コネクティング」されていく世界の、情報のずれやノイズが創造的に転換されるプロセスを見、また、体験することになります。


     

ambientTV.NET (オーストリア/インド/イギリス)
《ambient.lounge》 2006
ambientTV.NET(Austria/India/UK)ambient. lounge 2006

オーストリア出身のマヌ・ルクシュとインド出身のムクル・パテルによるambientTV.NETは、インターネット、映像、音などさまざまなメディアを駆使するだけでなく、世界各地のアーティストとコラボレーションを行なっている。東京のために構想された《ambient.lounge》では、彼らの作品およびイルゼ・ブ ラック(ラトヴィア/イギリス)とのコラボレーション、ユハ・フースコネン(フィンランド)の作品をラウンジ形式で展示

 
         
 
 
MaSS Dev.(日本)
《MaSS (Market as Speed Spectra)》 2006
MaSS Dev.(Japan)MaSS(Market as Speed Spectra) 2006

最高で一秒間に1000近くの“tick”(売り手と買い手による合意した値段での約定)がカウントされるという電子株式取引。コンピュータディスプレイ上に 示される数字の羅列から瞬発的に判断を下し取引を行うデイトレードのログデータを抽出、その速度やリズムを音や光に変換して提示する。間断なく 高速で交換されるデータとしての金融を、地球上にはりめぐらされた反射神経系ととらえた作品。
 
         
   
ムンターダス(米国)「オン・トランスレーション」シリーズより 1996−
Muntadas(USA) from ”On Translation” series 1996−
10年来継続的に展開されている「オン・トランスレーション」シリーズより、言語・文化的な「翻訳」の問題を扱う3作品を選び、今回のために空間を特別 に構成.同じ文が異なる言語間の翻訳を経ることで変化するプロセスを見せる《インターネット・プロジェクト》(1997)、冷戦時代にロシア語−英語通 訳を務めた通訳者がCNNの番組上で当時の仕事について語る映像ドキュメント《インタヴュー》(2002)他。
 
         
 
 


デニス・オッペンハイム(米国)
「トランスファー・ドローイング」シリーズ(1971)より4点 +《フィードバック・シチュエーション》1971
Dennis OPPENHEIM(USA) Four works from“Transfer Drawing” series 1971 +A Feed-Back Situation 1971
60年代以降現在も世界的に活躍するアーティスト、オッペンハイムが70年代初頭に家族と一緒に試みた、身体を使った伝言ゲーム的作品。デニスと 息子が上半身裸になり、本人が息子の背中に描くドローイングを、息子が感知して目の前の黒板に転記していく《2ステージ・トランスファー・ドローイン グ》の他、息子から父、父から娘、父、息子、娘3人のヴァージョンを紹介。加えて父と息子が互いに背中を描きあう《フィードバック・シチュエーション》 を上映。
 
         
   
ペーター・フィッシュリ&デヴィッド・ヴァイス(スイス)《事の次第》1987
Peter FISCHLI&David WEISS(Switzerland)The Way Things Go 1987
70年代から活躍するスイスの二人組、フィッシュリ&ヴァイスによる滑稽かつスリリングな30分の映像作品。何の変哲もない椅子、ガラスビンやバケツ、タイヤなどのがらくたが、次々とドミノ倒しのように連鎖反応を起こして展開する。転げる輪、流れる泡、噴出する煙など、モノからモノへさまざまな形 でエネルギーが伝達されていく、綿密な仕掛けと偶然性が織りなす、スリリングな「パフォーマンス」。
 
         
   
ウェイン・クレメンツ(イギリス) 《un_wiki》2006
Wayne CLEMENTS(UK)un_wiki 2006
不特定多数の人によって書き換えられるオープンな辞書、「Wikipedia」で削除されたフレーズが表示される作品。
今回特別に、日本語版を制作・公開。
 
 

 
         
     
 

■インスタレーション

1.ambientTV.NET (オーストリア/インド/イギリス) 《ambient.lounge》 2006

2. エキソニモ(日本)《OBJECT B》 2006
一人称の戦闘ゲームを改造したVR+ロボットによるインスタレーション

3. MaSS Dev.(日本)《MaSS (Market as Speed Spectra)》 2006

4. ムンターダス(米国)「オン・トランスレーション」シリーズより 1996−

5. 毛利悠子+三原聡一郎(日本)《ヴェクサシオン−c.i.p.(コンポジションインプログレス)》 2005
 エリック・サティが19世紀末に作曲した、840回同じフレーズを反復する特異なピアノ曲「Vexations」を、コンピュータを介した自動的なループシステムとして展開する作品

6. ロバート・デイヴィス+ウスマン・ハック(イギリス)《Evolving Sonic Environment》 2006
 スピーカー、マイク、電子基板で構成されたユニットが12基天井から吊り下げられ、各ユニットから発される異なった周波数のサウンドが、相互にコミュニケーションし均衡をとることで、空間全体が繊細な音の生態系を成立させている。観客は空間内を自由に動くことで音環境に干渉し、新たな音の生態系を生み出すトリガーとなる。部屋の外では周波数の微妙な変化がプロジェクションで表示される。

 
■映像作品


1.デニス・オッペンハイム(米国)「トランスファー・ドローイング」シリーズ(1971)より4点 +《フィードバック・シチュエーション》1971

2.マヌエル・サイズ(イギリス/スペイン)《特殊技術者求む:ルイス・ポルカルの穴》 2005
 作品タイトルは、映画「マルコヴィッチの穴(原題:「Being John Malkovich」)に由来する。マルコヴィッチの頭の中に他人が侵入し彼を操る、という内容のこの映画を伏線に、スペインでマルコヴィッチの吹き替えを担当するルイス・ポルカルが自分の立場について語り、そのインタビューが本物のマルコヴィッチによって英語に吹き替えられた作品。言葉を介した、アイデンティティへの相互侵入的なコミュニケーションを扱う

3.ペーター・フィッシュリ&デヴィッド・ヴァイス(スイス)《事の次第》1987


■オンライン作品

1.ギャヴィン・ベイリー+トム・コービー(イギリス)《cyclone.soc》2005
 人々のテキスト・コミュニケーションが、気象データのシミュレーション・ソフトウェアを介して視覚化される作品

2.UBERMORGEN.COM+アレッサンドロ・ルドヴィーコ+パオロ・キリオ
(オーストリア/イタリア)《GWEI−Google Will Eat Itself》 2005
 Google AdSenseを利用していくつかの隠れたサイトに広告を掲載、クリックされる毎にサイトに入る利益でGoogle.comの株を購入するプロジェクト

3.ウェイン・クレメンツ(イギリス) 《un_wiki》2006

 
 
     
 
■特別展示
gooの検索キーワードストリーミング
ポータルサイトgooで検索されているキーワードを、リアルタイムで見ることができます

■ワークショップ作品
タノタイガ(日本)《チャットDE似顔絵》2006

■関連企画
1.トーク
9月16日(土)午後2時より「ミート・ザ・アーティスト」

2.シンポジウム
9月17日(日)午後3時より シンポジウム「コネクティング・ワールド」
パネリスト:池上高志(複雑系科学/東京大学大学院助教授)他.
「コネクティング」していく世界、その意味そして可能性をアート、科学、社会学など領域を超えて人々が語り合います
会場:ICCギャラリー
定員:150名(当日先着順)
*英語スピーカー出演の場合、日英同時通訳付
入場料:無料(企画展をご覧になる場合は、別途入場料が必要です)

3.ワークショップ
10月7日(土)―9日(月・祝)午後2時―5時
タノタイガ《チャットDE似顔絵》
オンライン・チャットを通して、アーティストがあなたの似顔絵を描きます
会場:ICC特設会場
定員:各日9名(先着順)、参加料:無料

4.クロージング・イヴェント
11月24日(金)―26日(日)午前10時―午後6時
毛利悠子+三原聡一郎《ヴェクサシオン−c.i.p.@東京オペラシティ》
展覧会最後の3日間,Midiピアノによる840回通しの自動演奏パフォーマンスを東京オペラシティ内で行います
会場:東京オペラシティ2F
 

     
お問い合わせ・詳細:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
http://www.ntticc.or.jp/