|
(部分) |
||
まず、このタイトル『昔々あるところに、魚駐車というプロジェクトがありました』、 ちょっと不思議です。作品の中に魚の造形があるわけではなく、駐車場があるわけでもない。難解? どうもこれは観る人が自由に想像したり、連想を膨らませるための装置やきっかけのようなものに思えてきます。 たとえば、『シリコン散歩ルーラー』(作品7)。ちょうちんあんこうのような、すーっと伸びたアンテナ状のものがありますが、体を思わせるFRPのテーブルには、そりの脚のようなものがついています。そうすると、これはどこかへ行くための移動装置?よく見ればレバーのようなものや荷台のようなパーツも。ああ、これに乗ってどこかへいけるんだ!そう思えてきます。じゃ、どこへ?それは、観る人の想像の中の世界でしょうか。 |
では、そんな想像を膨らませるてがかりは、機能を連想させるパーツにあるのでしょうか。『ちょっとっつ』(作品2)には、金属の器状のものの内側にクリーム状のものが塗られています(実際はワックス)。ほかにも綿やフェルトといった柔らかい素材が。クリームは皮膚の保湿や傷口の保護をイメージできるし、柔らかい布は体を保護したり、接触を和らげるといったイメージが浮かびます。 そして、『膨張した... 』(作品10)では、素材であるレジンのピンク色が人の体の一部を連想させます。そう、連想と生理的な感覚がからみながら、その人のもっている記憶やイメージを広げていく。そこに魅力があるのではと思えるのです。でも、これはあくまでも1つの受け止め方。 「マテリアルは私にとって磁石なんです。」と、土屋さんは言います。「意図的に形を作り始めるわけではありません。自分では理解してない状態で作り始めます。どうしてこういう形になったかは思い出せない。なんとなく形になったところで、作品が終わります。コントロールしているけど、同時にしていないんです。」とも。 この言葉の中に制作の秘密があるのだと思います。きっと、素材や記憶にある声を聞き分けながら、必要なところに必要なものを位置させているのではと。(JS) |
||
1. 60x79x49cm |
|||
2. ちょっとっつ little by little diam. 24x4cm |
|||
3. “...んんん...” “...mmm...”
13x36x36cm 4. “...へぇ...” “...hee...” 5. “...はぁ...” “...haa...” |
|||
6. 95x64x36cm |
|||
7. シリコン散歩ルーラー Silicon SANPO Ruler 90x187x113cm(table size) |
|||
8. ぐにゃぐにゃ伸ばしたり縮めたりして動かします GUNYA GUNYA NOBASHITARI CHIJIMETARISHITE UGOKASHIMASU 17x173x47cm |
|||
9. “あれ...?” “alee...?” 92x20x22cm |
|||
10. 膨張した... Has been expanded... 142x71x44cm each, installation width 214cm |
|||
11. 無題 untitled (部分) |
|||
会場レイアウト |
お問い合わせ・詳細 |
|||||||