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コントロール
CONTROL

A FILM BY ANTON CORBIJN

2008年3月15日(土)、シネマライズほか全国順次ロードショー


■ストーリー
  ドアーズ、ヴェルヴェット・アンダーグランド、ロキシー・ミュージック、デヴィッド・ボウイ。彼らのポスターや切抜きが壁一面に貼られた部屋。16歳のイアン・カーティスはベッドに寝そべり、タバコを吸いながら音楽に浸る。
1970年代、イングランド北東部、マックフィールド。活気のない小さな街で、彼は音楽に人生を捧げようと心に誓う。

 この年、イアンはデボラと出会う。デヴィッド・ボウイの「Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」のコンサートに行ったふたりは恋に落ち、結婚する。19歳で家庭を築いたイアンは、地元の職業安定所で働く。

 1976年、セックス・ピストルズの伝説的なマンチェスター初ライブが行われる。集まったのはわずか42名。このコンサート会場でイアンは、バーナード・サムナーとピーター・フックらと出会う。彼らはイアンを変わり者と揶揄しながらもワルシャワというバンドを結成する。

 マンチェスターを中心に活動していたが、同名のバンドがあったため、グループ名をジョイ・ディヴィジョンに変更する。率直にものを言うロブ・グレットンが彼らを見出し、マネージャーになる。バンドは勢いを増し、テレビ番組「グラナダ・リポート」のホスト、トニー・ウイルソンをイアンは挑発し、出演するきっかけを作る。番組に出演するだけでなく、ウイルソンは彼らと“ファクトリー”レーベルの契約を結ぶ。

 


■キャスト
イアン・カーティス/サム・ライリー
デボラ・カーティス/サマンサ・モートン
アニーク・オノレ/アレクサンドラ・マリア・ララ
フッキー/ ジョー・アンダーソン
バーナード・サムナー/ ジェームズ・アンソニー・ピアソン
スティーヴン・モリス/ハリー・トレッダウェイ
トニー・ウィルソン/クレイグ・パーキンソン
ロブ・グレットン/トビー・ケベル
イアンの父/リチャード・ブレマー
 



       

 

 しかし、生計を立てなければならないという厳しい現実から、イアンは職業安定所で働き続ける。ある日、安定所に訪れた若い女性が、彼の目の前でてんかんの発作を起こす。これが、「She's Lost Control」の着想となる。

 1978年、ロンドンでの初ライブからの帰り道、イアンは原因不明の発作に見舞われ、病院に担ぎ込まれる。てんかんと診断された彼は、職業安定所で発作を起こした女性に電話をかけるが、先の見えない不安を抱えることになる。

 翌年、ジョイ・ディヴィジョンが最初のアルバム、「Unknown Pleasures」をレコーディングしているときに、デボラが娘ナタリーを産み、イアンは父親となる。

 今や、彼らのライブは激しい熱狂の渦に包まれていた。新しい家庭生活が始まったにもかかわらず、イアンはバンドにインタビューしてきたベルギー人女性アニーク・オノレに惹かれる。一方で、イアンは妻デボラに対してどんどん無関心になる。ヨーロッパツアーが始まると、アニークを同行させてしまう・・・

 

※   ※   ※


       
 




       


■プロダクション・ノートより

原作との出会い:オライアン・ウィリアムズ
プロデューサーのオライアン・ウィリアムズが、10年前にとある書店で「タッチ・フロム・ア・ディスタンス」という本を買ったときだった。これは、ジョイ・ディヴィジョンのなぞに満ちた悲劇のリードシンガー、イアン・カーティスのあまりにも短い一生を未亡人のデボラ・カーティスが伝記としてまとめたものだった。
・・・この本が特に興味深いのは、ジョイ・ディヴィジョンの歌手イアンの苦悩に満ちた心情に対する個人的な洞察があることだ。わずか23歳にして彼を自殺に追い込んだ重度のうつ病、拭いきれない罪悪感、健康障害など複雑な自殺の要因をひとつひとつ明らかにしている。

イアン・カーティス役は誰に?
映画の信憑性を保つために最も重要だったのは、イアン・カーティスのキャスティングだった。
プロデューサーの意図は、どこにでもある伝記映画を作ることではなく、歌手イアン・カーティスに雰囲気が似ていて、彼のスピリットを持っている役者を選ぶことにあった。

・・・リーズ出身のサム・ライリーは、青年時代にTVや劇場でわずかな演技経験があったが、そのころ彼のエネルギーは音楽に集中していた。彼の率いるバンド“10000 Things”は、初アルバムのリリースでメジャーレーベル契約をしたが、リリースが1年遅れ、まもなく契約が解除された。その結果、サムは生計を立てるために地元リースの工場で、シャツを畳む仕事をしていた。
「最初に俳優をやったころ、ミュージシャンをやりながら、同時にTV番組のオーディションを受けるのは大変なことで、両立できませんでした」と語るサムは、バンドの失敗に幻滅していたという。「そこに、もう5年も音沙汰なかったエージェントから電話があって、初めに出た話が『コントロール』だった。信じられませんでした」

・・・「最初にアントン監督から求められたのは、アイコン的ミュージシャンを演じることについての感想でした。僕は彼をそう考えたくはありませんでした。彼はごく普通の人間でした。人々を魅了してきたのは彼が若くして死んだことです」とサムは語る。

・・・サムはアントン監督の意図をこう結論付ける。「アントンは物語の中心が若者たちの愛と家族生活であることを主張していました。彼はこの物語でジョイ・ディヴィジョンや彼らの出世物語を二次的なこととして扱いたかったのです」。

Q:イアン・カーティスのキャスティングについて、プレッシャーは感じましたか?
アントン・コービン:

はい、そのとおりです。怖いプレッシャーでした。通常、キャスティングは有名な俳優から始めます。私は2〜3人の有名な俳優に打診しました。それから、ロンドンとイングランド北部で多くのキャスティングを行い、たくさんのテープを見ました。そして、サム・ライリーが出ているテープと出会ったのです。彼には、ジョイ・ディヴィジョンとともに過ごした時間を考えさせる何かがありました。
私が1970年代の終わりに英国に来た時、無一文で、貧しい服装をして、充分に食事も摂れない多くのミュージシャンの卵たちは、街頭に立ちつくしてたばこを吸っていたものでした。サム・ライリーはまさにそんな感じで、痩せていて、お金がなく、同じようにたばこを吸っていました。イアン役を演じられる俳優というだけでなく、まるで1970年代の人間のような感じ方を持っていたので、彼こそがうってつけの俳優だと感じました。彼に俳優経験があまりないこともわかっていたので不安もありましたが、そんな時ケン・ローチ監督の『ケス』について考えたのです。あの少年の純真さが好きなんです。なぜなら彼は荷物を持っていないからです。
サム・ライリーにも同じことを望みました。無経験の人間は、素晴らしい誠実さと現実主義を持っています。サムは、間違いなく熱心にイアン役に取り組み、すべてを捧げました。


 
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ニュー・オーダーの前身、ジョイ・ディビジョンのイアン・カーティス。イアンの青春を写真家アントン・コービンが初監督作としてモノクロームの映像で綴った。原作は、妻であったデボラ・カーティス著『タッチング・フロム・ア・ディスタンス』。
アントン・コービンがイアンやニューオーダーのポートレートを撮影していたこともあり、彼にしか作りえない作品となった。脚本家のマット・グリーンハールが、デボラとアニークを直接取材するなど、リアリティを重視している。イアン役のサム・ライリーのプレイはストレートに迫ってくる。 (JS)






CONTROL
A FILM BY ANTON CORBIJN


■監督::アントン・コービン
1955年オランダ、ストライエン生まれ。高校時代に音楽を通じて写真に目覚め独学で写真を学ぶ。
被写体としてきたアーティストは、キャメロン・ディアス、マイルス・デイヴィス、ナオミ・キャンベル、ジョニ・ミッチェル、ボノ、ロバート・デニーロなど。83年以降は、U2、ジョニー・キャッシュ、ニルヴァーナ、メタリカ、など約80点に及ぶミュージックビデオを監督。今作品で映画監督デビュー。



■スタッフ
監督:アントン・コービン
プロデューサー:オライアン・ウィリアムズ/アントン・コービン /トッド・エッカート
共同プロデューサー:デボラ・カーティス/トニー・ウィルソン
原作:デボラ・カーティス
脚本:マット・グリーンハール、協力:ニュー・オーダー
撮影:マーティン・ルーエ
美術:クリス・ループ
衣装:ジュリアン・デイ
音楽監督:イアン・ニール

原作本: デボラ・カーティス 『タッチング・フロム・ア・ディスタンス』(蒼氷社刊)



     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://control-movie.jp
UK:
http://www.controlthemovie.com/

(C)Northsee Limited 2007

2007/イギリス、アメリカ、オーストラリア、日本 /
35mm/119分/シネマスコープ/B&W
配給:スタイルジャム

     


■PHOTO EXHIBITION by Anton Corbijn

Paul Smith SPACE GALLERY
https://www.paulsmith.co.jp/space/gallery/index.php
2008/1/10(木)-1/15(火)
11:00-20:00
1/11(金)は11:00-17:00
定休日:水曜
東京都渋谷区神宮前5-46-14

U2、デヴィッド・ボウイ、ビョーク・・・
世界のロックシーンを撮り続けたフォトグラファー、アントン・コービンの世界