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エリザベス:ゴールデン・エイジ
ELIZABETH:THE GOLDEN AGE

2008年2月16日より日比谷スカラ座ほか全国にて公開


■ストーリー
  1585年。エリザベスは、カトリック主義を廃止してイングランド国教会首長となった父、ヘンリー8世の遺志を継ぎ、プロテスタントの女王として即位したが、国内にはカトリックを信奉するものが大勢いた。
  宗教的な対立が渦巻く国内では、エリザベスの転覆を狙う者が後を絶たない。ヨーロッパ列強もイングランドを占領しようと狙っていた。とくに、亡き姉の元夫であるスペイン国王フェリペ2世は、ヨーロッパ全土をカトリック教にする誓いを立て、ことあるごとに圧力をかけてきていた。エリザベスは、女王と結婚をして王位を獲得しようとする男たちの思惑を巧みに利用しつつ、表向きは友好な国際関係をかろうじて保っていた。その背後では、側近フランシス・ウォルシンガムがスパイ組織を指揮し、国内外の反逆の動きを睨み、陰謀の種をつぶさに発見し、摘み取っていた。

 一方、カトリック派のスコットランドの女王メアリー・スチュアートは、不義の子エリザベスの即位は不当で、自分こそがイングランド女王と主張していた。スコットランドを追われ、イングランドに逃亡してきてからは軟禁状態で暮らしているが、フェリペ2世がメアリーを女王にしようと暗躍しているのは周知の事実だった。

 


■キャスト
ケイト・ブランシェット
ジェフリー・ラッシュ
クライヴ・オーウェン
リス・エヴァンス
ジョルディ・モリャ
アビー・コーニッシュ
サマンサ・モートン
 





       

 

 ある日、新世界から帰還したばかりの航海士ウォルター・ローリーが出現する。次の航海の資金を女王から引き出そうと思っていた彼は、新世界から持ち帰った珍しいじゃがいもと煙草、スペイン海軍から奪った金貨を献上する。未知の世界の冒険談や植民地計画への夢を熱っぽく語る彼に、いつしか魅了されていくエリザベス。ローリーも、何度もエリザベスと拝謁するうちに、女王に圧倒されていく。だが、「ヴァージン・クイーン」の誓いを立てた彼女には、これ以上を望むことはできない。

 教会での厳粛な祈りの最中、エリザベス暗殺を企んだ、カトリック信者の計画がついに実行される。運命を受け入れるかのように発射の瞬間を待つエリザベス。ところが、暗殺者トマス・バビントンが放ったのは空砲だった。
  即位後も、幾度となく暗殺の危機を乗り越えてきたエリザベス。密かにカトリック派の動きを探っていたウォルシンガムがこの暗殺を指示するメアリーの手紙を入手していたものの、これほど大胆に実行に移されたのには、大きな罠があった。
  ウォルシンガムはメアリー処刑をエリザベスに進言するが、宿敵とはいえ、「従妹を殺すわけには行かない」とエリザベスは最後まで難色を示す。

 数日前には暗殺者を威嚇するほどの毅然とした姿で、銃弾にさえ倒れなかったエリザベスだったが、苦渋の決断の後、女王とは思えないほどの悲しみにくれる。彼女は、慰めにきたローリーにひとりの女としての素顔を見せるのだった・・・

 

※   ※   ※


       
 




       


■プロダクション・ノートより

製作について
 1558年、プロテスタントのエリザベスが王位に就いた時、イングランドの約半数はカトリック教徒だった。しかし、エリザベスは、「罪を犯した者は処罰をするが、犯さぬ者は保護をする。行いで民を罰しても、信念では罰しない」と、国民に対して、好きなように信仰してよいが、まず女王の臣下であれと諭した。
  この映画は、原理主義的な考えに対する寛容という、現代にも響きあうテーマを扱っているが、シェカール・カプール監督はこう信じている。「歴史を掘り下げることは、結局、私たち自身の現代の物語を語ることになる。今という時代にまったく関係のない映画を、どうして作る必要がある?」

時代のファッション・リーダーを彩るドレス
  衣装デザイナー、アレクサンドラ・バーンは、「すでにこの時代のことはよくわかっていたから、今度はただ参考資料を見るのではなくて、この時代をもっと違う角度から見て、エリザベス個人についてもっと詳しく調べることができたわ。彼女のドレスや、美に関する資料をたくさん見つけて、その驚きを現代の観客にも味わってもらいたいと感じたの。できるだけ彼女を身近に見えるようにすることでね」
  バーンが求めていたその基調となるひらめきは、スペインのファッション・デザイナー、バレンシアガの作品から訪れた。彼は1950年代の作品の意匠に様々な歴史的絵画の要素を取り込んでおり、そこにはエリザベス時代のものも含まれていた。「これは私にとって大きな飛躍となった。エリザベスは当時のファッション・リーダーだったし、これで観客に彼女をもっと身近に感じてもらえると思ったわ」

数々の名所での撮影
  撮影はロンドンのウエストミンスター大聖堂(Westminster Cathedral)で開始された。この雄大な空間はスペインのエスコリアル宮殿に生まれ変わった。
  撮影チームは次にハートフォードシャー州のハットフィールドハウス(Hatfield House)へ移った。ここは幼少期のエリザベスが過ごした館でもあり、美術チームは、ここをメアリーのチャートリー・ホール(Chartley Hall)にある私室へと代えた。チャートリー・ホールは彼女が処刑される前に一時期、幽閉された場所。

 メアリーの処刑シーンの撮影が行われたのは、ロンドンのセント・バーソロミュー教会(St.Bartholomew’s Church)である(実際に執行された場所は、フォザリンゲイ城(Fotheringhay Castle/1627年に全壊))
  また、ハンプシャー州のウィンチェスター大聖堂(Winchester Cathedral)は、セント・ポール寺院の代役として使われた(実際のセント・ポールは1666年のロンドン大火災で全焼)。撮影チームはレディ・チャペルとチャペル・ロイヤルを使用した。さらに、ここの身廊でエリザベスがスペイン無敵艦隊に対して宣戦布告するシーンも撮影した。

 このほかにケンブリッジ州のセント・ジョンズ・カレッジ(St. John’s College)。12世紀にフェン「Fen」として知られる広大な沼地に浮かんだ島のような地に建てられたイーリー大聖堂(Ely Cathedral)、サマセット州のブリーン・ダウン(Brean Down)、サマセット州、ウェルズ大聖堂(Wells Cathedral)、ウェイヴァリー修道院(Waverley Abbey)、ドーニー・コート(Dorney Court)、ペットワース・パーク(Petworth Park)など。

エリザベス女王1世 Queen Elizabeth I
イングランド女王。幼い頃に母が処刑され、私生児の烙印を押される。異母姉メアリー1世の治世時、プロテスタントの反乱に加担したとの疑いをかけられ、21歳の時にロンドン塔に幽閉される。メアリーの死後、1558年25歳で即位、「ヴァージン・クイーン」として国家のために一生独身を通すことを決意。鋭い判断力と英知で君臨し、民衆の心をとらえた。アルマダの海戦でスペイン軍に大勝利し、弱小国家だったイングランドを世界の列強と肩を並べるまでに導き、その黄金時代を築き上げた。



 
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1998年、ケイト・ブランシェットが注目を浴びることとなった「エリザベス」。9年後に発表された、続編ともいうべき本作は、ケイトの役者としての成長とエリザベスの女王としての充実ぶりがどう表現されるのかが期待される作品。
政治的に私生児の烙印を押されながらも、イングランド女王となったエリザベス女王1世が、暗殺の危機、従姉妹の処刑、開戦と、重要な局面を向かえる。
エリザベス女王1世と次のジェイムズ1世の時代、イギリス王室が世界における地位を固めていったと考えられるだけに、興味深い。 (JS)








■監督:シェカール・カプール
1945年、インド生まれ。デリー大学で経済学を専攻した後、ビルマ石油の経理を経て、映画の世界に。
  CM監督として成功した後、インドに戻り、83年に“Masoom(The Innocent)”で監督デビュー。児童映画“Mr.India”(87)、「女盗賊プーラン」(94)を監督した。「女盗賊プーラン」は世界中で物議をかもし、カンヌ映画祭で旋風を巻き起こした。初めての英語映画「エリザベス」ではアカデミー賞の7部門でノミネート。その他の監督作品は「サハラに舞う羽根」(02)。 インドでは俳優、モデル、テレビ番組の司会などで活躍。

■ケイト・ブランシェット
1969年、オーストラリア生まれ。オーストラリア国立演劇学校を卒業後、舞台で活躍。ハリウッド映画デビューは“Paradise Road”(97)。
  「エリザベス」(98)で注目を浴び、アカデミー賞主演女優賞ノミネート、ゴールデン・グローブ賞や英国アカデミー賞では主演女優賞を受賞。「アビエイター」(04)ではアカデミー賞助演女優賞。
  その他の出演映画は、“I’m Not There”(07)、「さらば、ベルリン」(06)、「あるスキャンダルの覚え書き」(06)、「バベル」(06)、「ライフ・アクアティック」(04)、「コーヒー&シガレッツ」(03)、「ミッシング」(03)、「ヴェロニカ・ゲリン」(03)、「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(03)、「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」(02)、「ヘブン」(02)、「シャーロット・グレイ」(01)、「バンディッツ」(01)、「シッピング・ニュース」(01)、「ロード・オブ・ザ・リング」(01)、「耳に残るは君の歌声」(00)、「ギフト」(00)、「リプリー」(99)、「理想の結婚」(99)、「狂っちゃいないぜ」(99)、「オスカーとルシンダ」(97)などがある。 新作に、“Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull”(08)、“The Curious Case of Benjamin Button”(08)などがある。



■スタッフ
監督:シェカール・カプール
脚本:ウィリアム・ニコルソン
    マイケル・ハースト
製作:ティム・ビーヴァン
    エリック・フェルナー
    ジョナサン・カヴェンディッシュ
製作総指揮:マイケル・ハースト
    デブラ・ヘイワード
    リザ・チェイザン
撮影:レミ・アデファラシン
プロダクションデザイン:ガイ・ヘンドリックス・ディアス
編集:ジル・ビルコック
衣装デザイン:アレクサンドラ・バーン
メイクアップ&ヘアデザイン:ジェニー・シャーコア
音楽:クレイグ・アームストロング& ARラフマーン

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.elizabeth-goldenage.jp

(C)2007 Universal Studios. All Rights Reserved.

2007年/イギリス映画/カラー/ヴィスタサイズ/DORBY-SR-D/全7巻/3,145m/1時間54分
字幕翻訳:戸田奈津子
配給:東宝東和