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ラフマニノフ ある愛の調べ
LILACS

2008年4月19日(土) Bunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマほか全国順次公開


■ストーリー
 1920年代のある夜、カーネギー・ホールでは、ロシア革命を逃れてアメリカに亡命したラフマニノフの、ニューヨークでの初コンサート
が開かれる。しかし、ラフマニノフは、ある理由を告げ演奏しないと言い放つ。
 なんとかその場をのりきるスタインウェイ。そしてラフマニノフ。人々は目の前で繰り広げられる音楽の奇跡に、破格の賛辞を贈り続けた。
 この日を皮切りに全米ツアーが始まるが、行く先々での大成功とは裏腹に、ラフマニノフは日に日に憔悴していく。
 祖国への望郷の念、そして何よりも新しい曲が生まれない苦しみ。妻のナターシャは、そんな夫を支え続ける。

ある日、ラフマニノフのもとに、贈り主不明のライラックの花束が届く。
故郷に咲き乱れるその花の甘い香りをかいだ瞬間、切なくも情熱的な愛の日々が甦る。
募る想いを込めて交響曲を捧げた年上のアンナ。革命に燃える瞳に心を奪われたマリアンナ。
花束は届き続ける。いったい贈り主は誰なのか? 
愛の記憶に導かれるように、ラフマニノフの心に新たな旋律が生まれようとしていた・・・。

 


■キャスト
セルゲイ・ラフマニノフ /エフゲニー・ツィガノフ
ナターシャ /ヴィクトリア・トルストガノヴァ
アンナ /ヴィクトリア・イサコヴァ
マリアンナ /ミリアム・セホン
 



       

 

■プロダクション・ノートより

パーヴェル・ルンギン監督インタビュー:
偉大なる作曲家ラフマニノフは、私生活の多くが秘密のベールに包まれていたため、その作品についても伝説的な話題に事欠かない。たとえば、彼のコンサートの際には一生を通してかならず、白いライラックの花束を届け続けた謎の女性がいたと言われている。
このことについては、彼の生涯と創作活動について研究してきた学者の多くが断言している事実であり、それは彼がアメリカに渡った1918年以降も続いた事実ということだ。

そんなストーリーの一つ一つに私はとても惹かれた。なので、この作品では実在のラフマニノフの人生をなぞりながら、「芸術家」とは一体なんなのか?芸術家であると同時に家庭生活を維持しなければならないとはどういうことなのか?人の心の中に音楽はどのように生まれ、そしてどのように消えてしまうのか?といった芸術家の生涯において、本人のみにわかる内なる瞬間を、彼の創作プリズムを通して示したいと思った。

物語は、ロシアの偉大な作曲家、ピアニスト、指揮者である彼の人生の異なる時代に起きた出来事や事実に、発想を得ている。単にラフマニノフの創作活動を描き出すだけではなく、彼にとって身近な、あるいは大切な人々との人間関係、そして同様に、彼の愛国心を浮き彫りにして行こうと考えた。

本作は、偉大なる作曲家の才能と、彼のインスピレーションの源について描く映画である。


       
 




       


■セルゲイ・ラフマニノフとは?
1873年ロシア-1943年アメリカ。
超絶的な技巧を必要とする難曲を生み出した、20世紀を代表する作曲家。
ドから1オクターブ上のソを同時に弾けるほどの巨大な手と卓越したテクニックで、自身の曲を完璧に演奏したピアニストでもある。

ラフマニノフは、幼少の頃から人並みはずれた音楽の才能を発揮し、12歳でモスクワ音楽学院に入学、16歳頃からすでに作曲に取り組み、チャイコフスキーとも交流を持つ。天才の最初の挫折は、「交響曲第1番」の失敗だった。酷評を浴びて自信喪失、作曲家生命の危機を迎えるが、医師の催眠療法の甲斐もあって、「ピアノ協奏曲第2番」で奇跡の復活を遂げる。1918年、ロシア革命により誕生した新体制を支持せず、故国を離れたのだ。故郷を思い出さない日は1日たりともなかったが、二度とロシアの地を踏むことはなかった。

世界中で最も愛されているのは、1901年に発表された「ピアノ協奏曲第2番」。『逢びき』(45)、『七年目の浮気』(55)などに使われ、クラシック愛好家以外の人々にも広く知られるほか、日本では、ドラマ化されたベストセラー・コミック「のだめカンタービレ」で印象的なシーンにも登場する。
また、映画『シャイン』では、「ピアノ協奏曲第3番」が、世界一難しい曲として登場している。


 
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ラフマニノフ。その音楽家の名前は誰もが聞いたことがあるが、生涯についてはあまり知られていないのではないだろうか。初めての交響曲の失敗、作曲できない苦悩、ロシア革命と亡命。これらの波乱に満ちた生涯を内面から描こうとしている。
一貫して流れるラフマニノフの音楽への姿勢と人間性に脱帽です。 (JS)








■監督:パーヴェル・ルンギン
1949年、モスクワ生まれ。
脚本家として活躍した後、90年に脚本も手がけたピョートル・マモノフ主演の『タクシー・ブルース』で、カンヌ国際映画祭最優秀監督賞を受賞、国際的にも注目される。
その他の主な作品は、『Luna Park』(92)、ヴァンサン・ペレーズ主演の『ラヴィアン・ローズ』(96)、『Svadba(英語原題:The wedding)』(99)、『Oligarkh(英語原題:Tycoon)』(02)、『Bednye rodstvenniki』(05)など。2006年、再びマモノフが主演した宗教的な映画『The Island』はヴェネチア国際映画祭のクロージング作品となり、ロシア正教の指導者アレクシス2世から称賛された。



■スタッフ
監督:パーヴェル・ルンギン
脚本:ミハエル・ドゥナエフ、ルシンダ・コクソン、バーヴェル・フィン
編集:ポール・カーリン
撮影:アンドレイ・ジェガロフ
美術:ウラジミール・スヴェトザロフ
衣装:タチヤナ・パトラハリツェヴァ
製作:ミハイル・ドゥナエフ、ジミー・ド・ブラバン、ミハエル・シュリフト、セルゲイ・シュマコフ、イラン・ジラール

■演奏
オーケストラ:スロヴァキア放送プラスティラヴァ交響楽団
コンサート・マスター:ヴィクトール・シンチスコ
指揮:アラン・ウイルソン、レニエド・ヤーノシュ
ピアノ・ソロ:トマス・ネメク、ラディスラフ・サンゾウィッツ
ヴァイオリン・ソロ:ステファン・フィラス



     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://rachmaninoff.gyao.jp

(C) 2007 THEMA PRODUCTION JSC (C) 2007 VGTRK ALL RIGHTS RESERVED

原題:LILACS
2007年/ロシア/96分/カラー/シネスコ
字幕翻訳:太田直子
配給:ギャガ・コミュニケーションズ

     


■劇中使用曲
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲 No.2
前奏曲嬰ハ短調 Op.3 No.2
前奏曲嬰ト短調 Op.32 No.12
交響曲 No.1
幻想小品集 Op.3 No.1
ヴォカリーズ Op.34 No.14
パガニーニの主題による狂詩曲

スクリャービン
練習曲 Op.8 No.12

ショパン
練習曲 Op.25 No.9