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アイム・ノット・ゼア
I'm NOT THERE

2008年4月26日よりシネマライズ、シネカノン有楽町2丁目ほか全国にて公開


■ストーリー
  詩人、映画俳優、革命家、放浪者、ロックスター・・・。実在のボブ・ディランのさまざまな人格を投影した「6人のディラン」が繰り広げる「6つの物語」。多くの謎に包まれた伝説のアーティスト、ボブ・ディランの実像に迫っていく。

アルチュール:
 ディランの詞に多く影響を与えた、19世紀フランスの象徴派詩人アルチュール・ランボー。アルチュールは、ディランが65年ごろのインタビューで答えていた言葉を引用して語り続ける。・・・他の5人のディランのバックグラウンドとして。

ウディ:
 1959年、「ファシストを殺すマシン」と書かれたギターケースを抱えた少年が貨物列車に飛び乗る。先に無賃乗車していた二人に、ウディは自分の人生を語り始める・・・
62年にデビューを飾る前、ディランは、ウディ・ガスリーをはじめとするフォークやブルースシンガーの歌をコピーし、ソングライティングの技術を学びながら、アメリカ各地を旅する。

 


■キャスト
ジャック、ジョン牧師/クリスチャン・ベイル
ジュード/ケイト・ブランシェット
ウディ/マーカス・カール・フランクリン
ビリー/リチャード・ギア
ロビー/ヒース・レジャー
アルチュール/ベン・ウィショー
クレア/シャルロット・ゲンズブール
アレン・ギンズバーグ/デヴィッド・クロス
ブルース・グリーンウッド/キーナン・ジョーンズ
アリス・ファビアン/ジュリアン・ムーア
ココ・リビングストン/ミシェル・ウィリアムズ
 





       

 

ジャック、ジョン牧師:
 ジャック:60年代初頭、ニューヨークのグリニッチ・ヴィレッジで、プロテスタンント・フォークシンガーとしてデビューをしたころのディラン。彼はアリス・ファビアン(ジョーンバエズがモデル)と共に、フォークシーンの中心になっていくが、支援者たちの集まりのスピーチで過激な発言をしてしまう・・・
 ジョン牧師:それから約20年後。70年代後半〜80年代前半、再生派キリスト教会(ボーンアゲイン・クリスチャン)で洗礼を受け、聖書の物語に傾倒していたころのディラン。礼拝中の説教壇に上がり、賛美と共にゴスペルを演奏する・・・

ロビー:
 ディランの人生に大きな影響を与えた2人の女性、スージー・ロトロと元妻サラとの関係を、映画俳優ロビーとして描く。

ジュード:
 アコースティック・フォークと決別し、ロックへと転身する65〜66年ごろのディラン。ロックへと転向した彼を、ファンは素直に受け止めない。賛否両論がおこり、66年にイギリスで行われたライブでは、演奏中に1人の観客が「ユダ!」と叫ぶ事件が起こる。
ドラッグによる睡眠不足と、誰からも理解されない孤独感は、少しずつジュードの精神と肉体を蝕んでいく・・・

ビリー:
 66年のオートバイ事故の後、ニューヨーク近郊のウッドストックに身を隠すようにこもり、隠遁生活を送っていたころノディラン。

 

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■プロダクション・ノートより
インタビュー/監督 トッド・ヘインズ

この作品を撮るにあたって、どんな準備をしたんですか?

「ディランの作品がどうやって作られたかを調べたよ。彼の歌を聴いたり、執筆物を読んだり、インタビュー映像や映画を見たりしたし・・・彼について出版されている本はすべて読んだよ。でも、そういった本を書いた人に取材はしなかった。“本物のディラン”や“真実のディラン”を探すために書かれた伝記は、どれも失敗しているように思えたからね。ディランの真実を描くには、“フィクション”を通して描かなくてはいけない、と思っていたんだ」

本作は、ディランがこれまでに製作を許可した唯一の伝記映画です。どうやって彼にこのプロジェクトを説明したんですか?

「今回の冒険を通して、僕自身がディランと会ったり話したりすることは、一度もなかった。・・・そうする必要性を感じなかったからね。その一方で、マネージャーのジェフ・ローゼンとはすごく親しくなったし、彼はこのプロジェクトに最初からすごく協力的だった。
ディランの長男で、ロサンゼルスに拠点を置くインディペンデント映画監督のジェシーを通じて、僕とプロデューサーのクリスティーン・ヴァションが2000年の夏に最初にアプローチした相手がジェフだったんだ。
ジェフはこちらの投げかけに対して、ディランを“天才”だとか“現代を代表するシンガー”とは形容しないように注意をしてくれた上で、1枚の紙にコンセプトをまとめるように言ってきた。僕らがコンセプトをまとめた用紙と、僕の過去の映画のビデオをいっしょに送ったら、数ヵ月後に、ディランから“イエス”という言葉が返ってきたんだ。未だにまだ、自分でも信じられないんだけどね」

ディランのさまざまな側面を描くにあたって、6人の俳優を起用するというアイデアはどうやって生まれたんですか?

「ディランについてリサーチを進めていくうちに、彼の内面に起こった変化を発見していったんだ。彼の人生を特徴づけているのは、アーティスティックな変化の連続だからね。
ディランの人生の真実を表現するたったひとつの手段は、それをドラマ化すること――彼の人生と作品を濾過して、別々の人格を浮き上がらせて、それぞれを物語に仕立てることだと思ったんだよ」



 
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ボブ・ディランの名前も本人も登場しないが、ボブ・ディランを捉えようとした映画。
ディランをヴィジュアル的に最もイメージできるのが、意外なことに女性のケイト・ブランシェット。
人の内面や行動はどこから来るのか、私たちが、ボブ・ディランというアーティストにもっている概念を大きく拡張してくれます。
彼の伝記作品として期待すると、あてが外れるかもしれませんが、彼とその時代を理解する上で新しい発見の多い作品です。 (JS)







■監督:トッド・ヘインズ
1969年、カリフォルニア州生まれ。80年代の半ばに自主制作で短編映画を作りはじめ、87年、すべての登場人物をバービー人形を使って描いた作品「Superstar:The Karen Carpenter Story」を発表。(一般未公開)
91年、『ポイズン』で長編デビュー。94年『Safe』(日本版タイトル:ケミカル・シンドローム)。97年『ベルベット・ゴールドマイン』でカンヌ映画祭芸術貢献賞受賞。02年『エデンより彼方に』。

■ボブ・ディラン
1941年、ミネソタ州ダルース生まれ。本名ロバート・アレン・ジマーマン。62年にアルバム「ボブ・ディラン」のデビュー以降、45年以上にわたって活動を続けている。これまでに売り上げたアルバム数は1億枚を越える。
88年に“ロックンロール・ホール・オブ・フェイム(ロックの殿堂)”入り。
ローリング・ストーン誌の“The RS 500 Greatest Songs of All Time ”(2004) に“Like a Rolling Stone”が1位。
同誌の02年選定の現代の最も偉大なアーティストランキングで2位。

■スタッフ
監督:トッド・ヘインズ
脚本:トッド・ヘインズ、オーレン・ムヴァーマン
音楽スーパーバイザー:ランダル・ホスター、ジム・ダンバー
撮影:エドワード・ラックマン
美術:ジュディ・ベッカー
衣装:ジョン・ダン
ヘアメイク:ピーターソード・キング、リック・フィンドレーター
音楽:ボブ・ディラン
製作:クリスティーン・ヴァション、ジェームズ・D・スターン、ジョン・スロス、ジョン・ゴールドウィン
製作会社:キラー・フィルムズ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.imnotthere.jp

(C)2007 VIP Medienfonds 4 GmbH & Co.KG/All photos-Jonathan Wenk

2007年/アメリカ/カラー、モノクロ/スコープサイズ/136分/映倫PG-12
字幕翻訳:石田泰子
字幕監修:菅野ヘッケル
配給:ハピネット/デスペラード