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美しすぎる母
Savage Grace

2008年6月7日(土)、Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー


■ストーリー
  天性の社交家であったバーバラは、ベークライトの発明で財を成した、大富豪ベークランド家の跡取りのブルックスと結婚し、貧しい生活から抜け出した。

毎日ように社交会を渡り歩いてはその人脈を広げ、華やかで刺激的な上流社会の生活を謳歌していたバーバラは、ブルックスとの間に待望の息子アントニーを授かり、アントニーは可愛らしくすくすくと成長していく。

 1967年、ベークランド家は多くの芸術家が好んで暮した地中海の港町、スペインのカダケスに住まいを移していた。
海辺で煙草をくゆらしては、眼についた女性に声をかけ、気の合う仲間とふざけあうアントニーの姿は、とても魅力的である。
そしてカダケスの海辺にあるレストランで会話をするベークランド家の姿は、一見、仲睦まじくきらびやかな家族であった。
しかし、アントニーはバーバラの上流志向に嫌悪感を表し始め、ブルックスはバーバラに冷たい視線を送る・・・幸せだったはずのバーバラの人生、ベークランド家の家族の絆は、すでに綻び始めていた。

 


■キャスト
バーバラ・ベークランド/ジュリアン・ムーア
ブルックス・ベークランド/スティーヴン・ディレイン
アントニー・ベークランド/エディ・レッドメイン
ブランカ/エレナ・アナヤ
ブラック・ジェイク/ウナクス・ウガルデ
ピラール・デュラン/ベレン・ルエダ
セス/ヒュー・ダンシー
 




       

 

 1968年、バーバラは知り合いのジェイクを迎えるためマジョルカ空港にいた。
しかしそこで彼女は衝撃的な光景を目にする。
なぜか空港にいる夫のブルックス・・・その横にいたのは息子アントニーの彼女ブランカ。

取り乱し、心の底からの罵声を2人に浴びせ、泣き崩れるバーバラ。
心の拠り所を失ったバーバラは、パトロンのサムとの心ない情事、自殺未遂と、可憐だった面影はなく、地に堕ち始める・・・

※   ※   ※


       
 




       


■プロダクション・ノートより

監督トム・ケイリン インタヴュー
Q.『美しすぎる母』を監督しようと思った最大の理由は何ですか? 以前、監督された『恍惚』もそうでしたが、本作も最後には殺人に至ってしまう"タブー"の愛の物語です。なぜでしょう?

プロデューサーのクリスティーン・ヴァションが、何年も前にナタリー・ロビンズとスティーヴン・M・L・アロンソンが書いた原作"Savage Grace"を読むようにくれました。ベークランド一族の物語の核心にある真実に衝撃を受けました。物語の持つ、古典的な悲劇の要素に釘付けになったんです。優美さと暴力性という相反する組合せを持ち、悲劇的で美しかった。でも映画中では恐ろしいクライマックスとして描かれているバーバラの死は、彼女の物語のほんの一部分でしかない。彼女のいかにもアメリカ人らしいキャラクター(生まれながらにギャンブラー気質で、自力でのし上がろうとする1940年代の女性)や、きらめく栄光と破滅的な落ちぶれ方には、優れたドラマの要素が含まれていた。『美しすぎる母』では、まず核心にある謎について考えました。「母親を殺したのは息子トニーの責任なのか? それとも実質的にはバーバラが、歪んだナルシズムでトニーに自分を殺すようにしむけたのか?」



 
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プラスチックの生みの親といわれる、ベークライトを発明したベークランド家の3代に渡る物語の最後の部分を描いた作品。現代に通じる、母と息子の関係、上流社会への羨望と挫折など興味深い。 (JS)








■監督:監督:トム・ケイリン

1962年イリノイ州シカゴ生まれ。84年、イリノイ大学で絵画の美術学士号を、87年にザ・スクール・オブ・ジ・アート・インスティトゥート・オブ・シカゴで写真とビデオの美術学修士号を取得。88年ホイットニー美術館のインディペンデント・スタディ・プログラムで研究生として学ぶ。
92年に『恍惚』で映画監督デビュー、サンダンス映画祭に公式出品され15ヶ国以上の国で公開され、ベルリン国際映画祭カリガリ賞、teddy賞、ゴッサム賞オープン・パルム賞、ストックホルム映画祭国際批評家連盟賞、インディペンデント・スピリット賞監督賞と新人作品賞などを受賞。その後、"Nation"(92)、"Geoffrey Beene 30"(93)、"Nomads"(94)、"Plain Pleasures"(96)、"Third Known Nest"(99)、"The Robots of Sodom"(03)などを監督。シンディ・シャーマン監督作『オフィスキラー』(97)で脚本を手がけた。
映画やビデオはパリのポンピドゥー・センター、ニューヨーク近代美術館に永久保存されている。
エイズ活動家グループであるグラン・フューリーの創立メンバーでもあり、ロサンジェルスのMoCA、ベルリンのネウ・ゲセルシャフト・ファー・ビルデンド・クンスト、ニュー・ミュージアム、スタジオ・ミュージアム・オブ・ハーレム、スコットランドのトラムウェイズなど様々な団体とビルボード広告、バス広告、ポスター、そして街の公共プロジェクトを世界中で制作している。



■スタッフ
監督:トム・ケイリン
脚本:ハワード・A・ロッドマン
原作:"Savage Grace" ナタリー・ロビンズ、スティーヴン・M・L・アロンソン
撮影:フアン・ミゲル・アスピロス
プロダクション・デザイン:ビクトル・モレロ
編集:トム・ケイリン ジョン・F・ライアンズ エナラ・ゴイコチェア
衣装デザイン:ガブリエラ・サラヴェッリ
オートクチュール衣装:ディディエ・リュド
音響:フアン・ボレル ベラ・ダ・コスタ ハイメ・フェルナンデス
オリジナル楽曲:フェルナンド・ベラスケス
製作:イケル・モンフォルト ケイティ・ルーメル パメラ・コフラー クリスティーン・ヴァション

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.utsukushisugiru.com/

2007年スペイン=フランス=アメリカ/ドリーマシーン製作/カラー/1時間37分/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル
日本語字幕:松浦葉子
配給:アスミック・エース
(R18)

(C)Lace Curtain, Monfort Producciones and Celluloid Dreams Production