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水の中のつぼみ
Naissance Des pievres

2008年6月28日 渋谷Q-AXシネマにて公開


■ストーリー
  少女のざわめきが聞こえるプールの控え室。シンクロナイズド・スイミングの競技会に出場する小さな選手たちが衣装を整え、振付を練習している。 マリーは、親友の同級生アンヌを応援するためにここに来ていた。 アンヌたちのつたないシンクロの演技にうんざりしたマリーが、観客席を去ろうとしたとき、プールでは上級生たちの華やかな演技が始まった。目を輝かせて見入るマリー。 一人の少女の瞳に映ったのは、ジュニア・クラスの中でもひときわ華やかなフロリアーヌだった。

  一方、着替えをしていたアンヌは、間違ってドアを開けた男子部員のフランソワに見られてしまう。
 こうして、同じ日にマリーとアンヌのそれぞれの恋が始まる。 フロリアーヌに「練習を見せて欲しい」と懇願し、やっとのことで練習を見ることができるのだが、マリーはいいようにフロリアーヌに使われてしまう。

 


■キャスト
ポーリーヌ・アキュアール
アデル・ヘネル
ルイーズ・ブラシェール
ワレン・ジャッカン
 



 



       

 

 男たちと戯れるフロリアーヌの姿を見るたびに胸の痛むマリー。しかし、遠征に同行させてくれたり、優勝のメダルをくれたりする彼女といると、どうしても言われたとおりに行動してしまう。
 ある日、また、フランソワとのデートに付き合わされたマリーは、フロリアーヌから、誰にもいえない秘密を打ち明けられる・・・

 

※   ※   ※


       
 




       


■プロダクション・ノートより

少女を描くためのさまざまな不在

「思春期とは、いわば縛りのない世界です。その世界の内側で感じられる強迫感とは、あくまで属している周りの大人社会に拠っていて、しかも陳腐で反抗的なかたちを取っているもの。
そんな話は、この映画のスタンスではない。思春期の肌の下まで潜り込み、内側から仔細に見たい。大人は敵、というのはあまりに明らかで語りつくされた話」

「男子があまり姿を見せないし、ほとんど言葉も発しないのは、少女たちにとって彼らはもともとわけのわからない極めて異質な存在だから。お喋りの相手でもなければ、往々にして話しかけてもこない対象なのです。」
少女についての映画がほとんどそうであるように、男性の視線で描かれた興味本位な大いなる幻想も避けようという意図が映画の雰囲気を支配している。
ノスタルジーや、初体験のドキドキも登場しない。10代独特の残酷さを内側から描くという点に狙いがあったからだ。
「典型的なカミングアウト映画や、法や大人との闘いを描く映画には興味なかった」と言うとおり、同性愛をめぐってのありきたりな言及もばっさりと捨てられた。
また、少女=お喋りというティーン映画の伝統に抗っており、そんな少女の姿も見られない。台詞はつねにアクションを導くきっかけとして、行間を活かす最小限なかたちで配置されている。

 
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パリ近郊の新興住宅地のひと夏を舞台に、少女たちが一気に女になる。原題は『蛸の誕生』。シアマ監督が、思春期の揺らぎや残酷さを、少女たちの内側からのリアルな視点で描く。時間のない絵画を観ているような作品だ。 (JS)






■監督:セリーヌ・シアマ
パリ郊外生まれの29歳。「水の中のつぼみ」が初監督作品。
フランス文学の修士号を取得した後、名門・フェミス映画学校の脚本コースに学ぶ。卒業制作として執筆した脚本「水の中のつぼみ」がコンクールで最優秀脚本賞を受賞、それまで監督の経験がまったくないながら、指導教官やプロデューサーに薦められ、自ら本作のメガホンを取った。


■スタッフ
監督・脚本: セリーヌ・シアマ
音楽:Para One
チーフ助監督: デルフィーヌ・ドール
キャスティング:クリステル・バラ、ロール・コケネール
演技コーチ: ヴェロニク・ルッジア
台詞: ロザリン・ベレク
ユニット・マネージャー:モード・キフェ
撮影:クリステル・フルニエール
音声:ピエール・アンドレ
美術:グウェルンダル・ベスコンド
衣装:マリーヌ・ショーヴー
メイク:マリー・ルイゼット
編集:ジュリアン・ラシュレー
ミキサー:ダニエル・ソブリーノ
プロデューサー:ベネディクト・クーヴレール、ジェローム・ドプフェール


     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://tsubomi-movie.jp/

(C) Les Productions Balthazar 2007

2007年/フランス/85分/35mm
原題:Naissance Des pieuvres (たこの足)
英題:WATER LILIES
日本語字幕:斎藤敦子
配給:ツイン