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奇跡のシンフォニー
August Rush

2008年6月21日(土)、日比谷スカラ座ほか全国ロードショー


■ストーリー
  養護施設で育った11歳の少年、エヴァン・テイラー。風の音から身のまわりのあらゆる音までメロディとして感じられるほど鋭い音感を備えていた。彼は、音楽を通じて、顔も名前も知らない両親と自分が結ばれていると固く信じている。そのせいで、施設の仲間に変人と呼ばれ、いじめにあう。

 そんな彼の面接を受け持った児童福祉局の職員リチャードは、施設を出て養子になることをエヴァンにすすめるが、心の音で響きあっている家族が必ず迎えに来ると信じているエヴァンは、「ここを離れたくない。だって生まれて最初に来たこの場所から離れたら、パパとママが僕を探し出せなくなるから」と、涙を流すのだった。

 

 


■キャスト
エヴァン・テイラー/フレディ・ハイモア
ライラ・ノヴァチェク/ケリー・ラッセル
ルイス・コネリー/ジョナサン・リース=マイヤーズ
リチャード・ジェフリーズ/テレンス・ハワード
ウィザード/ロビン・ウィリアムズ
トマス・ノヴァチェク/ウィリアム・サドラー

 






       

 

 11年前の満月の夜。コンサートでニューヨークへやって来たジュリアード出身で新進チェリストのライラと、サンフランシスコ出身のロック・ミュージシャン、ルイスは、ワシントン広場を見下ろすビルの屋上で、運命の出会いを果たした。「ムーンダンス」の曲に彩られ、ロマンチックな一夜を過ごす2人。だが、父トマスの介入によって、2人は連絡先を伝えあうこともできず、仲を引き裂かれてしまう。

 ある晩、施設を抜け出したエヴァンは、トラックに拾われて、マンハッタンにやって来た。地下鉄、クラクション、信号、スチームなど、生まれて初めて体験する大都会の音の洪水に包まれて大興奮。迷子になってしまった彼は、街角でギターを奏でていた少年のアーサーに誘われるまま、ストリート・パフォーマーの子供たちが共同で生活する廃墟の劇場へ足を踏み入れる。そこでエヴァンが出会ったのは、子供たちから「ウィザード」と呼ばれている元締めの男だった。

 元ストリート・ミュージシャンの彼にギターの天才ぶりを見出され、街角に立つようになるエヴァン。自分の演奏をたくさんの人に聞いてもらうことが、両親探しの近道だと信じる彼は、「オーガスト・ラッシュ」という芸名をもらい、懸命に演奏した。
  しかし、その日々は長く続かなかった。エヴァンたちが寝泊まりする劇場に、児童福祉局の手入れが入ったのだ。大あわてで地下鉄に逃げこみ、夜の闇の中にさまよい出たエヴァンは、ゴスペルの歌声に誘われて教会の中へ。そこで出会った聖歌隊の少女ホープの指導で、たちどころに楽譜の読み方をマスターする。そんな彼が、モーツァルトに優るとも劣らない作曲の天才であることに気づいた教会の牧師は、エヴァンをジュリアード音楽院に推薦。入学を許されたエヴァンは、正式に音楽を学ぶことになった・・・

※   ※   ※

       
 



       


■プロダクション・ノートより

主人公のエヴァンと両親の絆を物語る音楽は、映画の第2の主役と言っても過言ではない。そのため、スタッフはクランクインの2年前から、このストーリーを語るためのオリジナル曲を求めて、無数のアーティストや音楽業界のプロに接触した。
その結果生まれたのが、ハーモニカのソロから交響楽までを含む40曲以上をフィーチャーしたサウンド・トラックだった。それは、マーク・マンシーナによる全体の映画音楽と調和を保つクラシック、ロック、ゴスペルの演奏からなり、すべてを織り込んだ「オーガストのラプソディー」という感動的なオーケストラ曲で頂点を迎える。
このような大団円に向け、本作には、ジェフリー・ポラック、ジュリア・マイケルズ、アナスターシャ・ブラウンといった3人の音楽スーパーバイザーが参加、それぞれの才能と人脈、技能を結集させた。

映画に協力を惜しまなかったミュージシャンにはデヴィッド・クロスビーもいる。作品のサウンドトラックにヴォーカルとして参加した彼は、オーガストのギターの演奏スタイルを、著名なギタリストのマイケル・ヘッジス風にしたらどうかと提案。フレディ・ハイモアのギター練習には、故ヘッジスの演奏テープの研究が含まれることになった。

多様なサウンドをまとめるために、音楽プロデューサー、フィル・ラモーンが参加し、音楽を各シーンに溶け込ませるのに多大な貢献を果たした。幼稚園に上がる前にヴァイオリンとピアノを弾き、高校に通いながらジュリアード音楽院で学んだ経歴を持つ彼は、自然や周囲の雑音から音楽を聴き取るオーガストの能力に共感している。


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天才的な音楽の才能を持った孤児が、両親を捜すためにニューヨークに出て、自分の才能を開花させていくファンタジードラマ。
音楽になる前の「音」が、クローズアップされるシーンがある。音楽家になる前の少年のメタファーになっているようにも見える。
父親役のジョナサン・リース=マイヤーズがギブソンのレスポールをもってクラブで演奏し、主人公のフレディ・ハイモアがギブソンのアコースティックを弾いているのもいい演出。音楽っていいなと思える作品。
(J.S)
 






■監督:カーステン・シェリダン
1976年、アイルランド、ダブリン生まれ。ダブリン大学、ダン・ラオゲール・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで映画制作を学ぶ。
『Disco Pigs』(01)で長編監督デビュー。
父ジム・シェリダン監督によって映画化された『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』(02)の脚本でアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞にノミネート。



■スタッフ
監督:カーステン・シェリダン
脚本:ニック・キャッスル、ジェームズ・V・ハート
原案:ポール・カストロ、ニック・キャッスル
製作:リチャード・バートン・ルイス
製作総指揮:ロバート・グリーンハット、ラルフ・カンプ、ルイーズ・グッドシル、マイキー・リー、ライオネル・ウィグラム
撮影監督:ジョン・マシソン
美術監督:マイケル・ショウ
編集:ウイリアム・スタインカンプ
音楽:マーク・マンシーナ
テーマ音楽:ハンス・ジマー、マーク・マンシーナ
音楽スーパーバイザー:ジェフリー・ポラック、ジュリア・マイケルズ、アナスターシャ・ブラウン

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.kiseki-symphony.com/

(C) 2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

2007/アメリカ/シネマスコープ/114分
字幕翻訳:石田泰子
配給:東宝東和