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1000の言葉よりも 
報道写真家ジブ コーレン

...MORE THAN 1000 WORDS

2008年6月14日(水)、東京都写真美術館ホールほか、全国順次ロードショー


■ドキュメンタリー
  2004年の3月、監督のソロはドキュメンタリー映画のテスト撮影に出かけた。

作品の主人公はイスラエル・パレスチナ紛争の取材を続ける一人のイスラエル人の写真家である。
「一時間ほど前にイスラエル空軍がハマスのリーダー、ヤシン氏を暗殺した。君の安全は保障できない。私と行動を共にするのなら、自分の命は自分で守れ」と、報道写真家ジブ・コーレンがで迎える。
ドキュメンタリーの制作を始めるべきか、あるいは止めるべきか。彼は行く事を即決し、撮影機材を抱えて車に乗り込む。

テルアビブ在住の一人の写真家ジブ・コーレン。イスラエルとパレスチナに関する彼の写真はこれまでに世界中の新聞のトップを飾って来た。
2年間の撮影を通じて監督のソロは、暴動やテロ攻撃、密会や指名手配の活動家を取材するジブの姿を追う・・・

 

 



■出演
ジブ・コーレン
ガリット・グットマン
J・P・パピス
ツヴィ・イェヘズケリ
ヨナタン・トルゴブニック
アッタ・アウィサト
キネレット・プッサーニ
 



© Ziv Koren


© Ziv Koren



       


■ジブ・コーレン インタヴュー/ プロダクション・ノートより

Q:あなたのドキュメンタリーを撮りたいというオファーはいつ、どのような経緯で話しが来たのですか?ご自身が報道写真という形で「現実の世界を切り取る」という事を仕事とされているわけですが、ご自身が対象となることについてどう思われましたか?

ある日突然、監督のソロが私に会いたいと連絡してきました。 会って話しをしてみると、彼は私に関するドキュメンタリーを撮影したいというのですが、最初は断りました。
しかしソロは諦めず、翌日再度会うことになりました。 私は少し考える必要があったので、テスト撮影を開始する前に私は条件を出しました。 それは私を英雄視しないという事、つまり私には取材が上手く行く事もあれば行かない事もあるという点と、 取材活動の困難さをさらけ出すという点を含む事でした。

自分自身が被写体となる事自体はそれほど困難な事ではありませんでしたが、 撮影の初日から明確にした点があります。 それは、この映画はあくまでもソロの作品であって私との共同制作ではないという点、 つまり私自身もドキュメンタリストであるがゆえ、私は同時に被写体と制作者にはなれないという事です。
一度にカメラの両側に立つことは不可能ですから。ただし、軍事的な理由からソロが撮影に立ち会えない場合にのみ、 ある特殊なやり方で撮影を行いました。私たちはスチールと動画を同時に撮影できる特殊な装置を開発し、 私が撮影してきた素材を監督が編集するというやり方です。

 

       
 


© Ziv Koren


© Ziv Koren
       


Q:
常に世界中の関心が集まるイスラエル・パレスチナ問題に対してあなたは、イスラエル人としては当事者であり、ジャーナリストとしては観察者でもあるわけです。その中であなたはご自身のアイデンティティーをどのように位置づけますか?

紛争当事者の両側で撮影することは、特に私がイスラエル人であるという点からも非常に危険な行為です。しかしプロパガンダではなくフォトジャーナリズムを成立させるためにはバランスの取れた取材をしなくてはなりません。
撮影する時に心がけるのは、個人の意見や思想が写真に影響を及ぼさないようにする事です。可能な限り、個人的な目的に左右されることのないよう、事実をあるがまま写したいと考えています。時々、自分が海外のジャーナリストだったらどれだけ楽だった事かとも思います。


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1000の言葉よりも、1枚の写真がどれほど人の心を動かすのか。報道写真の意味を1人のイスラエル人フォトグラファーの日常にスポットをあて、探ろうとしたドキュメンタリー。
1枚の写真を撮るための労力と危険。それは、金銭に見合うものではないということが伝わってくる。
テロ現場で、カメラマンや救助にあたった人々の心理的な後遺症までも取り上げている。全編に流れる家族へのインタビューも興味深い。
悲惨なもの、深刻な問題から人々が目を背けようとしている今日、フォトグラファーの行動そのものを追うことが、今を捉える上で重要なのかもしれない。(J.S)






© Ziv Koren


■監督:ソロ・アビタル

15歳の時に父親のVHSカメラを用いて短編ドキュメンタリーを初めて制作。
90年代初頭、技術者としてドイツはポツダムのスタジオBabelsberg Studiosに特殊効果のスーパーバイザーとして招かれ、その後は同社のデジタル・コンポスティング・アーティストとなる。
自身の映画および音楽制作を行うために1999年にHappyzoda社を設立。
5年間、高予算のコマーシャル映像や数々のヒット作映画の特殊効果を担当した後、2002年にイスラエルに帰郷した後、『1000の言葉よりも』を含む数本のドキュメンタリーを完成。

“Keep On Dancing” 24分 (03、日本未公開)
“Art Liberates”54分 (04、日本未公開)
『1000の言葉よりも−報道写真家ジブ・コーレン』(06)
Laughing in Tears”90分 (08、日本未公開)

■ジブ・コーレン
1992年よりイスラエルの軍隊でカメラマンとしてのキャリアをスタート、後にイェディオット・アハロノット新聞で編集委員会に加わり写真家兼フォトエディターを努める。
1994年から2002年までフランスのフォトエージェンシー「シグマ」「ガンマ」に所属。
2003年からは「ポラリス・イメージズ」に所属。
1995年に撮影された、爆破されたイスラエルのバスの写真が、2000年に「ワールド・プレス・フォト・オーガニゼーション」の、"過去45年の中で最も重要な写真200"の中に選ばれた。

ジブ・コーレン オフィシャルサイト
http://www.zivkoren.com/

■スタッフ
監督・撮影・編集:ソロ・アビタル
プロデューサー:オリバー・バーベン
音楽:ソロ・アビタル

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.uplink.co.jp/1000words/

2006/イスラエル/78分/オリジナル言語:ヘブライ語、英語/カラー
原題:...MORE THAN 1000 WORDS
字幕監修:樋口義彦
配給:アップリンク

     


■ジブ・コーレン写真展開催

“過去45年の中で最も重要な写真200”に選ばれた衝撃の作品など、ジブ・コーレンの作品50点を展示します。

写真展『1000の言葉よりも―ジブ・コーレン報道写真展』
日時:6月10日(火)-6月21日(土) 11:30-19:00
会場: BankART 1929 Yokohama, 3F 1929スペース
横浜市中区本町6-50-1/みなとみらい線「馬車道駅」下車
料金:一般600円

ジブ・コーレンによる報道写真ワークショップ
日時:6/13(金)
時間 14:00 -15:30 料金 1000円 (写真展入場料含む)
※要予約/先着40名様 予約締切 : 6/11(水)
「写真展開催と映画公開を記念してジブ・コーレンが来日します。この機会にワークショップを開き、報道写真家を志す方、フォトジャーナリズムに関心を持つ方々へ向けたレクチャーを行います。彼自身の写真を教材に、プロとして現場から何をどう伝えるのかを考えます。」
予約・詳細:
http://www.uplink.co.jp/1000words/news.php