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コレラの時代の愛
Love in the Time of Cholera

2008年8月9日(土)、シャンテ シネ、Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー


■ストーリー
  フロレンティーノ・アリーサは、待ち続けた。初めてフェルミーナを見かけた日から、51年9ヶ月と4日。遂にその日が、やって来た。
夫が事故で急死し、悲しみにくれるフェルミーナ。葬儀を終えて憔悴した彼女の前に現れたフロレンティーノは告げた。「もう一度、君に誓おう。揺るぎない永遠の貞節と、変わらぬ愛を」。フロレンティーノに浴びせられたのは、「出ていって!」というフェルミーナの怒りの叫びだった。

 1879年、独立後の好景気に沸くコロンビア・カルタヘナ。郵便局員フロレンティーノは、配達先の令嬢フェルミナと恋に落ちるが、身分の違いから離れ離れに引き裂かれてしまう。
遠く離れたフェルミーナに、密かに恋の電報を送り続けるフロレンティーノ。激化する内戦の爆撃が市民を巻き込み、死を運ぶ病と恐れられるコレラが蔓延する。
 時が経ち、ようやく帰ってきたフェルミーナと、街で再会するフロレンティーノ。ところが彼女は、「私たちのことは幻想でしかなかった」と語る。フロレンティーノを一目見た瞬間、気付いたというのだ。フロレンティーノが朝も夜も泣き暮らしている間、フェルミーナには新たな出逢いが訪れる。

 

 


■キャスト
フロレンティーノ・アリーサ / ハビエル・バルデム
フェルミーナ・ダーサ / ジョヴァンナ・メッツォジョルノ
ベンジャミン・ブラット
カタリーナ・サンディノ・モレノ
ドン・レオ / ヘクター・エリゾンド
ロタリオ・サーゴット / リーヴ・シュレイバー
フェルナンダ・モンテネグロ
サラ・ノリエガ / ローラ・ハリング
ロレンソ・ダーサ / ジョン・レグイザモ
 





       

 

  体調を崩したフェルミーナをコレラかと心配したフェルミーナの父ロレンソは、フベナル・ウルビーノ医師に往診を頼む。フェルミーナはただの腸炎だったが、彼女の美しさに心を奪われたフベナルは、頼まれもしないのに再び彼女を往診する。フェルミーナは最初こそつれない態度をとるが、求婚を遂には受け入れるのだった。 一方、フロレンティーノは船に乗り、密林に囲まれた港へ向かっていた。

 フェルミーナがパリへの新婚旅行に旅立った頃、フロレンティーノに一大事が起こる。船客の見知らぬ女性に、無理やり純潔を奪われたのだ。その後も何人もの女が彼に近付く。フロレンティーノは女たちに愛されている間だけ、フェルミーナを失った痛みを忘れることができた。

 数年後、医師フベニルと結婚したフェルミナに意気消沈するフロレンティーノは、決して彼女を忘れられないことを知る。そして、富と名声を手に入れて彼女に相応しい男になり、何年でも待ち続けると決意する・・・

※   ※   ※

       
 




       


■プロダクション・ノートより

マイク・ニューウェル監督インタビュー
Q:この小説の魅力は?
A:生き方に対して大きな挑戦をしているところだ。

Q:どうしてハビエル・バルデムを配役したのですか?
A:最初から彼を想定していた。「真実味のあるキャスティング」を実現させたかったからね。最初に会った俳優が、私が知る中で最高のラテン系スペイン人俳優だった。それがハビエル・バルデムだ。ハビエルには強烈なカリスマ性がある。

痩せていても太っていても、背が高くても低くてもいいが、このキャラクターには最も重要な点がある。それがすさまじいカリスマ性なんだ。そしてそのカリスマ性は、このキャラクターが目指しているゴールに完全に集中することで出てくるものだ。ハビエルならばそこを表現できると確信していた。彼の肉体的特長が小説のキャラクター描写と違おうと、そんなことはあまり気にしなかった。彼には狂気じみた集中力があると感じたんだ。

ハビエル・バルデムインタビュー
Q:ガブリエル・ガルシア=マルケスと話しましたか?
A:2度話したよ。緊張した。彼はとても優しかったけれどね。普段から話しているみたいに、とても面白く、親しみがあった。

僕は「先生はこのキャラクターを見事に、感動的にすばらしく、細かいところまで描き込んでいらっしゃいます。ただ、私は俳優です。腹立たしいほどしつこい人種だ。役をきちんと作り出すためにはもっと確かなものが必要なのです。私を助けていただけますか?」と言ったんだ。
彼は「もちろんだよ。何が知りたいのかね?」と答えた。そこで僕は「肉体的な特徴としてこうあって欲しい部分をいくつかあげるなら、どこを取り上げますか?」と聞いてみた。

「彼は決して声を荒げない男だと思っている」と彼は答えた。それはフロレンティーノが人の注意をなるべく引き付けたくないからなんだ。彼は常に影の中に潜んでいたい。自分の存在が周りに知られるのを怖がっているみたいにね。
「私は彼を野良犬のように見ていた。ずっと殴られ続けてきた犬のようだ。怯えながら街を歩くような男だが、それでも愛を渇望している。抱きしめられることをね」僕は「先生、ありがとうございました」と言った。そしてそれが僕のやり遂げようとしたことだ。影のような人間を肉体的に表現しようとした。

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ノーベル文学賞作家ガルシア=マルケス(1928〜)の名作「コレラの時代の愛」の映画化。19世紀後半から20世紀にかけ、内戦とコレラの蔓延に揺れるコロンビアを舞台に、半世紀にわたり「待つ」ことで想いを貫いた男の、愛と人生を描く物語。
この奇妙なタイトルは、ガルシア=マルケスによれば、コレラと恋煩いは症状が似ているからだと言う。
50年間も一人の女性を思い続けるというのは、狂気といえばそれまでだが、なぜ貫けたのか、主人公や相手の中にあったものはなにかなどを考えながら観ていくのも楽しい。(J.S.)








■監督:
マイク・ニューウェル
1942年、イギリス、ハートフォードシャー州セントオールバンズ生まれ。ケンブリッジ大学卒業。23歳で監督業をスタート。数々のテレビ番組を担当する。1980年には、「The Awakening」で舞台演出デビュー。映画初監督作は、1980年の『ピラミッド』。その後、『ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー』(84)、『魅せられて四月』(91)、『フォー・ウェディング』(94)、『フェイク』(97)、『狂っちゃいないぜ』(99)、『モナリザ・スマイル』(03)。2005年には、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』を監督し、同シリーズを指揮する初の英国人監督となった。 エグゼクティブ・プロデューサーとしても『200本のタバコ』(99)、『トラフィック』(00)、『ハイ・フィデリティ』(00)など、いくつかのプロジェクトに携わっている。

■スタッフ
監督:マイク・ニューウェル
脚本:ロナルド・ハーウッド
原作:ガブリエル・ガルシア=マルケス
製作総指揮:ディラン・ラッセル 他
撮影:アフォンソ・ビアト
編集:ミック・オーズリー
美術:ウルフ・クローガー
衣装:マリット・アレン
音楽:アントニオ・ピント

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://kore-ai.gyao.jp/

(C)Copyright 2007 Cholera Love Productions, LLC ALL RIGHTS RESERVED.

原題:Love in the Time of Cholera/2007年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/137分 <PG-12>
配給:ギャガ・コミュニケーションズ