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ベルリン・フィル
最高のハーモニーを求めて

TRIP TO ASIA The Quest For Harmony
A FIRM BY THOMAS GRUBE

2008年11月15日(土)、渋谷ユーロスペース他全国ロードショー


■ドキュメンタリー
  ベルリン・フィルの入団試験。ベルリン・フィルでは本採用前に試用期間があり、その後、指揮者ではなくメンバーたち自身が新人の合否を決める。全体の調和がなければいい音が出ない。メンバーたちが一緒にやっていきたいかどうかが合否のポイントとなる。

 2005年の秋、指揮のサー・ライモン・ラトルとベルリン・フィルのメンバー126名は、北京、ソウル、上海、香港、台北、東京の6都市を回る大掛かりなアジアツアーに旅立つ。
 26年ぶりの再訪となる北京、大掛かりなテレビ中継が待ちうける上海、数万人の聴衆がパブリックビューイングに押し寄せる台北、そして東京。

 

 


■キャスト
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル(指揮)
演奏曲/
ベートーヴェン《英雄》
R・シュトラウス《英雄の生涯》
トーマス・アデス《アサイラ》
 




       

 

 演奏される曲目はベートーヴェンの交響曲第3番《英雄》、R・シュトラウスの交響詩《英雄の生涯》、そしてイギリスの現代作曲家トーマス・アデスの管弦楽曲《アサイラ》の3曲。

 グルベ監督は、4台のハイビジョンを従えて密着取材を続ける。音楽監督ラトルと奏者たちへの個別インタビューが続く。メンバー自身の口からは、共通する意外な心情や過去が明かされていく・・・

※   ※   ※


■映画の構成

序  :入団テスト
第1部 
 北京:リハーサル、ベルリン・フィルとは何か、パーソナリティと音楽
第2部 
 ソウル:候補生という存在、伝統と新時代、首席指揮者とは
第3部 
 上海:音楽家という仕事、自治の精神、オーケストラという協働作業
第4部 
 香港:団体行動、団員の限界と挑戦、団員のもう一つの顔、ラトル
第5部 
 台北:団員の苦悩、コンサートという仕事
第6部 
 東京:歴史

       
 






       


■プロダクション・ノートより

トマス・グルベ監督インタビュー
---どのように登場人物を選んだのですか?
私たちには6ヶ月間という準備期間がありました。まず最初にオフィスに126枚の音楽家たちの写真で埋め尽くしました。音楽家たちにそれぞれ1時間、1日当たり最高で5人にインタビューをし、ツアーが始まったときには、55人の音楽家へのインタビューを完了していました。
当然、私が興味を持った基準や側面に従って分類をしましたが、対象者に対する思いや共感が自然と沸き起こるようになるまで、そう長くはかかりませんでした。

重要な糸口は音楽家の見習い期間でした。オーケストラにくる若者たちは、楽団の一員として終身雇用を受け入れる覚悟があると思われており、実際どんな職業でも見たことがないほどの強い絆で、40年を共に過ごすのです。
最初の数年間、見習い期間の音楽家は他の音楽家から認められるまで、コミュニティの中に溶け込み、耳を傾け、共感することを学ばなければなりません。
もちろん、カラヤンのもとで演奏し伝統を体現している「年長者」がいて、世代間の紛争もあります。
この映画は、オーケストラに入った瞬間から「死」(引退する最後のコンサート)まで、つまり《英雄の生涯》に似た人生サイクルについて描いています。



 
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世界の最高峰にいる音楽家たちが、学生時代は優等生ではく、どちらかというとコンプレックスを抱えた劣等性であった。《英雄》たちからそんな心情を引き出しただけでも、この作品の魅力は大きい。
ラトルが、まるで心理学者のように、演奏家たちについて語るシーンは印象的。なぜ、彼が 強烈な個性を持った人々をまとめ上げていけるかがわかるようです。(JS)








■サー・サイモン・ラトル
1955年イギリス・リヴァプール生まれ。音楽好きの父の影響でジャズに親しむ。
幼少時よりパーカッションに深く関わり、また姉から楽譜の読み方を教わり、現代音楽やクラシックに熱中する。
71年、ロンドンの英国王立音楽院に入学、指揮法を学び、19歳の若さでジョン・プレイヤー国際指揮者コンクールで優勝。世界中からオファーが殺到する中、当時は一地方オーケストラであったバーミンガム市交響楽団(CBSO)を敢えて選び話題に。

80年には同楽団の首席指揮者に就任し、CBSOを世界的なレベルに押し上げた。
94年、39歳の若さでイギリス音楽界に多大な貢献をした業績によりナイト称号を授与され、“サー”・サイモン・ラトルとなる。
2002年、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者兼芸術監督に就任。オーケストラと共に教育プログラム“Zukunft@Bphil”(未来@ベルリン・フィル)を立ち上げるなど新分野を拓き、その献身的な仕事によって04年にはコメニウス賞、05年5月にはマンハイム市からシラー特別賞、また07年春にはウラニア賞とゴールデンカメラ賞(ドイツのメディア賞)を授与された。
現在、ザルツブルク・イースター音楽祭で芸術監督を務め、オペラ公演の指揮もベルリン・フィルと行うなど積極的に活動中。

■監督:トマス・グルベ
1971年ドイツ・ベルリン生まれ。フレイエ大学で政治学と東ヨーロッパ学を並行して学び、HFFポツダム―バベルスベルグ大学にて映画とテレビ経済学を学ぶ。
92年から96年までフィクション映画のプロダクションマネージャーを務める。
93年メンフィス・プロダクションを設立。短編やドキュメンタリーを製作・監督する。
97年ウヴェ・ディレクスと共同でレーベル“グルベ&ディレクス”を立ち上げ、ドキュメンタリーとイメージフィルムを監督する。
99年アンドレア・ティロとディレクスと一緒に製作会社ブームタウンメディアの共同設立者となり、ここで企画開発、製作の責任者を兼ねながら映画作家として数本のドキュメンタリーと音楽プログラムを監督する。
00年ジャーマン・テレヴィジョン・アワードで監督作『WARSAW EXPRESS』が最優秀ドキュメンタリー賞にノミネートされた。
04年に『ベルリン・フィルと子どもたち』をエンリケ・サンチェスと共同監督。この時にベルリン・フィルの演奏家たちと信頼関係を作っている。



■スタッフ
監督:トマス・グルベ
カメラ:アンソニー・ドット=マントル
レネ・ダメ
アルベルト・ヴェンザゴ
ステファン・キュペック
録音:パスカル・キャピトラン
ベルント・フォン・バスウィッツ
音楽:シモン・シュトックハウゼン


     

 

 

   

 

(C)Boomtown Media

原題:Trip to Asia: The Quest for Harmony
2008年/ドイツ/カラー/35mm/108分/
字幕:石田泰子
字幕監修:山田真一
配給:セテラ・インターナショナル

     


■『ベルリン・フィル 最高のハーモニーを求めて』ベルリン・フィル来日記念舞台挨拶
場所:渋谷・ユーロスペース
http://www.eurospace.co.jp/

■11/23(日) 16:20の回上映後、18:40の回上映前
ゲスト:サラ・ウィルス(ホルン)

■11/24(月・振休) 16:20の回上映後、18:40の回上映前
ゲスト:アルブレヒト・マイヤー (オーボエ)
スタンリー・ドッズ(ヴァイオリン)

※ゲストは予告なく変更になる場合があります。

チケットは当日朝10:30よりユーロスペースにて販売開始。
前売り券をお持ちの方も整理番号との引き換えが必要です。

詳細は劇場へお問い合わせください。