消えたフェルメールを探して
絵画探偵ハロルド・スミス

STOLEN

2008年9月27日（土）より渋谷アップリンク他、全国順次公開


■ドキュメンタリー
　 1990年、ボストンのイザベラ・スチュワート･ガードナー美術館で、レンブラントの『ガリラヤの海の嵐』、フェルメール―の『合奏』を含むに美術品13点が盗まれた。

　監督のレベッカ・ドレイファスは、少女の頃に『合奏』に出会い、その神秘的な美しさに圧倒された。『合奏』の盗難を憂いたドレイファス監督は、世界的にも有名な絵画探偵ハロルド・スミスに電話した。彼女の留守電にスミスからの伝言が残っていた。
　 「レベッカ、よく考えてみました。これは絶好の機会だと思います。あの事件以来、絵の所在が気になって夜中でも目が覚める。この機会に絵の在りかを突き止めましょう」

　

 

　美術品専門の探偵、ハロルド・スミスが事件の真相をつかむために動き出す。
アイルランド系地下組織の大物、美術品泥棒、米国上院議員までがリストにあがってくる。見えてきたのは、ボストンという土地柄からくる裏社会の構図。
　いったい誰が何の目的で盗んだのか。美術館に電話による情報が次々に寄せられる。美術館が500万ドルの懸賞金を出したからだ。
　手がかりは些細な情報と、これまでの探偵稼業で培ったコネクションのみ。ハロルド・スミスの捜索とともに、美術品犯罪の全貌が見えてくる・・・

 

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■プロダクション・ノートより

レベッカ・ドレイファス監督のことば

1990年3月18日、私のもっとも愛する絵画が盗難に遭いました。それはフェルメールの『合奏』です。巨匠が遺したたった35作のうちの１作、がボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館から持ち去られてしまったのです。
その晩は、ほかにも多くの絵画が盗難に遭いました。その中にはレンブラントの唯一の海の絵も入っていました。この盗難事件は、アメリカ史上最大の美術品盗難事件に発展しました。

10年以上経って、私はいまだに自分が、その絵の持つ捕らえどころのない魅力だけではなく現在のありかに関することまで、絵にまつわる多くの謎に取りつかれていることに気がつきました。この映画は、絵画がその後どうなったのかを突き止めようとした2年間の成果です。
その過程で、私はさまざまな変わった人たちに出会い、世紀と大陸によって引き離されていたその人たちを、偉大な芸術作品によって呼び覚まされる情熱でひとつにすることができました。結果として私は、自分のこの映画が、共通するところのないその人たちに、時のない絵画の中に永遠に住まう場所を与えたように感じています。

■ハロルド・スミス
スミスは50年以上にわたって、美術品の取り扱い、損傷、盗難、宝飾品の盗難などに関して、ロンドンのロイズ、アメリカや各国の保険会社の代理人を務めてきた。それに関連して、ロイズや大手宝石商、アメリカだけに限らず海外の美術館やアート･ギャラリーのセキュリティー･コンサルタントも務めてきた。
彼が扱ってきたものには、サザビーズ、クリスティーズ、スミソニアン、ゲッティ美術館、ロサンジェルス郡美術館、シカゴ美術館ユニヴァーシティ、ティファニーズとその他の宝石商、美術館とアート･ギャラリーなどがあり、アメリカだけではなく世界の個人コレクターともかかわり、アメリカ史上最大の金塊盗難事件や、レンブラントの贋作や、美術館の名作盗難事件とかかわっている。

職業柄、さまざまな人々とつながりがあり、その中にはFBIのエージェントや、キュレーター、詐欺師、鑑定家、修復師、アーティスト、スコットランドヤード、インターポール、そして著名な国際的コレクターなどがいる。2005年2月19日、皮膚がんとの戦いの末、他界。

■監督：レベッカ・ドレイファス
ニューヨーク在住。SUNYのパーチェイス・カレッジで映画の学士号を取る。
最初の受賞長編作『Bye-Bye Babushka』は、合衆国のPBSを含む、世界25カ国以上のテレビ局で放映された。
二つの短編『The Waiting』と 『Roadblock』も、世界中で賞を受け、国内外でテレビ放映されている。

■スタッフ
監督：レベッカ・ドレイファス
撮影：アルバート・メイズルス、レベッカ・ドレイファス
編集：マーカス・ピーターズ、リズ・ルデン
音楽：ピーター・ゴラブ
脚本：シャロン・ガスキン
プロデューサー：スザンナ・ルドウィグ