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キャラメル
CARAMEL

2009年1月31日(土)より 渋谷・ユーロスペースほか全国順次ロードショー


■ストーリー
  ベイルートの街角にある小さなエステサロン。オーナーのラヤールは30歳独身。既婚の恋人に振り回されながらも、電話を心待ちにしている。そんな彼女を心配顔で見ているスタッフのニスリンは28歳。恋人との結婚を間近に控えている。そして、もう一人のスタッフ、24歳のリマは騒がしいサロンの中で黙々と仕事をこなしているが、長い黒髪の女性客に目を奪われる。
 サロンの常連、ジャマルはオーディションを受け続けるがうまくいかず、いらいらする気持ちを抑えられずに髪型が気に入らないとニスリンに八つ当たりしてしまう。
そんな賑やかなエステサロンの向かいで、ひっそり仕立屋を営む65歳のローズは、年老いた姉リリーの世話のために自分の人生を犠牲にしている。
ある日、店にフランス人の老紳士シャルルがスーツの直しを頼みにやってくる。彼のスーツを仕立て直しながら、ローズは忘れかけていた気持ちを思い出し、心がときめくのを感じていた。

 


■キャスト
ナディーン・ラバキー
ヤスミーン・アル=マスリー
ジョアンナ・ムカルゼム
ジゼル・アウワード
アーデル・カラム
シハーム・ハッダード
アジーザ・セアマーン
ファーティマ・サファー
ディミトリー・スタンコフスキー
ファーディ・ステラ
イスマーイール・アンタル
 





       

 

 恋人に呼び出され、仕事を中断し車で会いに行くラヤール。駐車違反でいつもうるさく注意をしてくる警察官のユーセフが、自分に好意を寄せていることには気がつかない。恋人と会った後、彼が財布を忘れていることに気がついたラヤールは、嫉妬と好奇心に負け、財布をあけ、妻と娘の写真を見てしまう。

 ラヤールは、彼の誕生日を一緒に過ごすため、ホテルを予約しようとするが、身分証の提示を求められ、独身のラヤールが宿泊できるホテルはどこにもない・・・

※   ※   ※


       
 







       


■プロダクション・ノートより

監督・脚本・主演:ナディーン・ラバキー  インタビュー
5人のレバノンの女性たちは、世代は違うけれど友人であり、ベイルートの小さなエステサロンで働き、出会います。そして、この典型的な女性たちの世界で、彼女たちは西洋のモダニズムを目の前にしながら、偽善的で合理的な東洋のシステムに苦しみ悩み、お互いが直面している男性との関係、年齢、結婚、SEXのことなどを、互いに助け合います。
今日、世界の中では、レバノンは開かれた国で、自由で解放された社会のように見られています。しかし、それは必ずしも本当ではありません。その裏では、私たちは今でも多くの束縛を抱え、恒久的にいつも他人の目を気にして批判におびえているのです。この状況下で、レバノン女性たちは自責の念と罪の意識に潰されてしまうのです。
このエステサロンでは、私の映画のヒロインたちは安全です。サロンの中では女性たちは親密に過ごすことができ、批判されたりしません。ヘアを任せるとき、女性たちは無防備になり、同時に自分をさらけ出せるのです。
そうして女性たちは自分の人生や怖れ、将来について、恋愛についてなどを少しずつ語りだすのです。

 








■監督:ナディーン・ラバキー
1974年レバノン生まれ。ベイルートのサン・ジョセフ大学にてメディア学を取得。大学在学中に製作した短編映画パステール通り11番地」が、1988年パリのアラブ映画IMAビエール・フェスティバルで1位に。以後、中東のミュージシャンたちのミュージックビデオやコマーシャルフィルムを監督するようになる。
2004年にカンヌ映画祭レジデンス制度を受け、初めての長編映画『キャラメル』の脚本を執筆。



■スタッフ
監督:ナディーン・ラバキー
プロデューサー:アンウ=ドミニク・トゥーサン
脚本:ナディーン・ラバキー 、ジハード・ホジェイリー、ロドニー・アル=ハッダード
音楽:ハーレド・ムザンナル
撮影:イヴ・サフナーウィー
編集:ロール・ガルデッド
美術:シンシア・ザッハール
衣装:キャロリン・ラバキー

     

 

 

   



原題:CARAMEL
2007年/レバノン・フランス映画/35mm/96分
字幕:太田直子
配給:セテラ・インターナショナル