ワルキューレ
|
■キャスト クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐/トム・クルーズ ヘニング・フォン・トレスコウ少将/ケネス・ブラナー オルブリヒト将軍/ビル・ナイ フロム将軍/トム・ウィルキンソン ニーナ・フォン・シュタウフェンベルク/カリス・ファン・ハウテン オットー・エルンスト・レーマー少佐/トーマス・クレッチマン ルードヴィヒ・ベック/テレンス・スタンプ エーリッヒ・フェルギーベル将軍/エディ・イザード カール・ゲルデラー/ケヴィン・マクナリー アドルフ・ヒトラー/デヴィッド・バンバー |
|||||||||||||
|
そんなある日、シュタウフェンベルクは自宅でワーグナーの「ワルキューレの騎行」がレコード盤から流れてくるのを聴き、壮大な計画を思いつく。レジスタンスの主要メンバーである陸軍少将トレスコウ、陸軍参謀総長ベック、国内予備軍副司令官オルブリヒトは、シュタウフェンベルクのアイデアに驚きながらもその実現の可能性を話し合う。 ※ ※ ※
|
|||||||||||||
脚本のマッカリーは語る。「このストーリーから生まれる緊張感は、我々が手塩にかけた人物への親近感が土台になっています。彼らがこの計画に参加しようと決断するまで、それぞれの人物がくぐってきたものを全部さらけ出し、いざ計画を実行という運命の瞬間までのさまざまな切羽詰った決断に迫られるときこそ、サスペンスが倍増されるんです」 マッカリーとアレクサンダー(脚本)はドイツのレジスタンスに関わった人物に対して尊敬の念を抱きつつも、あれだけ徳の高い信念を持った人たちが、とりわけ強制収容所での残虐行為を知りながら、どうして、どういういきがかりで、ヒトラーにくみしたのかという問題に煩悶した。 「人が命を懸けて誓いを立てたとき、世間はそれをまともに信じるという当時の精神風土があったし、それ以前に、彼らは一様に、ヒトラーに忠誠の誓いを立てていたんですからね」とマッカリーは言う。「しかし、ヒトラーが大臣たちと犯した酸鼻をきわめた残虐行為によって、ヒトラーこそ国に対する誓約を破ったのだからというのが、彼らがだした最終的な結論でした。たとえ、自分たちが国民から裏切り者とそしられることになろうとも、新たな未来像のためにことを起こさねばと、彼らは考えたのです。そこにはモラル的なジレンマがありました」 軍部きっての切れ者で優秀だった人間の多くは貴族階級の出であり、第一次世界大戦であるとか、シュタウフェンベルクのようにヒトラーが頭角を現すずっと以前の1926年に、国に奉仕する感覚から入隊したみな筋金入りの愛国者だった。そして、彼らの多くは、ユダヤ人などに対する軍部の暴走や暴力が激化した1930年代の半ばには、ヒトラーの政策に疑問を感じ始めていた。「国や国民のためにつくすのが貴族の本分だとする空気は強く、シュタウフェンベルクや陸軍少将トレスコウや国内予備軍副司令官オルブリヒトなど、多くはだからこそ入隊したのです」とマッカリーは言う。 ヨーロッパ中にいるユダヤ人、ロシア市民、そして捕虜に対する目に余る扱いが、シュタウフェンベルクら多くの仲間にとって分岐点となった。監督のブライアン・シンガーはこう語っている。「僕が調べたところによれば、軍部にいたレジスタンスの多くのメンバーはユダヤ人に対する扱いや大量処刑の真実を知って、早い時期にかなり心を痛めていたようです。それが僕には驚きでしたね。どんな犠牲を払おうともこれは何とか阻止しないと・・・そういう思いが、彼らを駆り立てたんです」 ※ ※ ※ この計画はほとんどの人が知らなかったドイツという国の一面を白日の下にさらす結果となった。7月20日の事件を計画した人たちは、長い間、売国奴として見られていたが、現在はその勇気と払った犠牲の大きさがドイツ国内では高く評価されている。
|
||||||||||||||
|
■監督:ブライアン・シンガー 1965年、アメリカ、ニューヨーク出身。1995年『ユージュアル・サスペクツ』で注目を集めた。スティーヴン・キングの中編小説を映画化した『ゴールデンボーイ』(98) 、大ヒットした『X-メン』(00) 、『X-MEN2 』(03)、『スーパーマン リターンズ』 (06) などがある。 テレビ作品では『Dr.HOUSE』では、エミー賞とゴールデングローブ賞を受賞。シンガー作品の世界での興行収入は200億ドル以上にのぼる。 ■スタッフ 監督:ブライアン・シンガー 脚本:クリストファー・マッカリー、ネイサン・アレクサンダー 製作:ブライアン・シンガー、クリストファー・マッカリー、ギルバート・アドラー 製作総指揮:クリス・リー、ケン・カミンス、ダニエル・M・シャイダー、ドワイト・C・シェアー、マーク・シャピロ 撮影:ニュートン・トーマス・シーゲル 美術:リリー・キルバート、パトリック・ラム 編集・音楽:ジョン・オットマン 衣装:ジョアンナ・ジョンストン |
|||||||||||||
|
原題:VALKYRIE |
|||||||||||||
|
||||||||||||||