愛を読むひと
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■キャスト ケイト・ウィンスレット レイフ・ファインズ デヴィッド・クロス レナ・オリン ブルーノ・ガンツ アレクサンドラ・マリア・ララ |
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ある日マイケルは、一泊の自転車旅行を提案する。ガイドブックを調べてコースを考え、幼い頃から集めた切手を売って資金を作り、二人は出発した。明るく輝く太陽の下、人影のない川で泳ぐハンナに見とれながら詩を綴り、マイケルは全身を満たす幸福を味わった。ハンナもまた、レストランのメニュー選びから旅の道順まで全てをマイケルに任せ、いつも楽しげに笑っていた。 その日は、マイケルの誕生日だった。クラスの友人たちが、パーティを企画してくれたことに少し心が揺れたが、やはりいつものようにハンナの部屋を訪ねた。ところが、なぜかハンナの機嫌は最悪だった。ハンナはマイケルの朗読をさえぎり、「ほっといて!」と声を荒げる。言い争いのなか、ひとしきり感情を爆発させて落ち着いたハンナは、今度は慈しむように丁寧にマイケルの体を洗い、いつもより一層心をこめて彼を愛した。
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ドイツでは、教科書にまで取り上げられている小説「朗読者」。アメリカで出版されるやいなや、ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーリストのトップを飾った。これは、ドイツの小説としては、初めてのことである。ロサンゼルス・タイムズ紙も「格式高く美しく、心をかき乱し、最後には間違いなく衝撃に打ちのめされる小説」と絶賛した。 ダルドリー監督は、ドイツでの撮影にこだわった。世界的にも有名なドイツの物語だからこそ、そこを舞台にしたかったのだ。ベルリンに滞在し、2年間かけて優れたドイツ人スタッフとドイツ人俳優を探した。 3部に分かれ、年代順に展開する原作とは異なり、『愛を読むひと』の脚本は、時代を飛び越える。始まりは、1995年。結婚と離婚を経た主人公のマイケルが、久しぶりに娘に会おうとしている。時代はすぐに1958年に遡り、マイケルとハンナの初めての出会いが描かれる。そして物語は、50年代から順に進みながら、時折95年の“現在のマイケルと娘の交流”がはさまれる。この娘とのエピソードが、原作にはない映画のオリジナルで、作品に未来の希望を与えている。
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■監督:スティーヴン・ダルドリー 1961年、イギリスのドーセット州生まれ。シェフィールド大学卒業後、シェフィールド・クルーシブル・シアターに入り、舞台演出家となる。メトロ・シアター・カンパニー(84〜86年)、ゲート・シアター(89〜92年)、ロイヤル・コート・シアター(92〜98年)の芸術監督を歴任。 ロイヤル・ナショナル・シアターでの「An Inspector Calls(夜の来訪者)」(92)と「Machinal」(93)の演出でローレンス・オリヴィエ賞を2年連続受賞。 2002年、オックスフォード大学セント・キャサリンズ・カレッジで現代演劇の客員教授を務めた。現在、ヤング&オールド・ヴィック・シアターの委員であり、ロイヤル・コートの監督補も務める。 監督作品は『リトル・ダンサー』(00)、『めぐりあう時間たち』(02)。ミュージカル版「リトル・ダンサー」を2005年にロンドン、2008年にブロードウェイで演出。本作は長編3作目。 ■スタッフ 監督:スティーヴン・ダルドリー 脚本:デヴィッド・ヘア 原作:ベルンハルト・シュリンク(原作「朗読者」) 製作:アンソニー・ミンゲラ 製作:シドニー・ポラック 撮影:クリス・メンゲス、ロジャー・ディーキンス 美術:ブリジット・ブロシュ 編集:クレア・シンプソン 音楽:ニコ・ムーリー 衣装:アン・ロス |
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原題:The Reader |
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