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愛を読むひと
The Reader

2009年6月19日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開


■ストーリー
 15歳のマイケルは、理由もためらいもなく、真っ逆さまに恋におちた。相手は21歳年上のハンナ、学校からの帰り道で具合が悪くなったところを助けてくれたひとだ。
  3ヵ月後、マイケルは、お礼の花束を持って一人暮らしのハンナを訪ねる。そっけない口調で愛想笑いも一切しないハンナだが、マイケルは、翌日もまたハンナの部屋に向かってしまう。彼女に命じられて石炭を運んだマイケルは煤だらけになり、言われるまま風呂に入る。バスタブから出る彼を、大きなタオルで抱きしめたのは、裸のハンナだった。

 次の日もその次の日も、放課後を待ちわびて、ハンナの部屋へと走るマイケル。ハンナもその時間に、路面電車の車掌の仕事を終えて帰ってくる。最初のうち二人は、言葉も交わさず激しく求め合った。やがてハンナがマイケルに、本を「読んで聞かせて」と頼んだ日から、マイケルは彼女の朗読者になる。「オデュッセイア」から「チャタレイ夫人の恋人」まで、マイケルはハンナを喜ばせるために、一心に読み続けた。

 


■キャスト
ケイト・ウィンスレット
レイフ・ファインズ 
デヴィッド・クロス
レナ・オリン
ブルーノ・ガンツ
アレクサンドラ・マリア・ララ
 




       

 

 ある日マイケルは、一泊の自転車旅行を提案する。ガイドブックを調べてコースを考え、幼い頃から集めた切手を売って資金を作り、二人は出発した。明るく輝く太陽の下、人影のない川で泳ぐハンナに見とれながら詩を綴り、マイケルは全身を満たす幸福を味わった。ハンナもまた、レストランのメニュー選びから旅の道順まで全てをマイケルに任せ、いつも楽しげに笑っていた。

 その日は、マイケルの誕生日だった。クラスの友人たちが、パーティを企画してくれたことに少し心が揺れたが、やはりいつものようにハンナの部屋を訪ねた。ところが、なぜかハンナの機嫌は最悪だった。ハンナはマイケルの朗読をさえぎり、「ほっといて!」と声を荒げる。言い争いのなか、ひとしきり感情を爆発させて落ち着いたハンナは、今度は慈しむように丁寧にマイケルの体を洗い、いつもより一層心をこめて彼を愛した。
ハンナの様子がいつもと違うのは明らかだった。次にマイケルが部屋を訪ねたとき、中は空っぽで、ハンナの姿はもちろん、書き置き一つなかった・・・・


※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

ドイツでは、教科書にまで取り上げられている小説「朗読者」。アメリカで出版されるやいなや、ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーリストのトップを飾った。これは、ドイツの小説としては、初めてのことである。ロサンゼルス・タイムズ紙も「格式高く美しく、心をかき乱し、最後には間違いなく衝撃に打ちのめされる小説」と絶賛した。

ダルドリー監督は、ドイツでの撮影にこだわった。世界的にも有名なドイツの物語だからこそ、そこを舞台にしたかったのだ。ベルリンに滞在し、2年間かけて優れたドイツ人スタッフとドイツ人俳優を探した。
「ドイツ人スタッフと共に、ドイツで製作するのが、この映画を作る唯一の方法だった」とダルドリー監督は語る。「ドイツの舞台・映画で活躍する素晴らしい人たちとの仕事に胸が躍った。伝説のブルーノ・ガンツもそうだ」
数シーンはニューヨークで撮影されたが、主な撮影は、ベルリン、ゲルリッツ、ケルンといったドイツの都市でおこなわれ、いくつかの野外シーンはドイツとチェコ共和国の国境にある田園地方で撮影された。

3部に分かれ、年代順に展開する原作とは異なり、『愛を読むひと』の脚本は、時代を飛び越える。始まりは、1995年。結婚と離婚を経た主人公のマイケルが、久しぶりに娘に会おうとしている。時代はすぐに1958年に遡り、マイケルとハンナの初めての出会いが描かれる。そして物語は、50年代から順に進みながら、時折95年の“現在のマイケルと娘の交流”がはさまれる。この娘とのエピソードが、原作にはない映画のオリジナルで、作品に未来の希望を与えている。


 

 









■監督:スティーヴン・ダルドリー
1961年、イギリスのドーセット州生まれ。シェフィールド大学卒業後、シェフィールド・クルーシブル・シアターに入り、舞台演出家となる。メトロ・シアター・カンパニー(84〜86年)、ゲート・シアター(89〜92年)、ロイヤル・コート・シアター(92〜98年)の芸術監督を歴任。
ロイヤル・ナショナル・シアターでの「An Inspector Calls(夜の来訪者)」(92)と「Machinal」(93)の演出でローレンス・オリヴィエ賞を2年連続受賞。
2002年、オックスフォード大学セント・キャサリンズ・カレッジで現代演劇の客員教授を務めた。現在、ヤング&オールド・ヴィック・シアターの委員であり、ロイヤル・コートの監督補も務める。
  監督作品は『リトル・ダンサー』(00)、『めぐりあう時間たち』(02)。ミュージカル版「リトル・ダンサー」を2005年にロンドン、2008年にブロードウェイで演出。本作は長編3作目。

■スタッフ
監督:スティーヴン・ダルドリー
脚本:デヴィッド・ヘア
原作:ベルンハルト・シュリンク(原作「朗読者」)
製作:アンソニー・ミンゲラ
製作:シドニー・ポラック
撮影:クリス・メンゲス、ロジャー・ディーキンス
美術:ブリジット・ブロシュ
編集:クレア・シンプソン
音楽:ニコ・ムーリー
衣装:アン・ロス

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
www.aiyomu.com

(C)2008 TWCGF Film Services II, LLC. All rights reserved.

原題:The Reader
2008年/アメリカ/カラー/ヴィスタ/124分
日本語字幕:戸田奈津子
配給:ショウゲート