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幸せはシャンソニア劇場から
FAUBOURG 36

2009年9月5日(土)、シネスイッチ銀座、シネリーブル池袋ほか全国順次ロードショー!


■ストーリー
 1936年、労働者のストライキや反ファシズム運動が高まる第2次世界大戦の直前。人々から愛されるミュージックホール、シャンソニア劇場は、不況のあおりで不動産屋ギャラピアに取り上げられ、閉鎖されてしまう。劇場に長年裏方として働いてきた、ピゴワルは妻にも逃げられ、職もなくして落ち込んでしまう。

 ピゴワルの一人息子ジョジョは、ラジオ男からアコーディオンを習い、街角でアコーディオン弾きを始める。一人息子が近所の食料品店に支払をしていることも知らず、ピゴワルはつけで買い物ができることを不思議に思っていた。しかし、街角での演奏を「未成年の物乞い」だとして警察がジョジョを補導し、再婚した母親の元へ引き取られてしまう。ピゴワルはさらに落ち込む。

 


■キャスト
ジェラール・ジュニョ
クロヴィス・コルニアック
カド・メラッド
ノラ・アルネゼデール
ピエール・リシャール
ベルナール=ピエール・ドナデュー
マクサンス・ペラン

 





       

 

 ピゴワルは仲間と劇場を取り戻そうとギャラピアに交渉し、再建に立ち上がる。 出演者のオーディションを開くと、美しいドゥースがやってきた。あまりの美しさに彼女を採用する。
  新装したシャンソニア劇場では、ドゥースの歌声を頼りにしばらく公演が続くが、音楽プロデューサーに目をかけられたドゥースは、より大きな舞台を求めてシャンソニアをやめてしまう。

 劇場はふたたび客足が遠のき、息子に会うことも許されず、失意に沈むピゴワル・・・


※   ※   ※

 

       
 






       


■プロダクション・ノートより

クリストフ・バラティエ監督 インタビュー
原題にある“Faubourg (フォブール)”はパリに実在する場所ではありません。人民戦線時代に撮られた映画は、ほとんど日にちや地名など、特定する言葉が使われていないことをご存知ですか? マルセル・カルネやジャック・プレヴェールを位置づけるポエティック・リアリズムというのでしょうか。
だから私は美術のジャン・ラバスに、わざと町の地形を変えるようにお願いしました。私たちのフォブールからは、エッフェル塔とサクレクレール寺院の両方が見えます。
メニルモンタンでもなければ、モンマルトルでもベルヴィルでもないのですが、3つの町を少しづつ混合したような場所です。フォブールが都市と労働階級者の住宅の境に位置することも気に入ってます。

フォブールを作ったのだから、音楽もすべて作り直しました。世界を創造しようと、とことん創り込みました。さらに、実在する政治グループ名は、「人民戦線」以外使いませんでした。右翼の団体「国粋秩序戦線 S.O.C」は
劇用に作られたものですし、C.G.TはGuild(組合)としか出てきません。
当時の背景は、現在に通じるものがあります。消費の低迷、失業、外来者に対する不信感。それらを再現したいと考えました。フランスの国民が、やっと自由を味わえた頃、世界を切り裂く戦争の種は、すでに撒かれていたことを表したかったのです。1936年7月14日の革命記念日にフランスは崖っぷち踊っていたのだと。
でも私の手法は、歴史を語るのではなく、一日一日を語るものです。歴史からは物語が生まれます。そして何よりも私は想像力を掻き立てたかった。最後のシーンは幕が閉じるところで終わります。『天井桟敷の人々』に敬意を払っているともいえます。まるで舞台の幕引きのようにね。


 

 









■監督・脚本:クリストフ・バラティエ
1963年フランス生まれ。両親ともに舞台俳優で、母方の叔父がジャック・ペラン
という芸能一家に育つ。
パリ・エコール・ノルマル音楽院でクラシック・ギターを学ぶ。91年にジャック・ペランの製作会社ガラテ・フィルムに入り『リュミエールの子供たち』(95)、『ミクロコスモス』(96)、『キャラバン』(99)『WATARIDORI』(01)などを製作補として手がけ、01年に短編初監督作品『Les tombales』で注目を集める。04年の長編デビュー作『コーラス』は、世界的な大ヒットを記録。


■スタッフ
監督・脚本:クリストフ・バラティエ
製作:ジャック・ペラン、ニコラ・モヴェルネ 
原案:フランク・トマ、ジャン=ミシェル・ドレンヌ、ラインハルト・ワーグナー
音楽:ラインハルト・ワーグナー
作詞:フランク・トマ
撮影:トム・スターン
美術:ジャン・ラバス
衣装:カリーヌ・サファルティ
     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.chansonia.jp/

(C) Cos Aelenei

原題:FAUBOURG 36
2008/フランス・チェコ・ドイツ/シネマスコープ/35mm/120分
字幕翻訳:丸山垂穂
配給:日活