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あの日、欲望の大地で
THE BURNING PLAIN

2009年9月26日(土)、Bunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマ他全国ロードショー


■ストーリー
 シルヴィアは、ポートランドの海辺に建つ高級レストランのマネージャー。テキパキと仕事をこなす彼女は、スタッフや顧客からの信頼も厚い。しかし、ひとたび職場を離れると、彼女は別の女性に変貌を遂げた。行きずりの男と安易に肉体関係を持ち、自傷行為に走る。
  そんな彼女の前に、ある日、カルロスと名乗るメキシコ人男性が現れる。彼は、飛行機事故で瀕死の重傷を負った親友に頼まれ、シルヴィアの元へやって来たのだった。彼の傍らに立つ少女マリアの姿に動揺し、思わず逃げ出すシルヴィア。


 シルヴィアがマリアーナと呼ばれていた10代のころ。彼女の一家は、ニューメキシコ州の国境の町で暮らしていた。
  母親のジーナは、乳癌を手術で克服したばかり。彼女に代わって、父親と3人の幼い兄弟の面倒を見るのは、マリアーナの役目だ。家族は助け合い、仲睦まじく暮らしているかに見えた。だが、マリアーナは母の異変に気づいていた。買物に出たまま、夜遅くまで家に帰らないジーナ。その挙動に不信感を持ったマリアーナの推察どおり、ジーナは、最近出会った男と情事を重ねていたのだ。

 

 


■キャスト
シルヴィア:シャーリーズ・セロン
ジーナ:キム・ベイシンガー
マリアーナ:ジェニファー・ローレンス
ジョン:ジョン・コーベット
ニック:ヨアキム・デ・アルメイダ
サンティアゴ:ダニー・ピノ
カルロス:ホセ・マリア・ヤスピク
サンティアゴ(少年時代):J・D・パルド
ロバート:ブレット・カレン
マリア:テッサ・イア
 




       

 

 ジーナの情事の相手は、隣町に住むメキシコ人のニック。お互いに家庭を持つ2人は、中間地点のトレーラーハウスを忍び逢いの場所に選んだ。夫と違って胸の手術痕を意に介さないニックの腕の中で、ジーナは連日のように至福の時を過ごす。だが、それは唐突に終わりを告げる。2人の密会中に、トレーラーハウスが炎上する事故が発生。

 母の事故死は、多感なマリアーナの胸に大きな傷跡を残したが、それはニックの息子のサンティアゴにとっても同様だった。父は炎の中で何を思ったのか? その答えを探ろうとするかのように、マリアーナと接触をはかるサンティアゴ。そんな彼に、母の愛した男の姿を重ね合わせるマリアーナ。両親を真似るように密会を重ねるようになった2人は、やがて本気で恋に落ちる。
  しかし、それは決して周囲に受け入れられない禁断の恋だった・・・


※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

本作のプロデューサーをつとめるウォルター・F・パークスは、「ギジェルモは映画におけるまったく新しいストーリーテリングの手法を生み出したと言っても過言ではない」と、アリアガの脚本に讃辞を贈る。「とくに私たちを魅了したのは、キジェルモが彼独自のユニークな構造的アプローチを使って、主人公シルヴィアの感情的ミステリーを分解し、解明しようとしている点だった。シルヴィアはこの物語全体の要であり、この役が素晴らしい女優を惹きつけることは分かっていたからね」

パークスの予測どおり、過去の傷跡を秘めたシルヴィアの役柄は、『モンスター』でトラウマを持つ女性を熱演し、オスカーを受賞したシャーリーズ・セロンを惹きつけた。自身でメガフォンを取る覚悟を決めて彼女との1時間のランチ・ミーティングに臨んだアリアガは、そのミーティングが5時間に延長され、会話の内容が深まるにつれ、理想のシルヴィアをみつけたという確信を得た。「シャーリーズがイエスと言ってくれたとき、一気にこの映画が実現に近づいたんだ」と、アリアガは断言する。

いっぽうのセロンは、初めて脚本に目を通した瞬間から内容に取りつかれたという。「四六時中、この脚本のことばかり考えるようになってしまったの」と語る彼女は、のちにエグゼクティヴ・プロデューサーとして製作面にも参加することになった。「最初のミーティングのとき、私たちはきっとうまくやれると思ったし、登場人物に関する理解が同じであると実感したの」と、セロンは言う。


 

 









■監督・脚本:ギジェルモ・アリアガ 
1958年、メキシコシティ生まれ。イベロ・アメリカン大学を卒業後、小説家として、『Guillotine Squad』(91)、『A Sweet Smell of Death』(94)、『The Night Buffalo』(99)などを発表。
自らの自動車事故の体験を下敷きにした『アモーレス・ペロス』の脚本で映画に進出。許されない愛に身を焦がす3人の登場人物の運命が、自動車事故を通じてひとつに絡みあっていく物語を、時空を自在に操りながら描く個性的なスタイルで世界中の映画ファンを魅了した。
『21グラム』(03)でアメリカ映画に進出。『バベル』(06)では、愛とコミュニケーションの問題を追究。『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』(05)でカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞。
本作が長編監督デビュー作品。作家、監督に加え、プロデューサーや教師としても活躍している。


■スタッフ
監督・脚本:ギジェルモ・アリアガ
製作:ウォルター・F・パークス、ローリー・マクドナルド
製作総指揮:シャーリーズ・セロン、アリサ・テイガー、レイ・アンジェリク、トッド・ワグナー、マーク・キューバン、マーク・ブタン
キャスティング:デブラ・ゼイン
衣裳:シンディ・エヴァンス
音楽:ハンス・ジマー、オマー・ロドリゲス・ロペス
編集:クレイグ・ウッド
プロダクション・デザイン:ダン・リー
撮影監督:ロバート・エルスウィット

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://yokubou-daichi.jp/

(C)2008 2929 Productions LLC, All rights reserved.

原題:THE BURNING PLAIN
2008/アメリカ/英語・スペイン語/カラー/シネスコ/106分
配給:東北新社