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パリ・オペラ座のすべて
La Danse, Le Ballet de L' Opera De Paris

2009年10月10日(土)、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開


■ドキュメンタリー
今から348年前、フランスのルイ14世がパリ・オペラ座バレエ団を創り上げた。
パリ・オペラ座とは何か、長い間、どのように運営されてきたのか?
バレエを愛するワイズマン監督が、パリ・オペラ座の全面協力のもと、84日間に及ぶ密着取材をした。
ニコラ・ル・リッシュ、マチュー・ガニオ、アニエス・ルテステュほかのエトワール。トップダンサー達の練習風景。と創作プロセス。食事風景。手作業で布を染めるスタッフ。経営をめぐる会議。ダンサーの待遇をめぐる交渉・・・

シーン1 バーレッスン
ダンサーにとって1日の始まりはバーレッスン。毎日変わらず、12時ごろから、丸屋根下のレッスン場で行われる。

シーン2 「ジェニュス」リハーサル
新作「ジェニュス」振付家のウェイン・マクレガーが、マチュー・ガニオとマチエス・エイマンとクリエーションを行っている。

シーン3 「くるみ割り人形」コール・ド・バレエ リハーサル
群舞のリハーサル初日。指導しているのはメートル・ド・バレエのクロツルド・ヴァイエ。

 

 


■キャスト
エトワール/
エミリー・コゼット、オーレリ・デュポン、ドロテ・ジルベール
マリ=アニエス・ジロ 、アニエス・ルテステュ、デルフィーヌ・ムッサン
クレールマリ・オスタ、カデル・ベラルビ、マチュー・ガニオ、
ルティシア・プジョル、ジェレミー・ベランガール、マニュエル・ルグリ
ニコラ・ル・リッシュ 、エルヴェ・モロー、ウィルフリード・ロモリ
バンジャマン・ペッシュ、ジョゼ・マルティネズ
振付家/
ピエール・ラコット、ウェイン・マクレガー、
アンジュラン・プレルジョカージュ、マッツ・エック
芸術監督/ブリジット・ルフェーブル
事務局長/オリヴィエ・アルデアーノ
総裁/ジェラール・モーティエ
 




       


シーン4 「メディアの夢」リハーサル
再演される「メディアの夢」のリハーサルを、振付家のアンジュラン・プレルジョカージュが行っている。
エミリー・コゼット(メディア)、ヤン・ブリダール(イアソン)は今回が初挑戦。スジェのアリス・ルナヴァン(クレウサ)は初演で抜擢され踊っている。

シーン5 マッツ・エック振付け
マッツ・エック・プログラムのために、振付家本人による振付。ソロを踊るニコラ・ルリッシュの姿も見える。

シーン6 「くるみ割り人形」リハーサル
7年ぶりに上演されるヌレエフ版「くるみ割り人形」に主演するレティシア・プジョル(クララ)とジョゼ・マルティネズ(ドロッセルマイヤー)がリハーサルを行っている。非常に難易度の高い振付で、初挑戦のレティシアがかなり手こずっている様子。
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シーン12 打ち合わせ
パリ・オペラ座バレエ芸術監督のブリジット・ルフェーブルが、振付家エマニュエル・ガットとダンサーの選定などの打ち合わせをしている。ガットはこの翌春、はじめてオペラ座に作品提供することになっている。
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シーン35 会議
パリ・オペラ座バレエでは、決まったレッスンやリハーサルのほか、カンパニーが開催している週に1回はコンテンポラリーのクラスがある。そのクラスへのダンサー、特に若いダンサーの出席率が悪いことで、ブリジット・ルフェーブル芸術監督が会議を開いている。カンパニーの年間プログラムにコンテンポラリー作品が多いのだから、それを踊りこなすために必要なテクニック習得に、もっと向上心をもって取り組むようにと言っている。

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映画に登場する演目


■ジェニュス GENUS
振付:ウェイン・マクレガー
音楽:ジョビイ・トレボット&DERU
公演:2007年10月-11月 ガルニエ

タイトルは「種」という意味。ダーウィンの進化論がテーマ。ストーリーはなく、舞台上のスクリーンに虫や小動物、類人猿などのイラストが投影された中、エレクトリックな音楽でソロやパ・ド・ドゥが繰り広げられる。

■くるみ割り人形 CASSE-NOISETTE
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー
演奏:パリ・オペラ座管弦楽団
指揮:ケヴィン・ロードス
公演:2007年11月-12月 バスティーユ

クリスマスシーズンに世界各国で上演される演目。全体的におとぎ話というより大人向けの演出になっている。

■メディアの夢 LEC SONGE DE MEDEE
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ
音楽:マウロ・ランツァ
演奏:アンサンブル・コート・サーキット
指揮:ピエール=アンドレ・ヴァラード/ファブリス・ピエール
公演:2007年10月-11月 ガルニエ

ギリシャ悲劇「王女メディア」をモチーフにした作品。白い板だけが置かれたシンプルな舞台の天井から無数のバケツが吊り下げられている。シンプルな舞台で、『母親と愛人は両立しない』というメディアの苦悩と悲劇が展開される。

■ロミオとジュリエット ROMEO ET JULIETTE
振付:サシャ・ヴァルツ
音楽:ヘクトル・ベルリオーズ
演奏:パリ・オペラ座管弦楽団
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
公演:2007年10月  バスティーユ

ベルリンを拠点にするサシャ・ヴァルツの新作。「愛」をテーマにしたオペラとバレエのクロスオーバー三部作の完結作。舞台はシンプルで、大きな2枚の板が上下に開閉し、バルコニーや壁になったりしながら場面を転換させる。対立する両家の衣装は、白と黒で統一されている。

■パキータ PAQUITA
振付:ピエール・ラコット(ジョゼフ・マジリエとマリウス・プディバをモチーフとする)
音楽:エドゥアール・M・E・デルデヴェズ、ルートヴィヒ・ミンクス
演奏:コロンヌ管弦楽団
指揮:ポール・コノリー
公演:2007年11月-12月 ガルニエ

ナポレオン統治下のスペインを舞台に繰り広げられるロマンティックバレエで、長らく部分抜粋でしか上演されていなかったものを、ラコットガが2幕の作品として復元した。2001年にオペラ座で世界初演。ジプシー娘のパキータは実は貴族の娘で、恋に落ちたフランス将校リュシアンとめでたく結ばれるというストーリー。華やかで多彩な踊りがちりばめられた演目。
 
■ベルナルダの家 LA MAISON DE BERNARDA
振付:マッツ・エック
音楽:J・S・バッハ
振付助手:青山真理子
公演:2008年4月-5月 ガルニエ

スエーデン出身のマッツ・エックがスペインの詩人ガリシア・ロルカの「ベルナルダ・アルダの家」に基づいて振付けた。30年前の作品であるが、オペラ座では初演となる。夫を亡くしたベルナルダは8年間の喪を娘たちに強いていたが、長女の婚約者が末娘と恋に落ち、やがて家族が崩壊するというストーリー。

■オルフェオとエウリディーチェ ORPHEE ET EURYDICE
振付:ピナ・バウシュ
音楽:クリストファー・W・グルック
演奏:バルタザール=ノイマン・アンサンブル&合唱団
指揮:トーマス・ヘンゲルブロック
公演:2008年2月 ガルニエ

ピナ・バウシュ自身が主宰するヴッパタール舞踊団で1975年に初演、オペラ座では2005年に初演。ギリシャ悲劇に基づいたグルックのオペラに振付けられており、「悼」「暴力」「平和」「死」の4部構成。オルフェオは蛇に噛まれて死んだ妻エウリディーチェを黄泉の国から生き返らせる条件として「生の世界へ戻るまで振り返ってはならない」と言われていたのに、あとわずかで約束を破ってしまうというストーリー。


 
 

 









■監督・音声・編集・製作:フレデリック・ワイズマン
1930年ボストン生まれ。イエール大学で法律を学び、弁護士として活動する。ウォーレン・ミラー原作を映画化した、シャーリー・クラーク監督作品『クール・ワールド』(63)の製作に携わり、映画の製作、監督への道へと進む。監督デビュー作『チチカット・フォーリーズ』(67)では、精神疾患の犯罪者を収容する矯正院撮影し、組織のずさんさを批判。その後年1本のペースで北米を中心に巨大組織を対象としたドキュメンタリー映画を撮影・監督している。BGM、ナレーションを排除し、時間軸もばらばらにすることで主張を押し付けることなく、観客の感性や判断にゆだねるという手法を用いる。

■フィルモグラフィー
1967 チチカット・フォーリーズ
1968 高校 
1969 法と秩序 
1969 病院 
1971 基礎訓練 
1972 戒律
1973 少年裁判所  
1974 霊長類
1975 福祉
1976 肉
1977 パナマ運河
1978 シナイ半島視察団
1979 軍事練習
1980 モデル
1982 セラフィタの日記
1983 ストア
1985 競馬場
1986 聴覚障害
1986 視覚障害
1986 適応と仕事
1986 多重障害
1987 ミサイル
1989 臨死
1989 セントラルパーク
1991 アスペン
1993 動物園
1994 高校U
1995 アメリカン・バレエ・シアターの世界
1996 コメディ・フランセーズ 演じられた愛
1997 パブリック・ハウジング
1999 メインシ州ベルファスト
2000 最後の手紙
2001 DV-ドメスティック・バイオレンス
2002 DV2
2004 マディソン・スクエア・ガーデン
2006 州議会
2009 BOXING GYM


■スタッフ
監督:フレデリック・ワイズマン
撮影:ジョン・ディヴィー
編集:ヴァレリー・ピコ
音響:エルヴェ・ギャデール
製作:フランソワ・ガズィオ、ピエール・オリヴィエ・バルデ、フレデリック・ワイズマン

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.paris-opera.jp/

(C)Ideale Audience - Zipporah Films - France 2009 Tous droits reserves - All rights reserved

2009年/フランス/160分/ビスタ
翻訳:古田由紀子
提供・配給:ショウゲート