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ベジャール、そしてバレエはつづく
Le Coeur et le Courage, Bejart Ballet Lausanne

2009年12月下旬 Bunkamura ル・シネマ 他全国順次ロードショー


■ドキュメンタリー
 モーリス・ベジャール・バレエ団芸術監督として1年余、ジル・ロマンは、自身の振付作品「アリア」のワールド・プレミアを1ヵ月後控えていた。ベジャールの作品を継承しながら、新作も上演することが、ベジャールとの約束だった。
 今回の公演は、40人のダンサーたちの未来がかかっている。バレエ団を助成するローザンヌ市が、3年間の援助を発表したが、その後どうなるかわからないからである。

 ローザンヌ市の文化局長は「観客がどう受け止めるか見守るべきです」と、舞台の評判で判断することを示唆する。
 ダンサーたちも、今度の舞台の大切さがわかっていた。「どの舞台よりも、バレエ団の将来がかかっているわ」と語るエリザベット・ロス。「ベシャールの稽古は緊張の連続だった」と語るダヴィッド・クピンスキー。「モーリスの願いは、続けることよ」と語るダフニ・モイアッシ。そしてカテリーナ・シャルキナは「彼のバレエ団作品を守り続けるわ」と決意する。一方、「残るべきか、去るべきか、自分に問いかけた」と告白するジュリアン・ファブロー。そして、「やがて考え直した。モーリスは僕をアーティストに育ててくれた。だから自分の使命は、彼の作品を踊り続けることだ」と。

 


■キャスト
ジル・ロマン
モーリス・ベジャール・バレエ団員
ジョルジュ・ドン
ショナ・ミルク
ジャン=クリストフ・マイヨー
ブリジット・ルフェーブル
クロード・ベッシー
ミシェル・ガスカール
 




       

 

 「ベジャールが、あなたに遺した一番大事なものは?」とロマンに問いかけるインタビュアー。ベジャールの声が答える。「私は時間をかけて、ジル・ロマンの資質を理解した。彼がいかに私に近いか悟ったのだ。私は彼だけを見て、自分の作品を上演し、守り、所有し続けた。他の誰のものでもない。今、このバレエは彼のものだ」
連日の激しいレッスンで首を痛めたファブローは「疲れ果てたときこそ、ベストなものが出る」と、代役をおかないロマンのために、再び立ち上がる。そしてバレエは続く・・・

※   ※   ※

 

       
 




       

■プロダクション・ノートより

アランチャ・アギーレ監督 インタビュー
モーリス・ベジャールは私にとって大きな影響を受けた芸術家であり、ドキュメンタリーを始めた頃から彼についての映画を撮るのが夢でした。
チャンスは2008年の2月、マドリッドのロイヤル劇場でのモーリス・ベジャール・バレエ団の公演の際に訪れました。彼らはベジャールを2ヶ月前に失ったばかりで、私は“危機的な状態”を感じました。ここにこそ、ドキュメンタリーとしての映像に残す意義が存在するのではないかと思いました。
ベジャールに対する最高のオマージュは、彼の生涯をドキュメンタリーにすることではなく、指針を失い苦しんでいる時のダンサーたちの努力を映し、彼らがベジャールの名のもとで最高のものを出し続けていくことを証言すること。それこそが、ベジャールに対してのオマージュだと思ったのです。

■登場作品
アダージェット、ワンカイノ、恋する兵士、バトゥカーダ、トリスタンとイゾルデ、我々のファウスト、ウーム・カルスームのソロ、第9交響曲、ボレロ、七つのギリシャの踊り、マヌーラ・ムウ


 







■監督:アランチャ・アギーレ
1965年マドリッド生まれ。スペイン大学の教授の資格を持ち、ルイス・ブニュエル論なあどの書籍を執筆。ペドロ・アルモドバルなど、20作品以上のアシスタント・ディレクターをつとめた。ベジャールのバレエ学校ルードラでバレエを学んだ経験がある。


■スタッフ
監督:アランチャ・アギーレ
プロデューサー:ホセ・ルイス・ロペス=リナレス
撮影:カルロス・カルカス、ホセ・ルイス・ロペス=リナレス
編集:セルジオ・デウストゥア
製作:ヘマ・マルティネス カルメン・ウライ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.cetera.co.jp/bbl

(C)López-Li Films 2009

原題:Le Coeur et le Courage, Béjart Ballet Lausanne
2009年/スペイン/80分/ビスタサイズ
日本語字幕:古田由紀子

配給:セテラ・インターナショナル、アルバトロス・フィルム