抱擁のかけら
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■キャスト レナ:ペネロペ・クルス マテオ・ブランコ、ハリー・ケイン:ルイス・オマール ジュディット・ガルシア:ブランカ・ポルティージョ エルネスト・マルテル:ホセ・ルイス・ゴメス ライ・X:ルーベン・オカンディアノ ディエゴ:タマル・ノバス |
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1994年、マドリード。初めて会った時からマテオは、その女が何者なのか知っていた。彼女の名前はレナ、有り余る富と絶大な権力を誇る実業家エルネスト・マルテルの愛人だ。何もする必要のない退屈な日々の中でレナは、一度は諦めた、女優になる夢を追いかける。新進監督のマテオが、新作のコメディ「謎の鞄と女たち」を撮ると聞きつけたレナは、オーディションに申し込む。 彼女をひと目見た瞬間、マテオは心を奪われ、素人同然の彼女を主役に抜擢する。レナもまた、才能に輝くマテオに惹きつけられる。二人が恋に落ちるのに、時間はかからなかった。
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本作の主人公たちは、「謎の鞄と女たち」というコメディ映画を撮影している。マテオが監督、レナが主人公、ジュディットがプロダクション・マネージャー、そしてレナの愛人エルネストがプロデューサーだ。さらにエルネストJr.が“メイキング”ビデオを担当している。 この作品の特徴として、“ダブル”というテーマがある。この“ダブル”は、“両義性”や“二重”という意味ではなく、“重複”“繰り返し”という意味である。
たとえば、エルネストJr.は父親の言動をそっくり真似している。Jr.は、本当はゲイなのに、父親と同じく2度結婚している。彼が父親を嫌ったように、自分のことを嫌う二人の子供がいる。親子の関係は、“繰り返される”のだ。
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■監督・脚本:ペドロ・アルモドバル 1949年、ラ・マンチャ州生まれ。17歳で家を出て、映画を学ぶためにマドリードに移るが、フランコ政権の閉鎖により、公的な映画学校に入学するのは不可能となる。71年にスペインの電電公社に就職し、初めてスーパー8mmカメラを購入する。そこで管理スタッフとして12年間働く。様々な反体制派の雑誌に記事を書き、パロディ・パンクロック・グループ“アルモドバル&マクナマラ”のメンバーであった。 80年に予算ゼロの映画『Pepi, Luci, Bom』を監督。86年、製作会社エル・デセオSAを弟のアグスティンと共に設立。二人が手がけた初めての作品が『欲望の法則』(87)。 88年、『神経衰弱ぎりぎりの女たち』で世界的な注目を浴びる。『オール・アバウト・マイ・マザー』(98)で、米アカデミー賞外国語映画賞を獲得。3年後、『トーク・トゥ・ハー』(02)は、米アカデミー賞最優秀脚本賞のほか、世界中で多くの賞を獲得。 2004年、『バッド・エデュケーション』がカンヌ国際映画祭のオープニング作品に選出される。 06年、アストゥリアス皇太子賞の芸術部門賞を授与される。同年、『ボルベール<帰郷>』をカンヌ国際映画祭コンペティションに出品し、最優秀脚本賞とペネロペ・クルスを筆頭に出演した6名の女優全員が最優秀女優賞に輝いた。この作品は、ヨーロッパ映画賞の5つの賞、ゴヤ賞の5つの賞、国際映画批評家協会賞、全米映画批評会議賞、その他72の各賞を獲得。 ■スタッフ 監督・脚本:ペドロ・アルモドバル 撮影監督:ロドリゴ・プリエト 音楽:アルベルト・イグレシアス 編集:ホセ・サルセド 製作:エステル・ガルシア 製作総指揮:アグスティン・アルモドバル |
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2009年/スペイン/スペイン語/128分/カラー/シネスコ |
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