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ドン・ジョヴァンニ
天才劇作家とモーツァルトの出会い
IO, DON GIOVANNI

2010年4/10(土)、Bunkamura ル・シネマ、銀座テアトルシネマにてロードショー


■ストーリー
 1763年、ヴェネツィアの教会。ユダヤ人の子供たちが並んで洗礼を受けている。礼拝者、見物人の中にジャコモ・カサノヴァの姿がある。自らユダヤ人であるカサノヴァは、儀式を苦々しく見ていた。
  ユダヤ人少年のエマヌエーレ・コネリャーノは、首にかけている六芒星(ヘキサグラム)のペンダントヘッドを握り締めていた。エマヌエーレはキリスト教に改宗する決心がつかず洗礼の列から離れる。

 教会の保管室で、エマヌエーレは大型本の「神曲」に目を留める。そこには美しいベアトリーチェの挿絵が描かれていた。司祭はエマヌエーレに、教会のすべての書物を閲覧する自由と引き換えに、洗礼を受け入れるよう促した。こうしてエマヌエーレロレンツォ・ダ・ポンテと改名することになる。

 

 


■キャスト
ロレンツォ・バルドゥッチ
リノ・グワンチャーレ
エミリア・ヴェルジネッリ
トビアス・モレッティ
エンニオ・ファンタスティキーニ
フランチェスカ・イナウディ
 





       

 

 青年となったダ・ポンテは、神父として仕えながらも自由や芸術を愛し、放蕩三昧。文筆の才能を発揮し教会や権力の皮肉る過激な作品を発表することもあった。秘密結社に属し、教会に反逆したとしてダ・ポンテは逮捕され、審議会の場でヴェネツィアから15年間の追放を言い渡される。
 
  カサノヴァはダ・ポンテにヴェネツィアよりも自由な気風に溢れたウィーンに行くことを薦め、アントニオ・サリエリへの紹介状を託す。

 サリエリを訪ねる途中、美しい音色を奏でるヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトと出会う。オペラのリハーサルを行うサリエリの元についたダ・ポンテは皇帝ヨーゼフ二世に紹介される。放蕩者と噂されるダ・ポンテに興味を抱いた皇帝は、彼にモーツァルトのオペラの新作を書くように提案する。


※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

カルロス・サウラ監督 インタビューより


ドン・ファンの物語は、これまで数々の舞台やオペラで語られてきたが、ロレンツォ・ダ・ポンテとヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、そしてカサノヴァという3人の密な共同作業から生まれた《ドン・ジョヴァンニ》ほど、強烈で魅惑的かつ見事な作品はない。カサノヴァがプラハで作品に深く関わったという説は昔から囁かれ、それを疑う理由もない。

劇中、我々はこのことについても詳しく紹介している。こうしたカリスマ性のある非凡な3人が揃い、オペラ史上最高傑作の1つを作り上げたのだ。
ドン・ジョヴァンニという人物に、3人とも大いに思い入れがあったと、私は確信している。ウィーンの社交界がセックスというものを表から隠して理想化する傾向があり、生々しく通俗的なその姿をあまりにも上品に扱うことが気になった3人は、オペラに息吹きを与えるドラマに加え、皮肉とユーモアが絶妙なバランスで調合された素晴らしい台本と音楽を通じて、まったく異なる視点からいかにしてそれを暴き出すかを話し合ったに違いない。

ドン・ジョヴァンニはただの貪欲な色男ではない。自由な恋愛と、慣習からの解放を願うメタファーだ。彼の冒険は、危険な賭けや反道徳性、無節操さとごまかしを原動力としている。恋の企みにとり憑かれた、誘惑の達人なのだ。


 

 









■監督:カルロス・サウラ
1932年、スペイン、アラゴン州、ウスエカで生まれる。母はピアニスト、兄は画家。幼い頃から音楽や写真に興味を示し、18歳で16ミリ映画を製作。カメラマンとして雑誌などで活躍後、1957年に国立映画研究所の監督科を卒業。
1959年に少年たちの非行をテーマにした初長編「ならず者」を発表。1966年「狩り」と1968年の「ペパーミント・フラッペ」はベルリン国際映画祭最優秀監督賞を受賞。以後、『従妹アンヘリカ』(74)、『カラスの飼育』(76)、『ママは百歳』(79)、『急げ、急げ』(80)、『血の婚礼』(81)、『カルメン』(83)、『恋は魔術師』(86)、『エル・ドラド』(88)、『歌姫カルメーラ』(90)、『愛よりも非情』(93)、『フラメンコ』(95)、『タンゴ』(98)、『サロメ』(02)、『イベリア 魂のフラメンコ』(05)などの作品を送り出している。



■スタッフ
監督:カルロス・サウラ
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ
脚本:カルロス・サウラ、ラファエロ・ウボルディ、アレッサンドロ・ヴァリーニ
ストーリー:ラファエロ・ウボルディ
美術:パオラ・ピッザッリ、ルイス・ラミレス
衣装:マリーナ・ロベルティ、ビルギット・フッター
音楽:ニコラ・テスカリ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.don-giovanni.jp/

(C)2009: Edelweiss Production (Italia), Intervenciones Novo Film 2006, AIE e Radio Plus (Spagna)

原題:IO, DON GIOVANNI
2009年/イタリア=スペイン/イタリア語、ドイツ語/2時間7分/スコープサイズ
配給:ロングライド