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カ ケ ラ
kakera

2010年4月3日よりユーロスペースほか全国順次ロードショー


■ストーリー
お月様も満月は一日だけ。
あとはずっと欠けてるんだよ。
欠けている月もきれいだよ。

「こういうこと、よくするの?」 「ねぇ、女の子にしか、興味がないの?」
ある日のカフェで、こんな軽い会話をかわし、
正反対のふたり、ハルとリコの微妙な関係は始まった――。

女子大生のハルにはボーイフレンドがいる。
でも彼は、ちっともハルと心を交わしてくれない。

リコは、病気や事故で体の一部を失くした患者さんのパーツを作っている。
リコの創る義肢たちは、患者たちから評判を呼んでいて、みんなはリコのことを、メディカル・アーティストと呼んでいる。ただ単に失った体の一部を創るんじゃなく、ひとの心の再生も担っている。

 


■キャスト
満島ひかり、中村映里子、津川雅彦、かたせ梨乃ほか
 




       

 

患者さんの人生や、哀しみに触れることが多いリコは、繊細なリベラリスト。
愛するという気持ちに、オトコもオンナも関係ないと考えている。

リコの強い人生観に諭され、ハルは、カレシ(涼太)から単なる便利な女としか見られていないことに、ふと気づく。どっちつかずでつれない毎日を、なんとなくリコと一緒に過ごしていたハルは、最近、自分にも本当のシアワセの意味が判ってきたような気がしている。

いつの間にか、ふたりの関係は、なんとなく親密なものへと発展中。
ハルは、リコの一方的な愛情に、少しだけウンザリして、世間の偏見と、いま自分が置かれている状況と、見えなくなった自分のキモチの間で、心がキシキシ、言っている。

ココロスキマを埋めてくれる「ワタシのカケラ」は、どうしたら見つかるの?・・・


※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

安藤モモ子 監督 インタビュー

――この映画を撮ることになったきっかけは?
桜沢エリカさんのマンガ「ラブ・ヴァイブス」を映画にしたいという話をプロデューサーにいただいたんです。
読んでみたら女の子同士の話。実はそれ以前から、初監督作品では女同士の話をやろうかな、となんとなく思っていたこともあったので、それでピンときて挑戦してみようと思いました。
原作を読んで一気にイメージは広がりました。
原作では女の子の恋愛の中で重要なことがしっかりと描かれていましたので、エキセントリックな女のコと彼氏という存在はそのままに、バックグランドを自分で作っていこうと思いました。
そして、女の人にしか言えないような深いセリフを散りばめつつ、女同士の恋愛物語ではなく、人と人との話にしよう・・・女、男ではなくアイデンティティを求める主人公にしよう・・・そうやってイメージを膨らませているうちに、女の青春映画として扱ったらおもしろくなるんじゃないかなと思ったんです。原作を膨らませることで、逆にオリジナル性が出せるとも思いました。

――ハルとリコ、それに陶子のキャラクターはどのように構築されましたか?
ハルとリコという名前は原作とは違いますが、リコにはアイデンティティを持たせて、ハルはどう生きていいかわからない現代の女の子にしようと思いました。リコはエキセントリックに思えるかもしれないけど、実はそうでもなくて不器用で神経質。
ハルとであった時に「触ったり触られたりするのが大好き」と言っておきながら、本当は愛している人にしか触られたくない。だからシャツもジャケットも全部ボタンをとめてるんですよ。
矛盾してるけど、潔癖というか清潔な女の子にしたかったんです。
ハルは現代の女の子の象徴というか、自己主張できない流されやすい子。そして陶子は、最初はハルとリコの愛を確かめるための要素として考えていたんですが、もうひとつのかけている心、人生をさまよっている中年の女性を描きたいと思いました。
脚本を書きながら、自分の青春の引き出しの嫌な部分も開けていきました。私もハルみたいに自分の人生に不安や疑問があった時期があったけど、自分の痛いところも全部苦しんで出さなきゃ伝わらないと思いました。「本当の恋愛とは何か」ということに気づくことが大切で、彼女たちはそれ以前の始まりのところにいるんです。この物語を通じて、主人公たちの、肉体的な1歩、そして精神的な1歩を踏み出す!ということを描きたいと思いました。


 

 









■監督・脚本 安藤モモ子
1982年、東京生まれ。奥田瑛二の長女。高校時代からロンドンに留学し、ロンドン大学芸術学部を次席で卒業。当初は美術を志すが18歳の時に映画に目覚める。2001年、奥田監督の『少女』で美術、製作進行アシスタントを担当以降、数々の撮影現場を経験。行定勲監督の『遠くの空に消えた』(06年)では助監督を務めた。その他舞台の演出助手も経験。本作が映画監督としてのデビュー作。


■スタッフ
プロデューサー:桃山さくら
監督・脚本:安藤モモ子
音楽:ジェームス・イハ(元スマッシング・パンプキンズ)
撮影:石井浩一
照明:櫻井雅章
美術:嵩村裕司
録音:横野一氏工
製作:ゼロ・ピクチュアズ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://love-kakera.jp/index.html

(C)2009ゼロ・ピクチュアズ

2009年/107分/35mm/1:1.85
配給:ピクチャーズデプト