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ボローニャの夕暮れ
Il papà di Giovanna

2010年6月26日、渋谷ユーロスペース、銀座シネパトスほか全国順次公開


■ストーリー
 1938年イタリア、ボローニャ。ジョヴァンナは市内の高校に通う17歳。自分の容姿に自身が持てず、年頃なのに恋愛にも縁がない。毎朝一緒に通学する父ミケーレは、同じ高校の美術教師。ジョヴァンナのことが気が気ではなく、ことあるごとに励まそうとする。

 ある日ミケーレは、校庭で学生の人気者ダマストリとはにかみながら会話するジョヴァンナの姿を目にし、思わず教師としてあるまじき提案をダマストリに持ちかける。「君が進級できるかどうかは、私の一存にかかっているんだ。娘のジョヴァンナを知っているだろう?繊細な娘なんだ。傷つけないように親切にしてやってくれよ」と。


 


■キャスト
シルヴィオ・オルランド
フランチェスカ・ネリ
エツィオ・グレッジョ
アルバ・ロルヴァケル
セレーナ・グランディ
 




       

 

 そんなこととは知らず、想いがかなったとはしゃぐジョヴァンナ。ミケーレは微笑ましく見守るが、現実的な母デリアは、人気のある男子生徒が冴えないジョヴァンナに興味を持つはずがないと言い、ミケーレがそそのかしたんじゃないかといぶかしむ。しかしデリアの心配をよそにジョヴァンナは同級生マルチェラの誕生日パーティに出席するため、ドレスを新調し、化粧をしていそいそと出かけていった。
 
  夜11時過ぎ、ミケーレとデリアが帰りの遅いジョヴァンナを気にかけ始めたころ、一本の電話が入る。連絡を受けたミケーレが、あわてて駆けつけると、ジョヴァンナ具合の悪くなったジョヴァンナが奥の部屋で横たわっていた。ミケーレは、ダマストリが自分とだけ踊ってくれないと、ジョヴァンナが泣いて騒いだことを告げられる。
 
  数日たった夜、ミケーレとデリアが家に帰ると、ジョヴァンナに声をかけるが、部屋に鍵がかかっていて、つれない返事しか返ってこない・・・・

※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

プーピ・アヴァーティ監督 インタビュー

この映画のアイデアは?ここで語りたかったことは?
「ここしばらく私は、この数年で父親という存在が次第に色あせつつあることに気づかされ、それについて考察を続けていました。前作『出会いのための夕食』でもすでに私は、三人のそれぞれ別の母親から生まれた娘たちに対して配慮を欠く父親を映画の主人公にすることで、この自分の嗜好、好奇心を表していました。今回、私は自分の関心を娘と父親の間を走る“優先車線”に注いだのです。それは私自身が父親としての経験で自分の身をもって味わった、とても親密で大いに共犯関係的なものなのです」

劇中で何が起こるのでしょうか?
「さまざまな出来事を起こす原因となるのは、シルヴィオ・オルランド演じるこの父親が、娘のジョヴァンナの不幸に対して抱く責任感なのですが、彼女が通う高校の教師である彼は、この不幸を毎日目の当たりにしているのです。こうした恨みは、魅力的な母親フランチェスカ・ネリとはあまりにも対照的なジョヴァンナの、異性の気を惹くには程遠い外見に拠っています。
父親の側からの、娘を救おうとする執拗で、しばしば無器用で、時に不適切な試みは少女を良くない行動へと向かわせることになるのです。
ここからとりわけ、自分の増し続ける一方の責任の重圧を感じる父親の目を通して描かれる人間模様が繰り広げられていきます。それはある意味でわれわれに、今日起きている、同じように痛ましい出来事を思い起こさせる人間模様なのです」


 

 









■監督・脚本・原案:プーピ・アヴァーティ

1938年、ボローニャ生まれ。フィレンツェの大学で政治学を専攻していたが、ジャズに興味をもち、クラリネットを習得して、卒業後はアマチュアミュージシャンとして活動する。
ボローニャで開かれた第1回ヨーロッパ・ジャズ・フェスティバルで優勝するが、生活は苦しく、家具のセールスや冷凍食品会社で働く。
フロレスターノ・ヴァンチーニ監督の『残酷な夜』、フェリーニの『8 1/2』との出会いで映画監督の仕事に興味を持つ。
1968年『バルサムス』で監督デビュー。以来、30本以上の作品を監督する。

主な監督作品
1968 『バルサムス』
1976 『笑む窓のある家』
1978 『Jazz Band』
1983 『ゼダー 死霊の復活祭』『追憶の旅』
1984 『モーツァルト 青春の日々』
1986 『クリスマス・プレゼント』
1989 『いつか見た風景』
1991 『ジャズ・ミー・ブルース』
1994 『オーメン黙示録』
1997 『恋は結婚式の後で・・・』
1999 『真夏の夜のダンス』
2001 『ナイト・オブ・ゴッド』
2003 『心は彼方に』『クリスマスの雪辱』
2005 『二度目の結婚』
2008 『ボローニャの夕暮れ』
ほか


■スタッフ
監督・脚本・原案:プーピ・アヴァーティ
撮影監督: パスクワーレ・ラキーニ
編集:アメデオ・サルファ
音楽:リズ・オルトラーニ
美術:ジュリアーノ・パンヌティ
衣装:マリオ・カルリーニ、フランチェスコ・クリヴェッリーニ
録音:ピエロ・パリージ
製作・脚本:アントニオ・アヴァーティ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.alcine-terran.com/bologna/

(C) 2008 DUEA FILM - MEDUSA FILM

原題:Il papà di Giovanna
イタリア/2008年/1時間44分/35ミリ/シネマスコープ/
配給:アルシネテラン