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終着駅
―トルストイ最後の旅

The Last Station

2010年9月11日(土)より、TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ他にて全国順次ロードショー


■ストーリー
 ロシアの偉大な文豪レフ・トルストイの献身的な妻、そして協力者として、50年近く結婚生活を送ってきたソフィヤ伯爵夫人の世界が、ある日突然ひっくり返る。新たに起こした宗教の名のもと、トルストイが爵位や財産、そして家族さえも捨て、貧困と菜食主義と独り身になることを選んだのである。
 トルストイの信頼する弟子であり、自分が忌み嫌うウラジミール・チェルトコフが、新しい遺書に署名するよう夫を説得したらしいと知ったソフィヤは、激しく憤る。その遺書には、トルストイの作品に関する権利を、家族ではなくロシア国民に与えると書かれていた。
彼女は、自分のものだと信じているものを失うまいと、猛然と戦う。

 


■キャスト
ソフィヤ・トルストイ:ヘレン・ミレン
レフ・トルストイ:クリストファー・プラマー
ワレンチン・ブルガコフ:ジェームズ・マカヴォイ
チェルトコフ:ポール・ジアマッティ
サーシャ・トルストイ:アンヌ=マリー・ダフ
マーシャ:ケリー・コンドン
ダシャン:ジョン・セッションズ
セルゲンコ:パトリック・ケネディ
 




       

 

 そこに、トルストイを崇拝する世間知らずの新しい助手、ワレンチン・ブルガコフがやってくる。彼は、チェルトコフとソフィヤが、互いに相手の利益を損なおうとする争いのなかで、まずチェルトコフに、次にソフィヤに駒として利用されそうになる。また、ワレンチンは、共同体で暮らすマーシャへの情熱的な想いを寄せるが、トルストイの唱える理想主義の信奉者であるマーシャの型破りな考え方に困惑する。トルストイのいう理想の愛に心酔する一方で、彼の波乱万丈な結婚生活に戸惑うワレンチンには、現実の世界における複雑な愛の対処術はまだ会得できない。
  一方、自分を取り巻く環境があまりにも複雑になりすぎたことから、トルストイは、ついに82歳にして、真夜中に家出を図る・・・

※   ※   ※

 

       
 





       


■プロダクション・ノートより

マイケル・ホフマン監督インタビュー

ジェイ・パリーニの小説「終着駅-トルストイ最後の旅-」は、出版されてすぐ読んだんだ。そして本にインスパイアされて、猛然とトルストイの本が読みたくなり、「アンナ・カレーニナ」とトルストイの伝記をいくつか再読した。でもその時は、「終着駅」が映画化に適した作品だとは思っていなかった。映画作品としての可能性を真に理解したのは、2004年に再びこの本を手に取った時。その間に自分も10年間の結婚生活を営んでいたので気づけたんだと思う。最初はストーリーが見えただけだったが、2度目に読んだ時には愛と結婚が見えた。ジェイの素晴らしい本を読み、僕が作りたいと思ったのは、伝記ではなく、愛と結婚にまつわる悲喜劇を探求する映画だった。愛と共に生きることの難しさと愛なしで生きることの不可能さ、失われた愛と見出されたばかりの愛、新鮮な愛と時の移り変わりに引き裂かれた愛についての物語を伝えたいと思ったんだ。
かつてトリュフォーは、「二流の本は一流の映画になる」と言っていたけれど、困ったことにジェイ・パリーニの「終着駅 トルストイの死の謎」は、一流の本だった。6つの視点、つまり主だった6人の登場人物たちが、一連の出来事について綴った日記から成立する複雑な構造で、脚色する糸口を見つけるのはかなりチャレンジングだった。

 

 









■脚本・監督マイケル・ホフマン
1956年、アメリカ・ハワイ州ホノルルに生まれ。アイダホ州の田舎で育ち、ボイジー州立大学で舞台芸術の学位を取得。オックスフォードのオリオル・カレッジでは英文学を専攻し、そこでヒュー・グラント、イモジェン・スタッブス、ジェームズ・ウィルビー主演の学園ドラマ映画『オックスフォード・ラヴ』を作った。
1983年、彼の書いた『プロミスド・ランド/青春の絆』の脚本によるサンダンス・インスティテュートでのワークショップでキャリアを開始。この作品は、1987年、メグ・ライアンとキーファー・サザーランド主演で自身が監督した。1988年、『ダルク家の三姉妹』を監督。1991年には、初のメジャー作品となったヒット・コメディ作品『ソープディッシュ』を手がけた。その後、歴史劇『恋の闇 愛の光』で1995年アカデミー賞美術賞、衣装デザイン賞を受賞。
『素晴らしき日』(97)、『真夏の夜の夢』(99)、『卒業の朝』(01)、『ライフ・イズ・ベースボール』(05)を監督。


■スタッフ
脚本・監督:マイケル・ホフマン
製作:クリス・カーリング、イェンス・モイラー、ボニー・アーノルド
製作総指揮:アンドレイ・コンチャロフスキー、フィル・ロバートソン、ジュディ・トッセル、ロビー・リトル
原作:ジェイ・パリーニ「終着駅-トルストイ最後の旅-」(新潮文庫刊)原題:THE LAST STATION
撮影:セバスチャン・エドシュミット 
編集:パトリシア・ロンメル 
美術:パトリツィア・フォン・ブランデンスタイン
衣装デザイン:モニカ・ジェイコブス
作曲:セルゲイ・イェチェンコ
     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.saigo-tabi.jp/

原題:The Last Station
原作:「終着駅―トルストイ最後の旅―」ジェイ・パリニ(新潮文庫刊)
2009年/ドイツ、ロシア映画/PG12
スコープサイズ/全6巻/3,089m/1時間52分
字幕翻訳:牧野琴子
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント