リトル・ランボーズ
Son of Rambow

2010年11月6日、渋谷シネクイントほか全国にて公開


■ストーリー
　1982年、イギリス郊外のできごと。
11歳の小学5年生、ウィル・プラウドフット（ビル・ミルナー）は、父親のいない家庭で母親、妹、おばあちゃんと暮らしている。彼はプリマス同胞教会の厳格な道徳律の元に育てられたため、音楽や映画、テレビなど、同年代の子供たちが夢中になっているものすべてを禁じ
られて暮らしている。おまけに最近、母親に接近しているジョシュアという教会の男が家によくやってくる、なんだか息苦しい毎日。
　そんなウィルの唯一の楽しみは、思いつくまま自由に、オリジナルのイラストやパラパラマンガをノートや聖書に描くことだった。

　

 

　ところが、ある日のこと。 校内の不良少年リー・カーター（ウィル・ポールター）と知り合ったウィルは、一気に彼の強烈な世界に引き込まれていく。学校きっての問題児で、いろんな悪さを平気で働くカーターだが、やはり父親のいない家庭で育った彼は、留守がちな母親に代わり横暴な兄の朝食も作る自立した少年だった。気弱で内気なウィルと、乱暴で悪ガキのカーター。一見、対照的なふたりだが、共に孤独で想像力豊かなふたりの友情が育つのに時間は掛からなかった。
　 やがてウィルの日常を決定的に変える出来事が起こる。それは老人ホームを営むカーターの自宅の広い小屋で、生まれて初めて観た一本の映画――『ランボー』のビデオだった。ウィルはシルベスター・スタローン演じるベトナム戦争帰還兵の傷だらけのヒーローに、人生最初で最高の衝撃を受ける。
　
　そして「僕はランボーの息子だ！」と名乗り、ランボーに成り切ったスタイルでカーターのもとに登場。兄貴ローレンス（エド・ウェストウィック）のビデオカメラで自主映画を撮り始めていたカーターの作品に出演することを宣言する。主演はウィル、監督はカーター。こうしてふたりのエキサイティングな映画作りがスタートした・・・

※　　　※　　　※

 

■プロダクション・ノートより

ガース・ジェニングス監督インタビュー

『リトル・ランボーズ』は、監督のガース・ジェニングスによる全身全霊の一本である。なぜならこのストーリーは、彼自身の想い出がベースになっているのだ。
彼は少年時代、友人たちとホームムービーを作っていた。きっかけになったのは、シルベスター・スタローン主演、テッド・コッチェフ監督のハリウッド製アクション映画『ランボー』(82)の海賊版コピーだ。それを観た時の衝撃をガースはこう語っている。
「ランボーの勇姿は僕たちの小さな心を吹き飛ばした。彼は崖から飛んだり、腕の傷を自分で縫い合わせたり、自分一人で軍隊をやっつけることのできる超人。ベトナム戦争のことは僕らの頭上を通り越し、そこにいるのは、素手で世界と対決する一人の男だったんだ！」
そしてガースと仲間たちは『ランボー』を模倣した自分たちの映画の制作に着手する。今回の映画で描かれたウィルとカーターのように。

■監督・脚本：ガース・ジェニングス
1972年 イギリス生まれ
1996年、大学時代の友人で、本作のプロデューサーのニック・ゴールドスミス、ドミニク・ラングとコンビを組み、ミュージック　　ビデオやテレビ・コマーシャルを手がける製作会社、ハマー＆トングスを設立。ブラーの「Coffee & TV」、ファットボーイ・スリムの「Right Here, Right Now」、スーパーグラスの「Pumping on Your Stereo」、R.E.M.の「Imitation of Life」などのミュージックビデオで世界的に高い評価を受けている。スパイク・ジョーンズ監督の推薦により、『銀河ヒッチハイク・ガイド』（05）にて映画監督デビュー。全米英で週間興行収入第1位になるなど活躍の幅を広げている。



■スタッフ
製作：Hammer & Tongs
監督：ガース・ジェニングス
プロデューサー：ニック・ゴールドスミス
撮影：ジェス・ホール　
キャスティング：スージー・フィギス
製作デザイナー：ジョール・コリンズ
編集：ドミニク・レオン
音声：ギョーム・シアマ、ジョゼフ・パーク=ストレーシー、オリビエ・ドゥ・フー
音楽：ジョビー・タルボット
美術：ロビン・パイバ
衣装：ハリエット・コーリー