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ヤコブへの手紙
POSTIA PAPPI JAAKOBILLE

2011年1月15日、銀座テアトルシネマほか全国順次公開


■ストーリー
 模範囚として恩赦を言い渡されたレイラ。12年間暮らした刑務所から釈放されても身寄りのないレイラは、不本意ながらもすすめられるがまま、ある牧師の家に住み込みで働くことになった。
  レイラが訪ねた家には、盲目の牧師ヤコブがいた。「いらっしゃい、よく来てくれましたね。」 レイラを温かく迎え入れるヤコブ牧師。しかし、すぐにそこを出て一人で生活を始めたいレイラは牧師にそっけない態度をとってしまう。


 そんなレイラにヤコブ牧師は、目の見えない彼がただ一つできないことを仕事としてお願いする。それは毎日届けられる手紙を読み、その返事を彼の代わりに書くこと。それが、レイラの仕事だった。「ヤコブ牧師、郵便ですよ」自転車に乗った郵便配達人によって、毎日届く手紙。

 


■キャスト
カーリナ・ハザード
ヘイッキ・ノウシアイネン
ユッカ・ケイノネン
エスコ・ロイネ
 




       


  「親愛なるヤコブ牧師様・・・」手紙の送り主たちは、些細なことから、誰にも打ち明けられないことまで、いろいろな悩みを手紙で告白する。孫の就職口がないこと、学校が嫌いでたまらないこと、夫の暴力が収まらないこと・・・。一度だけ手紙を送ってくる人もいれば、何度でも送ってくる人もいる。

 さまざまな内容の手紙のひとつひとつに、丁寧な返事をするヤコブ牧師。手紙の送り主たちは、ヤコブからの返事を心のよりどころにし、彼もまた日々届く手紙を楽しみにしていたが・・・

※   ※   ※

 

       
 






       


■プロダクション・ノートより

クラウス・ハロ監督インタビュー

「まったく知らない名前の脚本家からメールで原案が送られてきました。フィンランドの映画界はとても小さいから、脚本家の名前はほとんど知っているはずなので、寝込んでいなかったら、名前も知らない人が書いた原案は読まなかったと思う。どんな人物なのか、女性か男性かも知らないまま、とにかく自分が興味をもったことを伝えたかった。そうしたら、そのひとは40歳のソーシャルワーカーの女性で、休職して映画学校に通っている女性でした。そして彼女は、教師がそうしろと言ったからという理由で、僕にメールを送ってきたに過ぎませんでした。原案を読んで、すぐに彼女に会って、登場人物がいかに魅力的で、すばらしい物語かを伝えて、書き直しを快諾してもらいました。」

「この作品は、人とのつながりや友情といったことを一番求めているのに、諦めてしまった人たちが、それでもつながりや友情を探し求めるという物語です。私は、人間という弱い存在、そして人が一番ダメージを受けているときに、どうなるのかというテーマにとても惹きつけられます。これは、私の人生についての考え方において、とても重要かつ、常に意識していることなんです。」


 

 









■クラウス・ハロ 監督
1971年ポルヴォー生まれ。ヘルシンキ芸術デザイン大学卒業後、フィンランドとスウェデーンを拠点に活躍。大学在学中にショートフィルム『Johannes10-11 vuotta(ヨハネス10-11歳)』(93)を製作。その後、子供や若者の世界を捉えた作品を中心に制作。
ドキュメント作品『Kolme toivetta』(2001)で北欧放送局連盟ドキュメント賞受賞。『Nattflykt』(2000)でベルリン国際映画祭短編部門特別賞受賞。1950年代のスウェーデンを舞台にした『Elina-som om jag inte fanns(英題:As If I Didn't Exist』(03)ではベルリン国際映画祭子ども映画部門クリスタル・ペア賞などを受賞。
本作では題82回アカデミー賞外国語映画部門にフィンランド代表としてノミネートされたほか、世界各国の映画祭で17の賞を受賞した。


■スタッフ
監督・脚本:クラウス・ハロ
脚本・原案:ヤーナ・マッコネン
プロデューサー:ラッセ・サーリネン、リスト・サロマー
撮影:トゥオモ・フトゥリ
編集:サム・ヘイッキラ
美術:カイサ・マキネン
衣装デザイン:サリ・スオミネン
メイク:ピア・ミッコネン
グラフィックデザイン:ティモ・ヒュッポネン
音楽:ダニ・ストロムベック

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.alcine-terran.com/tegami/

英題:POSTIA PAPPI JAAKOBILLE
2009年/フィンランド/1時間15分
カラー/35ミリ/シネマスコープ
配給:アルシネテラン