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マーラー 君に捧げるアダージョ
MAHLER AUF DER COUCH

2011年4月30日(土)より、渋谷・ユーロスペース他 全国順次公開


■ストーリー
 1910年、夏。グスタフ・マーラーは、オランダのライデンで休暇を過ごしている精神科医のフロイトを訪ねた。
19歳年下の妻アルマが建築家ヴァルター・グロピウスと不倫の関係になったことを知り、フロイトに自身の苦しみを打ち明けたのだ。
  フロイトはマーラーにとって妻アルマはどのような存在かと訪ねた。マーラーは「アルマは相棒、相談役、妻、母親、友人、恋人、ミューズ、自分のすべてだ」と答える。
  アルマはマーラーにとっての中心点だった。しかし、一通の手紙が二人の生活を一変させる。ある日、マーラーはヴァルター・グロピウスという見知らぬ青年から自分宛の手紙を受け取った。それはアルマへの強烈なラブレターだった。怒りに震えるマーラーはアルマを問い詰めると、アルマはグロピウスとの関係を告白した。

 


■キャスト
ヨハネス・ジルバーシュナイダー
バーバラ・ロマーナー
カール・マルコヴィクス
フリードリヒ・ミュッケ
 


       

 

 フロイトの診察は「あなたが犯した罪は何ですか」と続いた。マーラーは、不倫の罪を犯したのは妻で、自分に罪はないと怒る。しかし、その質問が気にかかり、夜中にフロイトの部屋に押しかけたマーラーは、長いすに横たわり催眠療法を受けることになる。そして、マーラーはアルマと初めて出合った日のことを語りだす・・・

※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

監督:パーシー・アドロン インタビュー

Q:この映画を作ることになったきっかけは何ですか?

フェリックス:私たちは、マーラーの2つの大きなアニバーサリー、生誕150年(2010年7月7日)と没後100年(2011年5月18日)の記念に何か作りたいと思いました。

パーシー:フェリックスは、マーラーが自暴自棄になっていた時期の音楽を聴いたときにかなり関心が高まったようです。その音楽と、 マーラーへの手紙――封筒にマーラーの名前があり、中にはアルマへのラブレターが入っているもの――が彼に「脚本を一緒に書こう!」と言わせるきっかけとなりました。

Q:脚本を書く前に、じっくりリサーチをなさったのですか?

パーシー:確かにたくさん本は読みましたが、厳選して読みました。中でもとても魅力的だったのはアルマが10代のころからつけていた日記です。 それは自然な文体で、即興的でしたし、文語というよりは口語の様な文章で“現代的”でした。彼女はファッション、オペラ、作曲のこと、好きになった男性のこと、 音楽教師と交わした愛撫のこと、運命の人に出会うまでバージンでいなければいけないが、いかに本物のセックスがしてみたいかなどを日記に綴っていました。

フェリックス:そしてその運命の人はグスタフ・マーラーだったわけです。私たちは、彼らの伝記を読んだのはもちろん、アルマとマーラーの手紙、 アルマとマーラーを知る関係者の記述も読みました。このウィーンの有名なカップルにはゴシップがついてまわったのです。 彼らはブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーのようだったのです。私たちはカメラの前に登場させる目撃者の相関図を作りました。

■アルマ・マーラー
1879年8月31日―1964年12月11日
世紀末ウィーンのミューズ。類稀な美貌と音楽的才能に恵まれ、多くのアーティストを魅了した。
1879年、風景画家のエミール・ヤコブ・シントラーとアンナ・フォン・ベルゲンとの間に生まれる。1892年に彼女の父が亡くなると、アルマの母はウィーン分離派の創始者の一人であるカール・モルと再婚。1902年にグスタフ・マーラーと結婚。二人の子を産むが、1907年に長女マリア・アンナを猩紅熱でなくし、そのことで心神耗弱状態になる。サナトリウムでの療養中、建築家のヴァルター・グロピウスと出会い、不倫関係が始まる。

1911年のマーラーの死後、画家オスカー・ココシュカなどのアーティストとも関係を持つが、1915年にグロピウスと結婚したのちに離婚。1929年には作家のフランツ・ヴェルフェルと10年近い同棲の後に結婚した。

アルマの初期の作曲作品は彼女の存命中に出版され、現在も演奏されている。1963年、音楽学者デリック・クックにマーラー《交響曲第10番》の補筆許可を与えた後、翌1964年、ニューヨークで亡くなった。

 

 








■監督:パーシー・アドロン
1935年、ドイツ、ミュンヘン生まれ。ミュンヘン大学で美術史と演劇を学び、俳優、ラジオのナレーター、司会などを経験、 1970年にはテレビで映画評論を担当。1973年から、放送局 AKDで、アートや人間を描くドキュメンタリーの制作・演出・脚本を手がける。
1981年に“Celeste”で映画監督デビュー。『バグダッド・カフェ』(87)が世界的に大ヒットし、注目を集める。
その他代表作には『シュガー・ベイビー』(84)、『ロザリー・ゴーズ・ショッピング』(89)『サーモンベリー』(91)などがある。 自分の一族へのオマージュを捧げた“The Glamorous World of the Adlon Hotel”なども手がけるなど、現在も精力的に活動してい


■スタッフ
監督:パーシー・アドロン
脚本:パーシー・アドロン、フェリックス・アドロン
プロデューサー:エレオノラ・アドロン
撮影:ベネディクト・ノイエンフェルス
アートディレクション:ベルント・アマデウス・カプラ、ヴェロニカ・メルリン
衣装:カタリーナ・ツェペック
サウンド:ディエトマ・ツーソン、ミヒャエル・エルツ
演奏:エサ=ペッカ・サロン指揮&スウェー放送

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.cetera.co.jp/mahler/

(C)2010, Pelemele Film, Cult Film, ARD, BR, ORF, Bioskop Film GmbH

原題:MAHLER AUF DER COUCH
2010年/ドイツ、オーストリア/ドイツ語/102分/35mm/ヴィスタ/
字幕監修:古田由紀子
日本語字幕:城所孝吉
配給:セテラ・インターナショナル


     


■劇中音楽
グスタフ・マーラー作曲
《交響曲第 10番》(未完)第1楽章 アダージョ
《交響曲第 5番》第 4楽章 アダージエット
《交響曲第 4番》第 3楽章 静けさに満ちて

演奏: エサ=ペッカ・サロネン指揮&スウェーデン放送交響楽団

■その他の劇中音楽
リヒャルト・ワーグナー 楽劇《ワルキューレ》より
歌:ソプラノ ニーナ・ベルテン、ピアノ連弾とともに

ヨハン・セバスチャン・バッハ
「平均律クラヴィーア第 1巻」よりフーガ ハ短調

アルマ・マリア・シントラー=マーラー
「5つの歌曲」より「私は花の下をさすらう」(Ich wandle unter Blumen)