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赤い靴:デジタルリマスター・エディション
The Red Shoes

2011年7月2日(土) ユーロスペースほか全国順次公開


■ストーリー
 レルモントフ・バレエ団を主宰するボリス・レルモントフは、ロンドン公演の折、2人の新人を発見し、一座に契約した。1人は社交界の令嬢ながら一流のバレリーナ、ヴィクトリア・ペイジ、もう1人は新進作曲家のジュリアン・クラスター。
  2人は一座と共にパリへ渡る。クラスターはオーケストラ・コーチを受け持ち、ヴィッキーは群舞のダンサーとして踊った。優れた興行主であり、且つダンサーを養成する特殊な才能を合わせ持つレルモントフは、ヴィッキーの天性の才能を直ちに見抜いていた。なぜ踊るのかという問いに、迷わず、踊ることが生きることだからだと答える彼女を、一流のプリマに育て上げる決心を固めていた。
  一座には、イワン・ボレスラフスキーや、グリシャ・リュボフといった一流のバレエ・ダンサーが揃っていた。ヴィッキーは、恵まれた環境の中で、ただひたすら練習を重ねていた。ある日、プリマのボロンスカヤが結婚の決意を告白。皆は祝福するが、芸術至上主義のレルモントフは、パリ興行を最後にボロンスカヤを解雇してしまった。

 


■キャスト
ヴィクトリア・ペイジ:モイラ・シアラー
ボリス・レルモントフ:アントン・ウォルブルック
ジュリアン・クラスター:マリウス・ゴーリング
イワン・ボレスラフスキー:ロバート・ヘルプマン
グリシャ・リュボフ:レオニード・マシーン
 




       

 

 一座は主役を失ったままパリからモンテカルロへ向かった。レルモントフは、此処で、かねてから企画していた新作バレエ「赤い靴」に着手、作曲にクラスター、プリマ・バレリーナにヴィッキーを抜擢する。大きなプレッシャーを、飽くなき情熱と、互いへの信頼で乗り越えていくヴィッキーとクラスター。2週間後、バレエ「赤い靴」の初演は華々しい成功を収め、ヴィッキーとクラスターは一夜にして大スターとなったのである。

 レルモントフ・バレエ団のその後の勢いは、とどまることを知らなかった。そして、名声と注目の中心は、勿論、プリマとなったヴィッキーだった。「奇妙な店」「コッペリア」、そして「レ・シルフィード」。
一座が公演するどんな演目も、見事に自分のものにしていくヴィッキー。同時に彼女は、クラスターとの愛も育んでいったのだが・・・・


※   ※   ※

 

       
 








       


■プロダクション・ノートより

映画『赤い靴』に登場するバレエ演目

本作では、いくつもの有名な古典バレエのシークエンスが鑑賞できることである。しかも、すべてが当時の英国バレエ界を代表するスターたちが競演する本格的バレエで、その断片を惜しげもなくちりばめているという贅沢さだ。本作が、類稀な優れた芸術作品であると称される所以が此処にある。

『白鳥の湖』Swan Lake

ロンドンの由緒あるマーキュリー劇場で踊るヴィッキーを、客席からじっと見つめるレルモントフ。モンテカルロ歌劇場で踊る彼女に指揮台から投げキッスを送るジュリアン。そしてヴィッキーがバレエ団を去った後呼び戻された先輩バレリーナ、ボロンスカヤの舞台の3つの場面。
『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』と並ぶ3大バレエのひとつ。あまりにも有名な古典バレエだが、群舞の長いチュチュや、グラン・アダージョと呼ばれる名場面(ボロンスカヤの踊り)に王子の他にもう一人男性ダンサーが加わるなど、今とは違った当時のスタイルが垣間見られるのも興味深い。

『ジゼル』Giselle

パリ・オペラ座ガルニエ宮でのドレス・リハーサルで、ボロンスカヤは婚約を発表。本番を踊る彼女に、レルモントフは冷ややかな視線を向け、本番の舞台袖で「バレエと結婚の両立は不可能だ」と切り捨てる。
結婚を目前にして亡くなった娘達が妖精となり、夜中に森に迷い込んできた若者を死ぬまで踊らせるというオーストリア地方の伝説に着想を得て作られたロマンティック・バレエの代表作。

『奇妙な店』La Boutique Fantasque
『コッペリア』Coppelia
『レ・シルフィード』Les Sylphides

新作バレエ『赤い靴』を成功させたレルモントフ。その後ヴィッキーは、バレエ団のレパートリーを次々と主演していく。
選ばれた演目は、いずれもバレエ・リュスの人気作品で、主演モイラ・シアラーのバレリーナとしての魅力をよく伝えている。機械仕掛けの人形たちが賑やかに踊る『奇妙な店』は、シアラーが所属していたサドラーズ・ウェルズ・バレエ団で1947年に再演され、振付者であるレオニード・マシーン自身が相手役に新進のシアラーを大抜擢した記念すべき演目。人形作り職人コッペリウス博士と人形コッペリアが繰り広げる喜劇『コッペリア』では、コケティッシュなヒロインのスワニルダをチャーミングに演じ、空気の精シルフィードと詩人が月明かりの森で踊る『レ・シルフィールド』では、ロバート・ヘルプマンとの美しいパ・ド・ドゥを披露する。

(プレス資料より転載)

 

 










■製作・脚本・監督:マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー

1939年から18年間コンビを組み、共同で設立したアーチャーズ・プロダクションズで脚本からプロデュースまで引き受け、19本の長編映画を製作。パウエルは1905年、英カンタベリー生まれ。ヒッチコックなどの助監督を経て監督になり、プレスバーガーと組んだ。90年、84歳で死去。プレスバーガーは1902年ハンガリー生まれ。ドイツ映画界で脚本を書き、イギリス映画界に転じた。88年死去。
2人は1956年にコンビを解消。パウエルは単独で監督を続け、タブーに近いのぞきを題材にした『血を吸うカメラ』(60)はホラーのカルト作となった。プレスバーガーの小説『日曜日には鼠を殺せ』は、64年にフレッド・ジンネマン監督により映画化された。パウエルは晩年の84年に39歳年下の編集者セルマ・スクーンメイカーと3度目の結婚をした。彼女は、ニューヨーク大学で教えた弟子マーティン・スコセッシの全作品の編集を手がけ、『レイジング・ブル』(80)でアカデミー編集賞を受賞。



■スタッフ
製作・脚本・監督:マイケル・パウエル
エメリック・プレスバーガー
音楽:ブライアン・イースデル
指揮:サー・トーマス・ビーチャム
演奏:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
撮影:ジャック・カーディフ
編集:レジナルド・ミルス
美術監督:ハイン・ヘックロス
録音:ゴードン・K・マッカラム、チャールズ・プルトン
テクニカラー撮影:ジョージ・ガン、E・ホーグ
振付:ロバート・ヘルプマン、レオニード・マシーン

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
www.red-shoes.jpn.com

(C(C)1948 Carlton Film Distributors Limited. All Rights Reserved.
Licensed by ITV Studios Global Entertainment Ltd. and Distributed by Park Circus Limited.)

原題:The Red Shoes
1948年イギリス映画/136分/スタンダード
デジタル上映
配給:デイライト、コミュニティシネマセンター