あしたのパスタはアルデンテ
Mine Vaganti

2011年8月　シネスイッチ銀座ほか全国順次公開


■ストーリー
　南イタリア、ブーリア州の伝統的な町レッチェ。カントーネ家は祖母の代からパスタ会社を経営する名門家族。祖母は義理の弟と一緒にパスタの会社を切り盛りしていたが、今は引退し、若き日の思い出にとらわれている。
　 現在の社長は息子に後を継がせて幸せなファミリービジネスを夢見る父親ヴィンチェンツォ。母親ステファニアは、気がきかないお手伝いをいつも大声で叱っている。叔母ルチアーノは独身で、アルコールに依存気味。カントーネ家の子供たち3人は、長男アントニオが父親の片腕となり、パスタ会社を手伝い、長女エレナの婿はパスタ会社で働いているが頼りなく、父親からあまり気にいられていない。そして、一家の末っ子、トンマ―ゾは小説を書きながら自由にローマに暮らしていた。

 

　ある日、一家のパスタ会社を息子たちと共同経営者とに引き継ぐための重要なディナーが開かれることになった。トンマ―ゾは久しぶりに故郷レッチェに帰ってくる。トンマ―ゾは兄アントニオに、ディナーの席上で3つの秘密を家族に発表することを打ち明けた。それを告白してさっさとローマにローマに戻ろうと思っていた。
ところが、ディナーの席でトンマ―ゾがいよいよ告白しようとした矢先、思いがけない事態に・・・

※　　　※　　　※

 

■プロダクション・ノートより
フェルザン・オズペテク監督インタヴュー
私の家族に対する考え方はとても伝統的なものです。特にこの映画においては、父親と母親、子供たちの関係性、互いの存在感や力を一層強く感じていました。同時に、血縁を超えてつながることが出来る家族のような友達関係や、それに似た強い絆について考えてみたいと思ったのです。
レッチェを選んだのは、８年前に初めてこの町を訪れたとき、この町に恋してしまったから。とにかく、この映画の舞台は、古典的な建築と伝統をもっていて特徴のあるイタリア南部に設定したかったのです。
レッチェは美しい建築物、風景、美味しい食べ物が混在し、素晴らしい雰囲気を醸し出す町です。そしてその選択は最高で、私たちは並々ならぬ歓迎を受けました。
私はこのレッチェの経験で、たくさんの新しい出会いがあり、一生付き合いを続けていきたいサレント半島の新しい友達をたくさん得ました

■監督：フェルザン・オズペテク
1959年トルコ、イスタンブール生まれ。77年にイタリアに移住、ローマのローマ・ラ・サピエンチァ大学に入学。後に、シルヴィオ・ダミーコ国立演劇アカデミーの演出コースで学ぶ。
80年代から助監督として活動。97年に監督デビュー作“Hamam”『私の愛したイスタンブール』（TV放映）。『ラスト・ハーレム』（99）で、オスマン・トルコの最後の日々を描く。3作目“Le fate ignoranti”『無邪気な妖精たち』（01）は、フライアーノ映画祭で監督賞、ニューヨーク・レズ＆ゲイ映画祭で最優秀作品賞を受賞。4作目『向かいの窓』（03）は、イタリアのアカデミー賞に当たるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最優秀作品賞をはじめ４部門で受賞。
このほかに“Cuore sacro”『聖なる心』（05）、“Saturno contro”『対角に土星』（07）、“Un giorno perfetto”（08）などの作品がある。


■スタッフ
監督：フェルザン・オズペテク
脚本：イヴァン・コトロネーオ、フェルザン・オズペテク
撮影監督：マウリツィオ・カルヴェージ
編集：パトリツィオ・マローネ
音楽：パスクァーレ・カタラーノ
プロダクション・デザイナー：アンドレア・クリザンティ
衣裳：アレッサンドロ・ライ
プロダクション・スーパーバイザー：クラウディオ・ザンペッティ
ライン・プロデューサー：ジャンルカ・レウリーニ
プロダクション・マネージャー：ロベルト・レオーネ
録音：マルコ・グリッロ
アシスタント・ディレクター：ジャンルカ・マッツェッラ
プロデューサー：ドメニコ・プロカッチ