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サヴァイヴィング ライフ
-夢は第二の人生-
SURVIVING LIFE

2011年8月27日よりシアター・イメージフォーラム ほか全国にて順次公開


■ストーリー
 エフジェンは、うだつのあがらない中年の勤め人。楽しみといえば寝る事ぐらい。家に帰ると口うるさい妻ミラダの愚痴を聞かなければならない。
  ある日彼は夢の中でエフジェニエという名の若く美しい女と出会う。彼女に誘われ部屋を訪れ、抱き合っていると彼女の息子ペトルにみつかり、気まずい思いをしてしまう。夢の記憶が気になるエフジェンは、精神分析医のホルボヴァー医師を訪ねる。医師のもとでカウンセリングを受けているとエフジェンが幼い頃に両親を亡くし、児童養護施設で育てられた経験が関係しているらしいとわかってくる。

 


■キャスト
ヴァーツラフ・ヘルシュス
クラーラ・イソヴァー
ズザナ・クロネロヴァー
ダニエラ・バケロヴァー
エミーリア・ドシェコヴァー
 




       

 

 エフジェンは、夢の操作法に関する本を探し、自分の意志で夢の世界に入っていく方法をみつける。誰にも邪魔されず、その儀式を行えるように、写真家だった老人のスタジオを借りる。妻には会社に行くふりをして毎日夢の中へ出かけるエフジェン。ある夢の中で彼は宝くじに当選し、エフジェニエに豪華なアパートを買ってやる。しかしまた別の夢では、エフジェニエの夫でペトルの父であると主張する自分にそっくりなミランという若い男が現れ、宝くじの賞金を半分よこせと脅される。

 一方、夫の行動を怪しむ妻のミラダは、エフジェンを尾行する。精神分析医のホルボヴァーに会い、彼女が夫の浮気相手だと思い込むが、逆にエフジェンの二重生活を教えられ衝撃を受ける。ミラダは夫の尾行を続け、スタジオでのエフジェンの儀式を盗み見し、その真似をして彼の世界へ入り込む・・・


※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

監督・脚本:ヤン・シュヴァンクマイエル インタビュー
フィルムのひとコマひとコマに執着するパラノイア的な創作姿勢や実写と写真をたくみに組み合わせたカットアウトアニメで、デジタル技術によるCGや3D映画をはるかに凌駕する映像作品を作り出すヤン・シュヴァンクマイエル。
アルフレッド・ヒッチコックさながらに本人が登場し、自虐的なコメントを述べ、人を喰ったオープニングで始まる本作は、メタモルフォーゼ、夢の具象化、エロスとタナトス、胎内回帰願望等、シュヴァンクマイエルが繰り返し表現してきたモチーフを隋所に散りばめ、老境にさしかかった作家が"人の一生"をシニカルに見つめた作品でもある。「サヴァイヴィング ライフ」と名づけられたこの映画は、夢をみることが生きていく支えになるという彼からのメッセージ。


 

 









■監督・脚本: ヤン・シュヴァンクマイエル
1934年、チェコスロバキアのプラハで生まれる。父は陳列窓装飾家、母は熟練の裁縫婦。8歳のクリスマスに父親から人形劇セットをもらう。これは彼のその後の世界観・芸術観の形成に決定的な役割をはたす。16歳でプラハの工芸高等学校に入学。在学中、古本屋をまわってシュルレアリスム関係の本を探し始め、ブルジョアの「退廃芸術」を批判する本を通してダリの絵と出合う。1954年プラハの芸術アカデミー演劇学部(DAMU)人形劇科に入学。その後、短期間、リベレツの国立人形劇劇場で演出と舞台美術を担当。映画監督エミル・ラドクと出会い、彼の短編映画「ヨハネス・ドクトル・ファウスト」に人形遣いとして参加。

1960年、プラハのセマフォル劇場で仮面劇のグループを組織し、上演活動を開始。1962年セマフォル劇場との契約が切れ、仮面劇団とともにラテルナ・マギカへ移る。

1964年最初の作品「シュヴァルツェヴァルト氏とエトガル氏の最後のトリック」を発表。翌年「J.S.バッハーG線上の幻想」がカンヌ映画祭で短編映画賞を受賞。1973年「オトラントの城」の準備を始めるが、当局側から映画製作禁止を命じられ、1980年までバランドフ映画スタジオで特殊撮影と美術を担当して生計を立てる。1975年、論文「未来は自慰機械のもの」を執筆。翌年フランスで刊行されたヴァンサン・ブヌール編集の論文集「シュルレアリスム文明」に収録される。
1983年「対話の可能性」がベルリン映画祭で短編映画部門金熊賞と審査員賞を受賞。1989年ニューヨーク近代美術館で映画の回顧展。1990年、ベルリン映画祭で「闇・光・闇」が審査員特別賞。川崎市民ミュージアムの「シュヴァンクマイエル映画祭'90」で来日。1991年プロデューサーのヤロミール・カリスタと共に古い映画館を買い取り、映画スタジオ<アタノル>を創立する。1997年サンフランシスコ映画祭で「伝統的な映画製作の枠組みにとらわれないで仕事をしている」映画監督の業績に対して授与されるゴールデンゲート残像賞を受賞。


■スタッフ
撮影:ヤン・ルジチュカ、ユライ・ガルヴァーネック
アニメーション:マルティン・クブラーク、エヴァ・ヤコウプコヴァー、ヤロスラフ・ムラーゼック
音響:イヴォ・シュパリ
編集:マリエ・ゼマノヴァー
衣装:ヴェロニカ・フルバー
プロデューサー:ヤロミール・カリスタ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://survivinglife.jp/

(C) ATHANOR

2010年/チェコ/108分/35ミリ/ヨーロピアンビスタサイズ
日本語字幕:阿部賢一
配給:ディーライツ