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サルトルとボーヴォワール 哲学と愛
Les amants du Flore

2011年11月26日より、ユーロスペースほか全国にて公開


■ストーリー
 1929年、ソルボンヌ大学に通うシモーヌ・ド・ボーヴォワールは、学内でジャン=ポール・サルトルから話しかけられる。はじめは警戒していたボーヴォワールも、サルトルの中に自分と似たものを見出し次第に打ち解け、やがて二人は1級教員資格を目指して一緒に勉強をするようになる。試験はサルトルが首席でボーヴォワールが次席、しかもボーヴォワールは歴代最年少での合格だった。

  サルトルはボーヴォワールが訪れている田舎町に向かっていた。ボーヴォワールは自分を追いかけて来たサルトルに感動し、両親の目を盗んで一夜を共にする。普段から父が母をまるで召使いのように扱う事に疑問を感じていたボーヴォワールは、家を出て哲学の教師として働き始めたサルトルと暮らす事を決意する。そんな時、母親から結婚話を押し付けられていた親友ローラの死を告げる手紙が届く。原因不明で死んだローラの亡骸と対峙したボーヴォワールは、ブルジョワ階級が持つ偽善的な倫理観とカトリック独特の道徳を心から軽蔑し憎んだ。

 


■キャスト
アナ・ムグラリス、ロラン・ドイチェ
カル・ウェーバー、キャロリーヌ・シロル、ディディエ・サンドル
ウラジスラフ・ガラルド、 レティシア・スピガレッリ、クレマンス・ポエジー
ジュリアン・ボームガルトネル
サラ・スターン、ジェニファー・デッカー、ロベール・プラニョル
フィリップ・バルディ、ユベール・ドゥラットル
 




       

 

 サルトルとの生活の最初の日、ボーヴォワールは思ってもみなかった提案を受ける。それはお互いに将来も含め愛し合いながら、他の関係も認め合うという自由恋愛で、しかも他の関係について嘘偽り無く全てを報告し合うというものだった。作家には刺激が必要だというサルトルの主張には納得出来なかったが、ごまかしに満ちた小市民的な結婚ではない“契約結婚”という説得に、結婚か独身しか女性にとって選択肢が無い社会の伝統に疑問を抱いていたボーヴォワールは、受け入れる事にする。
 
  1938年、サルトルは初めての小説「嘔吐」を刊行する。その頃サルトルは、ボーヴォワールはの教え子である、ルミの妹タニアと関係を持っていた。ボーヴォワールはサルトルとの関係に限界を感じ、お互いに自由恋愛を続けるにはサルトルとのセックスを拒絶し、その上で“誰にも奪えない地位”を与えられることが条件だとサルトルに告げた・・・

※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

ジャン=ポール・サルトルは“実存主義”を世に広め、60年代には“知の巨人”として世界中の若者に大きな影響を与えた作家であり哲学界のスーパースター。そしてシモーヌ・ド・ボーヴォワールは「第二の性」でジェンダー論の基礎を作り、女性の幸福のために社会通念や偏見と闘い、自由恋愛から同性愛までを実践した作家であり哲学界のミューズだ。1929年、学生だった二人は、ソルボンヌ大学で運命的な出会いを果たす。そして生涯を通じて影響を与え合い、やがて世界的に有名になった二人は“理想のカップル”と称され、1980年のサルトルの死まで今で言う“事実婚”のパートナーとして支え合った。


 

 









■監督:イラン・デュラン=コーエン
パリ在住の小説家、映画監督。過去に小説4作品を執筆。ニューヨーク大学で映画製作を学び1991年に『Lola Zipper』でデビュー。


■スタッフ
監督:イラン・デュラン=コーエン
脚本:シャンタル・ド・リュデール、エブリーヌ・ピジエ
撮影:クリストフ・グライヨ
美術:シャンタル・ギュリアーニ
衣装:シルヴィ・ド・セゴンザック
編集:ユーグ・オルデュナ
音楽:グレゴワール・エツェル

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://tetsugakutoai.com/

(C)PAMPA PRODUCTION-FUGITIVE PRODUCTIONS-MMVI

原題:Les amants du Flore(フロールの恋人)
2006年/フランス/105分
配給:スターサンズ