ファウスト
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■キャスト ハインリヒ・ファウスト:ヨハネス・ツァイラー マウリツィウス・ミュラー(高利貸):アントン・アダシンスキー マルガレーテ:イゾルダ・ディシャウク ワーグナー:ゲオルク・フリードリヒ |
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ファウストが連れて来られたのは、女たちが集う洗濯場。ファウストはひと際輝くマルガレーテを見つけ、その美しさに心奪われる。家までお送りしようと彼女に申し出るものの、すぐに断られてしまう。つぎに訪れた地下酒場では、兵士たちが終戦を祝って陽気に歌い飲み明かしていた。マウリツィウスは、兵士のひとりであるバレンティンにわざと酒をかけて騒ぎを起すと、魔法を使って壁からワインを噴出させる。その騒動にまぎれ、マウリツィウスにフォークを握らされたファウストは、バレンティンを誤って刺し殺してしまう。その男が実はマルガレーテの兄だと知らないファウストは、マウリツィウスに連れられてその場を逃げだす。 罪の意識に苛まれるファウスト。死んだ男の家族に償いをしたいとマウリツィウスに頼むが、自分の殺した男が愛しいマルガレーテの兄であることを知り、愕然とする。兄の葬儀の日、ファウストはマルガレーテに近づくため、黒衣に身をつつんだ人々の群れにまぎれ参列する。ファウストは彼女を慰めながら束の間の逢瀬を楽しむが、二人きりのところを母親に見つかり、マルガレーテは母に「恥知らず」と激しく怒られる。
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監督:アレクサンドル・ソクーロフ インタビュー 私はゲーテの小説に以前から強く惹かれていましたし、なぜこれほど素晴らしく、パワフルな古典文学が故国ドイツでもっと映画化されないのか不思議に思っていました。またファウストはとても有名な題材ですが、実際に小説を読んでいる人は意外に少ないと思います。今回私はゲーテの原作、とくにそのテキストに最大限の敬意を払いながら、これを自分なりに解釈して映画化したいと思ったのです。 Q:キャスティングとスタッフ まずドイツでオーディションを始め、キャラクターに近い年齢の役者たち千人以上に会いました。さらにヨーロッパ中から探し、結果的にドイツ、オーストリア、スカンジナビア、アイスランド、チェコ、ロシアの俳優たちが集まりました。特にファウスト役のヨハネス・ツァイラーをはじめとするドイツの俳優は素晴らしかったです。彼らにはロシアの演技の伝統にも通じるような質実な気風がありました。 私はドイツ語を話せませんが、演技が良いか悪いかは感覚的に判断できます。それは『太陽』で、日本の俳優の方々と仕事をしたときにも感じたことです。たとえ言葉はわからなくても、俳優の資質や演技を感じ取ることはできるのです。ですから海外の俳優たちと仕事をすることはまったく難しいことではありませんでした。 スタッフについても各国からとても才能のある人々を集めることができました。私たちの望みは、技術的に『ロード・オブ・ザ・リング』やその他のハリウッド大作に負けないような水準のものを作ることでした。今回初めて一緒に仕事をした撮影監督のブリュノ・デルボネル(『アメリ』『ハリー・ポッターと謎のプリンス』)は世界的にも最高の技術を持った素晴らしいカメラマンだと思います。こうしたスタッフの粘り強さ、エネルギーがこの作品を技術的にとても高水準の、プロフェッショナルなものに仕立ててくれたと思います。
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■監督・脚本:アレクサンドル・ソクーロフ Alexander Sokurov 1951年6、シベリアのイルクーツク生まれ。学生時代はゴーリキ市のTV局で勤務し、19歳の時に初めてTV番組を制作。1975年に全ロシア国立映画大学へ進み、卒業制作として撮った長篇処女作『孤独な声』(78年)がアンドレイ・タルコフスキー監督に高い評価を受けるが、大学や政府当局から受け入れられず公開禁止処分となる。卒業後に手がけた多くの作品も、ソビエト連邦崩壊後まで一般公開されることがなかった。1987年以降は、ソビエト時代に公開されなかった作品も公開されるようになり、新作をコンスタントに発表。『ファウスト』で第68回ヴェネチア国際映画祭グランプリ受賞。 フィルモグラフィ ■劇映画 ■ドキュメンタリー ■スタッフ 監督・脚本:アレクサンドル・ソクーロフ 台本:ユーリー・アラボフ 共同脚本:マリーナ・コレノワ 撮影:ブリュノ・デルボネル 美術:エレーナ・ジューコワ 衣装:リディヤ・クリュー メイク:タマラ・フリド 編集:イェルク・ハウシルト 製作・音楽:アンドレイ・シグレ 第68回 ヴェネチア国際映画祭 グランプリ(金獅子賞)ほか2部門受賞 第16回 サテライト賞 外国映画賞・撮影賞・美術賞・衣裳デザイン賞ノミネート 第36回 トロント国際映画祭 正式出品 第55回 ロンドン映画祭 美術監督賞ノミネート 第36回 ヒホン国際映画祭 美術監督賞受賞 |
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