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ファミリー・ツリー
The Descendants

2012年5月18日より全国にて公開


■ストーリー
 オアフ島に暮らすマット・キングは、人生の転機を迎えていた。妻のエリザベスが事故にあい、意識不明の昏睡状態となってしまったのだ。それまで仕事に明け暮れていたマットは、今度こそ良き夫、理想の父親になると誓う。
だが、10歳になる次女のスコッティがショックから不安定になり、様々な問題を起こし始めた。娘をどう扱っていいのか見当もつかないマットは、頭を抱えるしかなかった。

  さらにマットには、もうひとつ大きな課題があった。カウアイ島に先祖から受け継いだ土地を所有しているのだが、法律に従って売却を考えていた。つましく暮らして来たマットだが、妻が回復したら贅沢な生活を楽しませてやろうと思っていた。しかし妻は眠り続け、良き夫への道も閉ざされたままだ。

 


■キャスト
ジョージ・クルーニー
シャイリーン・ウッドリー
アマラ・ミラー
ニック・クラウス
ボー・ブリッジス
ロバート・フォスター
ジュディ・グリア
 




       

 

 全寮制の高校に入っている長女のアレックスを迎えに行くマット。母の病状を聞いたアレックスは激しく動揺する。心から母を愛しているからこそ、アレックスには許せないことがあった。「ママは浮気してたんだよ」。娘の突然の告白に激昂し、親友夫妻を問い詰めるマット。彼らは妻が本気で離婚を考えていたことを知っていた。
  妻への怒りに震えながらも、マットは彼女のために浮気相手のスピアーに会って、現状を伝えることを決意する。

 娘二人となぜかアレックスの友達シドも一緒に、カウアイ島に滞在するスピアーを訪ねるマット。到着早々、マットは土地の見納めにとキプ・ランチへ向かう。雄大な原野に、しばし見とれる父と娘。

  翌日、マットはスピアーに妻のことを伝える。あとは一族の会議に出席し、土地の行方を決めなければならない。マットは胸に秘めた一大決意を実行し、新たな関係を築き始めた娘たちと、妻のもとへ帰ろうと考える。何があっても愛していると気付いた妻のもとへ・・・。

※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

監督:アレクサンダー・ペイン インタビュー

カウイ・ハート・ヘミングスのデビュー小説「The Descendants」を読んだアレクサンダー・ペインは、人生で最も難しい決断を迫られた男の物語に、心を動かされたと語る。「ストーリーはたぶん、他の土地を舞台にして語ることもできたでしょう。でも、あの小説が魅力的なのは、ハワイの土地を所有する上流階級というユニークな設定があったからです。ハワイ固有の話ですが、同時に広く通用する普遍性もあります。私はその土地に存在する独特の雰囲気を描いた映画が好きです。最初はオマハを舞台に映画を作り、次にサンタ・バーバラ、そして今度はハワイにやってきました。」

アレクサンダー・ペインのファンだったヘミングスは、ペインが自ら手掛けた脚本に感銘したと語る。「彼は原作の雰囲気を理解してくれていましたし、この話がおもしろいと同時に悲しいものだとよく分かっていました。それに、彼が時間をかけてハワイを知ろうとしてくれたことも嬉しかったです。」
ペインとプロダクション・チームは、本物のハワイを知るために、踏みならされた観光客の道からは遠く離れることが肝心だと考えていた。そうしたおかげで、彼らは“子孫(=Descendants)”という言葉がハワイでどんな意味を持つか、より微妙なところまで理解を深めた。そこでは一人一人が、歴史のひと続きの重要な輪をなしているのだ。この深い理解を手にしたおかげで、土地を手離すことで祖先から子孫へのつながりを自らの手で絶ち切ろうとしているとマット・キングが気づくことに、本作の焦点を絞ることができた。

ラストシーンでマットと娘二人がソファにもたれてTVを見ているシーンがあるが、その足元に掛けていたハワイアンキルトは、母親の入院時に掛けられていたものだ。こうした細部への演出に、作品に対するこだわりと理解が感じられる。 「アレクサンダーの見方は間違いなくユニークです」と、ペインとの仕事は5回目となるプロデューサーのジム・バークが語る。「なかでも、『ファミリー・ツリー』は、一番ユニークな気がします。これは素晴らしい登場人物たちのいる素晴らしいストーリーですが、さまざまな解釈が許されます。登場人物たちは、誰一人として完全に正しくはないし、また完全に間違ってもいません。これは誰もが同じ見方をするような映画ではありません。観客が自分なりの方法で参加し、つながりを持つことができる作品です。」

 


 

 









■監督:アレクサンダー・ペイン
1961年、アメリカ、ネブラスカ州生まれ。スタンフォード大学で学んだ後、UCLAの映画科で修士号を得る。卒業作品『The Passion of Martin』(91)はサンダンス映画祭で上映される。監督デビュー作『Citizen Ruth』 (96)でミュンヘン映画祭最優秀賞を受賞。リース・ウィザースプーン主演のコメディ『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』(99)で、全米脚本家組合、ニューヨーク映画批評家協会から最優秀脚本賞を受賞、アカデミー賞脚色賞にノミネートされる。『アバウト・シュミット』(02)は、ゴールデン・グローブ賞監督賞にノミネート。『サイドウェイ』(04)は、アカデミー賞作品賞など主要5部門にノミネートされ、脚色賞に輝いた他、ゴールデン・グローブ賞作品賞と脚本賞を始めとする100部門近くの賞を獲得。その後、18組の監督が撮った短編を一本にまとめた『パリ、ジュテーム』(06)の一話、TVシリーズ「Hung」(09)のパイロット版を手がけた。


■スタッフ
監督・脚本:アレクサンダー・ペイン
脚本:ナット・ファクソン、ジム・ラッシュ
撮影:フェドン・パパマイケル
美術:ジェーン・アン・スチュワート
衣装:ウェンディ・チャック
編集:ケビン・テント
音楽:リチャード・フォード
製作:アレクサンダー・ペイン、ジム・テイラー、ジム・バーク

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://movies.foxjapan.com/familytree/

原題:The Descendants
2011年/アメリカ/シネマスコープ/115分
日本語字幕:林完治
配給:20世紀フォックス映画