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だれもがクジラを愛してる。
Big Miracle

2012年7月14日、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー


■ストーリー
 1988年10月、アメリカ・アラスカ州バロー。4年前からこの最北の地に派遣されているテレビリポーターのアダム・カールソンは、取材中に偶然、3頭のコククジラが厚さ15センチの氷の下に閉じ込められているのを発見する。
ひらけた海まで8キロも続いており、氷に穴を開けないと呼吸ができない彼らが生き残れる可能性は極めて低い。動物ネタは自らのキャリアにも役立つと考えたアダムは、早速、この氷に阻まれたクジラのニュースをアンカレッジのテレビ局へ送った。
  ニュースを見てアダムに電話をしてきたのは、アダムの元恋人で、グリーンピースで自然環境保護活動を行うレイチェル・クレイマーだった。地元住民のイヌピアト族が食用としてクジラ捕獲するかもしれないと知ったレイチェルは、クジラ救出のために、ハスケル州知事に州兵と砕氷船を派遣するよう要請するが冷たく断られてしまう。

 


■キャスト
ドリュー・バリモア
ジョン・クラシンスキー 
クリスティン・ベル
ダーモット・マロ
ヴィネッサ・ショウ
テッド・ダンソン
ジェームズ・レグロス

 




       

 

 そんなとき、レイチェルの職場に1本の電話が入る。「アラスカ石油所有のホバーバージを、州兵にバローまで運ばせるとよい」と。電話の主は地元の石油採掘会社社長J・W・マグロウの妻だった。バローはマグロウが石油を掘りたがっている鳥獣保護区の近くであり、クジラ救出に協力すれば、彼の石油採掘にレイチェルたち自然環境保護団体も反対できなくなり、更には環境に優しい会社というイメージをつけられるだろうという思惑があったのだ。レイチェルは巧みにメディアを利用し、知事に州兵の派遣を要請させることにも成功する。435キロの氷原を2機のヘリコプターでホバーバージを移動させる任務を任されたのは、アラスカ州兵部隊の司令官スコット・ボイヤー大佐だった。

 ニュースは瞬く間に全米で注目されることとなった。ロサンゼルスのテレビ局KABCの若手女性リポーターのジル・ジェラードは、局内で“お子様ネタ”とバカにされたクジラ救出ニュースの取材のため、バローに降り立つ。大挙として集まっているマスコミ各局の中、クジラ救出騒動の発端であるアダムと知り合ったジルは、キャリアアップのため慣れない極寒の地でレポートを続けるが、あまりの寒さに辟易とする。
一方、大統領補佐のケリー・マイヤーズは、このニュースを見てレーガン大統領にクジラ救出に協力するよう提言する。大統領選挙直前の今、候補のブッシュ副大統領を推すためにクジラ救出劇を成功させれば、レーガン政権のネックとなっている環境政策の甘さを穴埋めし、国民の人気を得られると考えたのだ。マイヤーズはホバーバージを運搬中のボイヤー大佐に大統領からの電話を繋げ、イメージアップを図ろうと躍起になる・・・

※   ※   ※

       
 




       


■プロダクション・ノートより

1988年当時は、スマートフォンもインターネットのソーシャル・ネットワークもなく、ワイヤレス接続もない時代。そのため現代のように瞬時にニュースが広まらなかった。

その代わりにケーブル・テレビや衛星通信、CNNの登場によって、全米三大テレビネットワーク局(ABC、CBS、NBC)のイヴニング・ニュースやモーニング・ニュースだけに情報を頼らなくてもいいという点も理解されるようになっていた。
報道の新時代に入って、人々はやっと固唾を呑んでニュースの推移を見守れるようになったのである。
そして同年10月8日にアラスカのバロー沖で、アザラシ猟をしていた地元民によって3頭のカリフォルニア・コククジラが、氷の中で身動きが取れなくなっている姿が発見され、それが報道されたのである。
その救出劇の進展を見守った一人がジャーナリストのトム・ローズである。彼は雑誌で掲載したこの事件の記録を記事にしたものをまとめた著作「Freeing the Whales」を1989年に出版した。本にはバロー沖で氷に囚われた3頭のコククジラのための途方もない救出劇を巡り、さまざまな事情が記録されている。

地元のニュース・カメラマンが、厚い氷に穿たれた小さな呼吸穴に姿を現すその動物たちを撮影したとき、その映像はアンカレッジのニュースデスクを飛び越え、はるばる全国放送のNBCイヴニング・ニュースのキャスター、トム・ブロコウのもとに達した。
すぐにクジラたちの窮状は国際的な注目を集め、各マスコミの熱狂に火を付け、アメリカ最北端で極寒の小さな町を巻き込む羽目になる。
バローの住民たちは、マスコミの洪水に見舞われ、生活の変化にやっと取り組み始めたばかりの眠たげな捕鯨の町は、なんともありがた迷惑な問題に直面することとなったのである。


 

 









■監督:ケン・クワピス
1957年、イリノイ州生まれ。ノースウエスタン大学、南カリフォルニア大学(USC)で映画製作を学び、モーツァルトの一幕物の歌劇「劇場支配人」を脚色したUSCの卒業制作映画『For Heaven's Sake』を手掛けた際、学生アカデミー賞が贈られた。

『ガラスのファミリー』(84)で映画監督デビュー。05年の『旅するジーンズと16歳の夏』で高い評価を受けた。テレビドラマ「マルコムin the Middle」(00〜04)のプロデューサー、演出家として01年にエミー賞にノミネート。 その他の映画監督作品に、『セサミストリート ザ・ムービー:おうちに帰ろう、ビッグバード!』(85)、『バイブス秘法の謎』(88)、 『ヒー・セッド、シー・セッド/彼の言い分、彼女の言い分』(91)、『Let’sチェック・イン!』(95)、 『美容師と野獣』(96) 、『ライセンス・トゥ・ウェディング』(07)、『そんな彼なら捨てちゃえば?』(09)などがある。


■スタッフ
監督:ケン・クワピス
脚本:ジャック・アミエル、マイケル・ベグラー
原作:トム・ローズ
撮影:ジョン・ベイリー
美術:ネルソン・コーツ
衣装:シェイ・カンリフ
編集:カーラ・シルヴァーマン、ACE
音楽:クリフ・エデル
製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、スティーヴ・ゴリン、マイケル・シュガー
製作総指揮:ライザ・チェイシン、デブラ・ヘイワード、スチュアート・ベッサー、ポール・グリーン

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
love-whale.jp

(C)2012 UNIVERSAL STUDIOS.All Rights Reserved.

原題:Big Miracle
2012年/アメリカ/スコープサイズ/英語/107分
配給:東宝東和株式会社