ローマ法王の休日
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■キャスト ミシェル・ピッコリ イエルジー・スチュエル レナート・スカルパ ナンニ・モレッティ マルゲリータ・ブイ |
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部屋に閉じこもるメルヴィルは医者の診断を受けるが、体には何の異常もない。ヴァチカンの報道官は、セラピストを呼び寄せセラピーを実施するが、それでも状況は打開できない。マスコミが一斉に「法王はどうした?」と騒ぎ立てる一方で、新法王が公表されるまでサン・ピエトロ大聖堂から出られないその他の枢機卿たちは、外にコーヒーを飲みに行きたいだの、カラヴァッジョ展に行きたいだのと、呑気に騒ぎ始める始末。頭を悩ませた報道官は、ある決意をする。禁を破り、メルヴィルをローマ市内の外部のセラピストの元へ連れて行こうというのだ。厳重な警備を固め、極秘裏に法王をヴァチカン外部に連れ出す報道官たち。しかし何と、彼らの目を盗み、メルヴィルはローマの街へと逃げ出してしまった・・・・・・。 ※ ※ ※
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「もともとは、本作の共同脚本を手掛けたフェデリカ・ポントレモーリとフランチェスコ・ピッコロと私の3人で、新作の企画として別々のアイデアを練っていたが、“新しく任命されたローマ法王が、彼の登場を期待して待つ信者たちの前になかなか姿を現すことができない”というシーンを思いついたことから企画が絞られ、話を膨らませていった。確かにかなり挑戦的な題材に見えると思うが、決して宗教批判をするつもりで作ったわけではないんだ。」 挑戦的な題材に、本国の公開時、一部のカトリック信者より批判の声も上がったというが「作品自体への批判ではなく、“カトリックの教えを反映していない”という注意だね。実際、ヴァチカンからは何の干渉もなかったよ」と、モレッティ監督は話す。 ちなみに、監督自身がカトリック教徒かという質問に対しては、「それなりにカトリックの教育を受けたが、私自身は信奉者ではない。だが、私はこの映画の中で神を信じる人を批判的な目で見てはいません。私は人間を描きたかったのであり、教会を告発しようとしたのではないのだから」と答えている。
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■監督・脚本・出演:ナンニ・モレッティ 1953年生まれ、イタリア出身。高校を卒業すると自らの切手コレクションを売ったお金で8mmカメラを購入。73年に友人と映画を撮り始める。長編監督デビュー作は『青春のくずや〜おはらい』(78)。 自ら監督したほぼ全作品にて脚本と出演も兼務している。81年、『監督ミケーレの黄金の夢』でヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞を、86年には『ジュリオの当惑』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞。94年には『親愛なる日記』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、01年の『息子の部屋』では同映画祭最高賞であるパルムドールを受賞。その他の主な監督作品には、『僕のビアンカ』(84)、『赤いシュート』(89)、『ナンニ・モレッティのエイプリル』(98)などがあり、『ローマ法王の休日』は昨年の第64回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されている。 また2012年の第65回カンヌ国際映画祭では、初めての審査委員長を務める。 ■スタッフ 監督・脚本・製作:ナンニ・モレッティ 脚本:フランチェスコ・ピッコロ、フェデリカ・ポントレモーリ 撮影:アレッサンドロ・ペシ 美術:パオラ・ビザーリ 衣装:リナ・ネルリ・タヴィアーニ 編集:エズメラルダ・カラブリア 音楽:フランコ・ピエルサンティ 製作:ドメニコ・プロカッチ |
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原題:Habemus Papam |
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